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Klein R, Klein BE, Moss SE: Incidence of gross proteinuria in older-onset diabetes. A population-based perspective. Diabetes 1993; 42: 381-389. [PubMed]

喫煙が腎障害を起こすメカニズムとしては,組織の低酸素状態の惹起や血小板粘着能の亢進であると考えられている。蛋白尿出現と高血圧との相関が認められなかったことについて,降圧薬により適正に血圧コントロールされている場合も高血圧群に分類されていたことの影響とすれば,降圧薬による血圧正常化の効果を表すとも考えられる。【高田伸樹・安田浩子】

●目的 成人発症(30歳以上)糖尿病患者における顕性蛋白尿(≧0.3g/L)の出現率とリスク因子を検討した。
●デザイン 疫学。
●試験期間 追跡期間は4年。
●対象患者 WESDRの参加者のうち30歳以上で糖尿病と診断された患者。インスリン治療群398例,非インスリン治療群441例。
●方法 顕性蛋白尿の有無は試験紙法により決定。グリコヘモグロビン(GHb)は毛細管血で測定。問診で糖尿病の治療法のほか,血圧や心疾患に関連した薬剤使用の有無や喫煙量,透析実施の有無,腎移植の有無などについても調査した。
●結果 4年間での顕性蛋白尿出現率はインスリン治療群で17.3%(95%CI 13.6-21.0)と,非インスリン治療群10.7%(7.8-13.6)に比し有意に高い結果となった。非糖尿病群では1.7%(0.0-3.6)であった。蛋白尿出現率はインスリン治療群では喫煙量,糖尿病罹病期間,カリウム保持性利尿薬使用歴と相関を示し,非インスリン治療群では網膜症の重症度,喫煙量,GHb,BMI低値,カリウム保持性利尿薬使用歴と相関を示した。両群をあわせた検討では喫煙量,GHb,糖尿病罹病期間,BMI低値,カリウム保持性利尿薬および血管拡張薬の使用が相関を示した。喫煙量について,インスリン治療群では13pack/年以上で,非インスリン治療群では40pack/年以上で尿蛋白出現率の増加が認められた。
●結論 修正可能な因子として喫煙量と血糖コントロールが,蛋白尿出現の有意なリスク因子であると考えられた。本研究では高血圧との関連は認められなかった。