編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Nachum Z, Ben-Shlomo I, Weiner E, Shalev E: Twice daily versus four times daily insulin dose regimens for diabetes in pregnancy: randomised controlled trial. BMJ 1999; 319: 1223-1227. [PubMed]

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●目的 異なるインスリン処方を受ける妊娠糖尿病患者において,周産期のアウトカムと血糖コントロールを比較検討した。
●デザイン 無作為,対照,オープンラベル。
●試験期間 -
●対象患者 (1)1日4回のインスリン注射:妊娠糖尿病患者138例と妊娠前糖尿病患者58例。
(2)1日2回のインスリン注射:妊娠糖尿病患者136例と妊娠前糖尿病患者60例。
登録基準:単胎妊娠で,妊娠35週以前にインスリン投与を開始できた患者。100g 経口ブドウ糖摂取後,0,1,2,3時間の血清グルコース値がそれぞれ5.9,10.6,9.2,8.1mmol/L以上。
●方法 (1)3食前のレギュラーインスリンと,就寝前の中間型インスリン(1日4回処方)。
(2)ヒトレギュラーインスリン,中間型インスリンを朝(1:2に組み合わせたもの;1日用量の2/3)と午後(1:1に組み合わせたもの;1日用量の1/3)の2回処方。
●結果 出産前の1日あたりの平均インスリン濃度は,1日4回処方群のほうが,1日2回処方群より,妊娠糖尿病患者で22単位(95%CI 12-32),妊娠前糖尿病患者では28単位(15-41)高かった。血糖コントロールは,1日4回処方群のほうが1日2回処方群よりも良好であった。1日4回処方の妊娠糖尿病患者では1日2回処方の患者に比べ,平均血糖値が0.19mmol/L(0.13-0.25)低下し,HbA1cは0.3%(0.2-0.4%),フルクトサミン値は41μmol/L(37-45)減少し,十分な血糖コントロール(平均血糖値<5.8mmol/L)が17%多くの女性(8-26%)で達成された。1日4回処方の妊娠前糖尿病患者では平均血糖値が0.45mmol/L(0.28-0.60)低下し,HbA1cは0.5%(0.2-0.8%),フルクトサミン値は51μmol/L(45-57)減少し,十分な血糖コントロールが31%多くの女性(15-47%)で達成された。母親の重篤な低血糖症イベント,帝王切開,未熟児出産,巨人症,ならびに低Apgarスコアは,両方の投与群で同程度であった。妊娠糖尿病患者では,1日4回の処方のほうが1日2回の処方と比較して,新生児有病率が低く(相対リスク0.59,0.38-0.92),高ビリルビン血症や低血糖症の相対リスクが低かった(それぞれ0.51,0.29-0.91;0.12,0.02-0.97)。妊娠前糖尿病の母親から産まれた新生児での低血糖症の相対リスクは0.17(0.04-0.74)であった。
●結論 妊娠中は1日2回よりも1日4回のインスリン注射のほうが,母親に対するリスクも低く,血糖コントロールが改善され,周産期のアウトカムも向上する。