循環器トライアルデータベース

DAYLIGHT
Vitamin D Therapy in Individuals at High Risk of Hypertension Trial

目的 ビタミンD欠乏は高血圧発症を促進する可能性が示されている。
ビタミンD低値の前高血圧または未治療のステージI高血圧患者において,ビタミンD経口投与の降圧効果を検討する。

一次エンドポイントは,平均24時間収縮期血圧(SBP)の変化。
コメント 高血圧の発症には,食塩の他に,カルシウムやマグネシウムなどの他の電解質やビタミンDなども関与する可能性が議論されてきた。ビタミンD不足は,心血管疾患の発症や血圧上昇に関係することが指摘されていた。一方,カルシウムの補充は,わずかな降圧しかもたらさないことなども知られている。今回のDAYLIGHTの結果は,ビタミンDの補充が降圧をもたらさないことを示した。ビタミンD補充に降圧効果がみられなかったという結果は,高血圧患者の食事療法などについて検討する際にも考慮されることが考えられる。(中村中野永井
デザイン 無作為割付け,二重盲検,多施設(米国の4施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は6か月。
登録開始は2010年12月,追跡終了は’13年9月。
対象患者 534例。18~50歳,ビタミンD欠乏(25-ヒドロキシビタミンD≦25ng/mL),診察室SBP 120~159mmHg・拡張期血圧(DBP)<99mmHgの患者。
除外基準:3か月以内の降圧薬・ビタミンD投与,心血管疾患など。
■患者背景:平均年齢36歳,男性68%,白人46%,黒人48%,ビタミンD 中央値15.3ng/mL,高血圧(高用量群49%,低用量群46%),血圧(診察室:131/82, 130/81mmHg,24時間:127/78, 127/77mmHg,日中:130/81, 130/80mmHg,夜間:両群とも121/71mmHg)。
治療法 高用量群(264例):ビタミンD3 4,000IU/日投与。
低用量群(270例):ビタミンD3 400IU/日投与。
試験対象がビタミンDの補給が推奨されるビタミンD欠乏のため,対照群をプラセボ群とせず,一般的マルチビタミン剤に含まれるビタミンD量の400IU/日を投与した。
カルシウム剤は投与しなかったが,生活習慣改善の一環としてカルシウム摂取を推奨。
結果 追跡期間中に診察室血圧を1回以上測定したのは455例(85%),6か月追跡終了は383例(72%)。
[一次エンドポイント]
6か月後の24時間SBPは高用量群127mmHg,低用量群126mmHgで,ベースライン~6か月後の変化に有意差は認められなかった(-0.8 vs -1.6mmHg, p=0.71)。
[25-ヒドロキシビタミンDの変化と血圧との関連]
25-ヒドロキシビタミンD 値(中央値)は2か月後には有意差が認められ(33ng/mL vs 20ng/mL, p<0.001),試験終了までその差が維持された。<20ng/mL例の割合は21% vs 48%。
6か月後の25-ヒドロキシビタミンDの変化は24時間SBPの変化と関連しなかった(Spearman相関係数-0.05, p=0.34)。
[その他]
6か月後の24時間DBPの変化(-1.2 vs -1.0mmHg),診察室血圧(128/83 vs 127/82mmHg),日中・夜間の血圧の変化にも差はみられなかった。
サブグループ解析の結果も変わらなかった。
重篤な有害事象は認められず,頭痛や悪心などの有害事象は両群4%で,ビタミンDに関連すると考えられるものはなかった。
★結論★ビタミンD欠乏を有する前高血圧またはステージIの高血圧患者において,ビタミンD補給による血圧の低下は認められなかった。
ClinicalTrials gov No: NCT01240512
文献
  • [main]
  • Arora P et al: Vitamin D therapy in individuals with prehypertension or hypertension: the DAYLIGHT trial. Circulation. 2015; 131: 254-62. PubMed

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収載年月2015.04