編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Lewis JB, Berl T, Bain RP, Rohde RD, Lewis EJ: Effect of intensive blood pressure control on the course of type 1 diabetic nephropathy. Collaborative Study Group. Am J Kidney Dis 1999; 34: 809-817. [PubMed]

種々の高血圧治療ガイドラインでは,MDRDやMRFITの結果をもとに,蛋白尿が1g/日以上の場合,血圧を125/75mmHg未満にすることが勧められている。ただ,これらの試験は糖尿病患者がほとんど含まれていない。本試験は糖尿病性腎症においても同様の降圧目標が望ましいことを示唆した最初の結果である。【稲葉宗通・片山茂裕

●目的 1型糖尿病患者の腎症の進展における厳格な血圧コントロールの有用性をACE阻害薬ramiprilで検討した。また,ACE阻害薬の腎保護作用について長期効果を検討した。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設。
●試験期間 追跡期間は2年。
●対象患者 129例:30歳以前に発症し,少なくとも7年以上の糖尿病歴を有し,腎症を伴った1型糖尿病。18~40歳。Collaborative studyの前プロトコール(N Engl J Med 1993; 329: 1456-1462.)に参加し,継続してACE阻害薬を服用可能の者,あるいは脱落でも血清クレアチニン(Cr)<4.0mg/dLかramiprilが服用可能。
除外基準:妊婦,血清Cr>4.0mg/dL,血清カリウム≧6mEq/L,虚血性心疾患,冠動脈疾患の既往,白血球数<2500/μL。
●方法 63 例を厳格コントロール(1)群(目標平均血圧≦92mmHg)に,66例を緩徐コントロール(2)群(目標平均血圧100~107mmHg)に無作為に割り付け,全例にramiprilを2.5mgから10mg/日まで増量。目標血圧に到達しない例にはACE阻害薬あるいはAII受容体拮抗薬以外の降圧薬を併用し,最後にCa拮抗薬を追加。iothalamateによる糸球体濾過率(GFR)を9ヵ月,18ヵ月,最終時点で測定。
●結果 試験開始時の1群と2群の平均血圧はそれぞれ95mmHgと97mmHg,血清Crは1.4mg/dLと1.3mg/dLであった。2年間の追跡期間中,1群の平均血圧は2群よりも6mmHg低かった。
両群でGFR低下率/年に差はなかったが(12 vs. 14%),蛋白尿は,1群で1.043から0.535g/日に減少し,2群では1.14から1.723g/日へ増加した(p=0.02)。蛋白尿0.5g/日以下に減少した率は,平均血圧が92mmHg以下に到達した者では57%に及び,92.1~99.9mmHgでは27%,100mmHg以上の5%に比べ高率であり,GFRの低下率も軽度であった。
●結論 糖尿病性腎症における降圧レベルは平均血圧で92mmHg以下にすることが望ましい。