編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Manson JE, Colditz GA, Stampfer MJ, Willett WC, Krolewski AS, Rosner B, Arky RA, Speizer FE, Hennekens CH: A prospective study of maturity-onset diabetes mellitus and risk of coronary heart disease and stroke in women. Arch Intern Med 1991; 151: 1141-1147. [PubMed]

糖尿病が心血管病の独立した強力なリスク因子であること,またその大血管合併症の予防のためには,合併した他の心血管リスク因子のコントロールも重要であることが確認された。【高木三貴】
女性において成人発症の糖尿病が大血管イベントや死亡と関連するかどうかを検討した。被験者への2年ごとの質問票送付によるスクリーニング調査であり,糖負荷試験は行っていない。このため,まだ診断されていない軽度の糖尿病は健常群に分類されている可能性が高い。その点を考慮しても,糖尿病群の冠動脈疾患3.1,脳卒中3.0,心血管疾患死亡3.0,総死亡1.9の相対リスクは驚くほど高値であり,中年女性の糖尿病患者診療の際は心に留めておくべきであろう。【河盛隆造

●目的 成人発症糖尿病と,冠動脈心疾患(CHD)・脳卒中の発症,心血管死,および全死亡との関係を検討した。
●デザイン 疫学,前向き,コホート。
●試験期間 追跡期間は8年(1976~1984年)。
●対象患者 116,177人:30~55歳の米国在住看護婦121,700人を登録したNurses' Health Study(1976年~)より,CHD,脳卒中,癌の既往のない者(うち成人発症糖尿病患者は1976年1483例,1982年2226例)。
●方法 登録時から2年ごとに質問票を郵送し,糖尿病や心血管疾患発症の有無について調査した。
●結果 8年間延べ889,255人において非致死性心筋梗塞(MI)338例,冠動脈死111例,脳卒中259例,心血管死238例,全死亡1349例であった。非糖尿病群と比較し,成人発症糖尿病群の年齢補正後の相対リスク(95%CI)は著しく増加し,非致死性MIおよび致死性CHD 6.7(5.3-8.4),脳虚血発作5.4(3.3-9.0),全心血管死6.3(4.6-8.6),全死亡3.0(2.5-3.7)であった。糖尿病以外の冠動脈リスク因子の影響を除いて多変量解析をしても,糖尿病の独立した影響がみられ,前述のエンドポイントの相対リスク(95%CI)は3.1(2.3-4.2),3.0(1.6-5.7),3.0(1.9-4.8),1.9(1.4-2.4)であった。そして喫煙,高血圧,肥満を含む他のリスク因子の合併により,糖尿病がもたらす冠動脈のリスクはさらに増強されていた。
●結論 成人発症の糖尿病は中年女性においてCHD,脳虚血発作,および心血管死の強力な決定因子である。そして糖尿病によるこの影響は,他の心血管リスク因子の合併によりさらに増強される。