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Eriksson KF, Lindgarde F: Prevention of type 2 (non-insulin-dependent) diabetes mellitus by diet and physical exercise. The 6-year Malmo feasibility study. Diabetologia 1991; 34: 891-898. [PubMed]
これらの年齢の運動不足の2型糖尿病患者やIGT患者に対し,一般的な治療よりもレジャー時間の運動などの環境的要素が効果的であるという結果を示した。また運動の量やレベルをアップし重点的に行うには,47~49歳というのが冠動脈疾患や筋腱疾患の発症リスクを考えると,年齢的な上限として適していたと考えられる。【阿部恭子】
スウェーデンのMalmo市で行われた介入試験である。IGTと診断されたものに運動,食事療法の介入を行うことによって,糖尿病発症率を非介入群の約1/3まで減少させた。この後,中国のDa Qingでも同様なIGTへの介入試験が行われ,本試験と同様に糖尿病発症予防効果を示した。【河盛隆造】
●目的 | 早期2型糖尿病患者とIGT(耐糖能異常)患者において,長期にわたる食事療法と運動療法の効果を検討した。 |
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●デザイン | 前向き,非無作為,フィージビリティスタディ。 |
●試験期間 | 追跡期間は5年。 |
●対象患者 | 2型糖尿病患者41例とIGT患者181例。5年間のスクリーニングプログラムにより集められたスウェーデン・マルモ市の男性6956例(47~49歳)の中から選出。 |
●方法 | 最近2型糖尿病を発症した患者41例とIGT患者181例に,食事療法と運動療法のプログラムを施行。5年間継続し,プログラムを施行しなかったIGT患者79例と健常者114例と比較検討。 |
●結果 | プログラム介入群は体重が平均で2.3~3.7%減少したが,非介入群は0.5~1.7%増加した(p<0.0001)。エルゴメーターによる運動負荷時の最大酸素摂取量は非介入群で5~9%減少したのに対し,介入群では10~14%増加した(p<0.0001)。その後6年目まで継続した結果では,介入群IGT患者の50%以上で耐糖能が正常化し,糖尿病に進行したのは10.6%で,糖尿病患者では50%以上に耐糖能障害の軽減がみられた。また,血圧,血清脂質,高インスリン血症は低下し,糖負荷時の即時インスリン応答は保持された。結果,耐糖能の改善と,フィットネスの増加(r=0.22,p<0.02),体重の減少(r=0.19,p<0.02)に,それぞれ相関がみられた。 |
●結論 | 長期間の食事療法および運動療法の介入は大規模にも可能であり,糖尿病への進行を遅延または予防する効果がある。 |
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糖尿病トライアルデータベースは2001年にオープンしました。現在までに,1283件のトライアルを収載しています。