編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Hansson L, Lindholm LH, Niskanen L, Lanke J, Hedner T, Niklason A, Luomanmaki K, Dahlof B, de Faire U, Morlin C, Karlberg BE, Wester PO, Bjorck JE: Effect of angiotensin-converting-enzyme inhibition compared with conventional therapy on cardiovascular morbidity and mortality in hypertension: the Captopril Prevention Project (CAPPP) randomised trial. Lancet 1999; 353: 611-616. [PubMed]

本研究はACE阻害薬と従来から用いられている利尿薬,β遮断薬とを多数例について比較したものである。ACE阻害薬では糖尿病の発症が少なく,また糖尿病群についての層別解析では,一次エンドポイントがcaptopril群で有意に少ないという結果が得られた。ACE阻害薬の有用性を示した貴重な研究である。しかし,デザインがオープン試験であること,糖尿病の発症は二次エンドポイントであること,また糖尿病群についてはサブ解析であることには注意が必要である。【景山 茂

●目的 高血圧患者におけるACE阻害薬captoprilの脳心血管合併症予防効果を従来療法(利尿薬,β遮断薬)と比較検討した。またベースライン時に糖尿病のある患者についても検討した。一次エンドポイントは致死性・非致死性心筋梗塞(MI),脳卒中,その他の心血管死。二次エンドポイントに糖尿病ほか。
●デザイン PROBE(Prospective Randomised Open Blinded Endpoint),多施設,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は平均6.1年。
●対象患者 10985例:高血圧(DBP≧100mmHg)患者。25~66歳。うち,ベースライン時に糖尿病のある患者は572例。糖尿病の同定はWHO基準および2回以上の空腹時血糖値異常。決定的でない場合はOGTTで確認。
除外基準:二次性高血圧,クレアチニン>150μmol/L,β遮断薬療法の必要な疾患。
●方法 captopril群(5492例)は50mg/日(分1あるいは2),従来療法群(5493例)は利尿薬hydrochlorothiazide 25mg/日またはbendrofluazide 2.5mg/日,あるいはβ遮断薬atenololまたはmetoprolol 50~100mg/日を投与した。
●結果 (糖尿病に関する結果)
糖尿病の発症率はcaptopril群のほうが従来療法群より低かった(相対リスク 0.86,p=0.039)。一次エンドポイントの発生率は,全体では群間差はなかったが,糖尿病合併例ではcaptopril群のほうが従来療法群より有意に低く(相対リスク 0.59,p=0.019),相対リスクは致死性心血管イベントが0.48(p=0.085),全脳卒中が1.02(p=0.95),全MIが0.34(p=0.002),全致死性イベントが0.54(p=0.034),全心イベントが0.67(p=0.030)であった。
●結論 ACE阻害薬による降圧療法は高血圧を伴う糖尿病患者の治療に適し,糖尿病の予防に効果的だと思われる。