編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2022年8月現在,1286報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Ravid M, Brosh D, Levi Z, Bar-Dayan Y, Ravid D, Rachmani R: Use of enalapril to attenuate decline in renal function in normotensive, normoalbuminuric patients with type 2 diabetes mellitus. A randomized, controlled trial. Ann Intern Med 1998; 128: 982-988. [PubMed]

ACE阻害薬は正常血圧,正常アルブミン尿である2型糖尿病患者においても腎症の進展を抑制するといえる。血糖管理により糖尿病性腎症,糖尿病網膜症の進展を遅延させることができる。【池田富貴】

●目的 ACE阻害薬は微量アルブミン尿のある2型糖尿病患者における腎機能低下を遅延させる。正常血圧,正常アルブミン尿である2型糖尿病患者の腎機能低下を予防するためにACE阻害薬enalaprilを使用し,腎機能,アルブミン尿への効果を検討した。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設。
●試験期間 追跡期間は6年。
●対象患者 194例:BMI<30kg/m²,血圧<140/90mmHg(平均血圧107mmHg),アルブミン尿(尿中アルブミン排泄量≦30mg/日),罹病期間が10年未満の2型糖尿病患者。37~59歳。
除外基準:悪性腫瘍,自己免疫疾患,肝,心血管系,腎疾患のない患者。
●方法 患者をenalapril群(10mg/日,97例)とプラセボ群(97例)に割付け,半年ごとに2回家庭医が診察し,血圧,HbA値,血清クレアチニン濃度,24時間アルブミン尿量,尿中クレアチニン濃度を測定した。SBPが100mmHg以下の場合はenalapril群,プラセボ群ともに5mgに減量した。
●結果 enalapril群では6年後の微量アルブミン尿への移行は6.5%(5例/77例)で,プラセボ群では19%(15例/79例)であった。enalapril群の微量アルブミン尿への進展絶対リスクは12.5%低下した。また,クレアチニンクリアランス(Ccr)はenalapril群では平均0.025mL/秒/年の低下で,プラセボ群では0.04mL/秒/年の低下であった。プラセボ群においては,Ccr,平均血圧,平均アルブミン排泄量,平均総コレステロール値,HbA1c値の低下の割合間に,有意な関連を認めたが,enalapril群では,CcrとHbA1cには有意な関連は認めなかった。糖尿病網膜症は,プラセボ群で新たに15例(19%),enalapril群で6例(7.8%)認められた。
●結論 enalaprilは正常血圧,正常アルブミン尿の2型糖尿病患者における腎機能低下を抑制するといえる。