編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Holman RR, Cull CA, Turner RC: A randomized double-blind trial of acarbose in type 2 diabetes shows improved glycemic control over 3 years (U.K. Prospective Diabetes Study 44). Diabetes Care 1999; 22: 960-964. [PubMed]

日本に比べ海外では血糖コントロールに対するαグルコシダーゼ阻害薬の効果の認識は,非常に低いと思われる。その原因として腹部症状をはじめとした副作用がある。しかし今回の調査で明らかなように単剤投与,多剤との併用にかかわらず,αグルコシダーゼ阻害薬は血糖コントロール改善に有効である。今後αグルコシダーゼ阻害薬の腹部症状を軽減する方法,薬剤の報告が期待される。【野見山 崇】

●目的 2型糖尿病の長期治療において,食後高血糖を改善するαグルコシダーゼ阻害薬acarboseの付加的な治療アプローチの程度を検討した。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は3年。
●対象患者 UKPDSに登録された2型糖尿病患者1946例。平均年齢59±9歳。
除外基準:担当医が不適切と判断した者,消化管に問題のある者,致死的な疾患をもつ者,妊娠やステロイド投与など血糖に影響を与える状態の者。
●方法 2型糖尿病患者のうち食事療法のみの患者(14%),単剤治療の患者(52%),多剤併用もしくは強化インスリン療法の者(34%)に,無作為にacarbose(100mg×3/日)もしくはプラセボを投与(各973例)。4ヵ月ごとに3年間HbA1c,空腹時血糖(FPG),体重を測定。
●結果 3年後,投薬を継続できていた者はacarbose群で有意に低く(39 vs. 58%,p<0.0001),脱落理由として鼓腸(30 vs. 12%,p<0.0001),下痢(16 vs. 8%,p<0.05)が多かった。acarbose群ではプラセボ群に比べ,3年間を通じて平均HbA1cは有意に0.2%低値を示し(p<0.001),3年後の時点では平均HbA1cで0.5%の差があった(8.1 vs. 8.6%,p<0.0001)。acarboseの効果は食事療法のみの者,単剤治療の者,多剤併用や強化インスリン療法の者,いずれと併用しても認められた。FPG,体重,低血糖や臨床症状には変化がなかった。
●結論 acarboseの投与による血糖改善効果は,単剤投与,多剤併用,インスリンとの併用にかかわらず認められた。副作用後のコンプライアンスの低下を考慮して,acarboseの注意深い滴定が必要である。