循環器トライアルデータベース

PURE
Prospective Urban Rural Epidemiology

目的 ナトリウム(Na)高摂取量は血圧上昇と関連することが報告されているが,この関連がNa,カリウム(K)の摂取量や地域で異なるのかは明らかでない。さらに,心血管の健康の観点からみた至適摂取量に関しては議論が続いている。
低~高所得国の都市部・農村部の一般住民を対象とした大規模コホート研究において,下記を検討する。
1) NaおよびKの摂取量(推定24時間尿中排泄量で代替)の実態を地域,国の所得水準別に推定し,血圧との関連を検証する。
2) NaおよびKの尿中排泄量と死亡,心血管イベント(CVD)の関連を検討する。

2) の一次エンドポイントは,全死亡,主要なCVD(心血管死,脳卒中,心筋梗塞,心不全)の複合エンドポイント。
コメント N Engl J Med. 2014; 371: 601-11, 612-23. へのコメント
尿中ナトリウム排泄量,尿中カリウム排泄量と血圧,心血管イベントとの関係を大規模に調査した研究で,歴史的な意義も感じられる。これまで,食塩と高血圧の疫学研究ではINTERSALTが知られていた。INTERSALTでは集団間では食塩摂取と血圧の関係が示せなかったが,INTERSALTと異なり,PUREでは59歳以上の高齢者を含めたこと,食塩摂取量の多い中国人の大きなコホートを入れたことがDiscussionでコメントされている。PUREでは18か国の低所得から高所得,都市部と農村部などの集団から早朝尿を採取し,尿中のナトリウム,カリウムを測定した結果,食塩摂取と血圧の関係を見事に示したといえる。
日本は検討対象の国に含まれていなかったが,24時間尿中ナトリウムを予測するために川崎式が用いられたことや,Omron Healthcareの血圧計が使用されたことなども見逃せない。疫学研究の方法で,食塩摂取と心血管イベントの関係を示したのもPUREが初めて達成した功績であると考える。(中村中野永井
デザイン 疫学研究,多施設(1)5大陸18か国667地域,2) 5大陸17か国628地域)。
期間 2) 平均追跡期間3.7年(2013年10月16日まで)。
2003年1月登録開始。
参加者 35~70歳で,ベースライン時に早朝空腹時の尿検体を採取したもの。
1) 10万2,216人/登録者15万7,543人。
■患者背景:平均年齢51.0歳,女性57.2%。国の所得レベル*:低7.1%(インド4.8%);低中53.6%(中国42.1%);中高25.1%;高14.2%,高校卒業未満41.1%,BMI 26.1kg/m²,現喫煙21.0%,現飲酒30.2%,糖尿病7.1%,血圧131.7/81.9mmHg;≧140/90mmHg 34.8%;降圧薬使用14.5%。

2) 10万1,945人/ 登録者15万6,424人。
■患者背景:平均年齢51.0歳,女性57.5%,アジア系48.4%。地域:アジア54.5%;アフリカ2.5%;欧州・北米19.5%;中東6.4%;南米17.0%,都市部52.7%。高血圧41.5%,糖尿病9.1%,CVD既往8.3%,血圧131.7/82.2mmHg,BMI≧30kg/m² 18.0%,摂取カロリー2,149kcal/日,果物・野菜の摂取量521.4g/日,現喫煙18.9%,現飲酒30.4%。
治療背景:β遮断薬4.0%,利尿薬4.9%,Ca拮抗薬3.6%,ACE阻害薬/ARB 6.2%。
* 2006年の世界銀行の分類による高所得国:カナダ,スウェーデン,アラブ首長国連邦,高中所得国:アルゼンチン,ブラジル,チリ,マレーシア,ポーランド,南アフリカ,トルコ,低中所得国:パレスチナ(1)のみ),中国,コロンビア,イラン,低所得国:バングラデシュ,インド,パキスタン,ジンバブエ。
調査方法 Na・K摂取量は,早朝空腹時尿検体から川崎式(Kawasaki formula)を用いて両者の24時間尿中排泄量を推定し,それらを代替指標とした。
1) コホート全体,性別,都市 vs 農村,国の所得レベル別,地域別(アフリカ,中国,マレーシア,中東,北米および欧州,南米,南アジア)に,Na・K排泄量を推定。多変量線形回帰モデルで,排泄量1gあたりの血圧の変化を算出。ベースライン時および30~90日後の測定値(448例)を用いて回帰希釈バイアスを補正した二次解析を実施。線形回帰モデルによりNa/K比と血圧の関連を評価した。

2) 制限3次スプライン(restricted cubic spline)プロットを用いて,各排泄量の5, 35, 65, 95パーセンタイル値と転帰の関係を評価。排泄量の各パーセンタイル値で5群(Na:<3.00~≧7.00g/日,K:<1.50~>3.00g/日)に層別し,Na排泄量4.00~5.99g/日,K排泄量<1.50g/日を参照群として,多変量ロジスティック回帰分析により排泄量と死亡,CVDとの関連を検証。またpropensity-score matched感度分析でNa排泄量高値(≧6.00g/日)を3.00~5.99g/日,<3.00g/日と比較した(21,200人)。
結果 1) Na,K摂取量の実態と血圧との関連
[推定24時間尿中Na・K排泄量]
Naは平均4.93g/日,Kは2.12g/日。両者とも男性のほうが有意に多かった。
コホート全体ではNa排泄量>5g/日は43.5%,3~5g/日は45.9%,<3g/日は10.6%,K排泄量>3gは7.9%。Na排泄量は都市部より農村部のほうが有意に多い一方で,K排泄量は都市部のほうが有意に多かった。また,国民一人あたりの総所得とNa排泄量は負の関係,K排泄量は正の関係であった。
[Na排泄量と血圧]
Na排泄量と血圧に有意な正の関係がみられ,回帰希釈バイアス補正および共変量調整後の排泄量1g増加ごとに,収縮期血圧(SBP)は2.11mmHg,拡張期血圧(DBP)は0.78mmHg上昇した(各p<0.001)。Na排泄量とSBPの関係は非線形で,傾きは排泄量>5g/日(2.58mmHg/g;95%信頼区間2.38~2.78, p<0.001)が, 3~5g/日(1.74mmHg;1.29~2.19, p<0.001),<3g/日(0.74mmHg;-0.36~1.84, p=0.19)にくらべ大きく,DBPの結果も同様であった(交互作用p<0.001)。またこの関係が顕著だったのは,高血圧例(SBP 2.49mmHg/g vs 非高血圧例1.30mmHg/g),高齢者(>55歳:2.97mmHg/g, 45~55歳:2.43mmHg/g, <45歳:1.96mmHg/g, p<0.001)であった。
[K排泄量と血圧]
K排泄量とSBPには有意な負の関係がみられたが(1g増加ごとに0.75mmHg低下,p<0.001),DBPの低下は0.06mmHgであった(p=0.33)。SBPの低下が大きかったのは高血圧例,高齢者,中国(各p<0.001)。
[Na/K比]
血圧との有意な線形の関係がみられた(3.26増加ごとにSBP 2.30mmHg, DBP 0.78mmHg上昇,各傾向p<0.001)。
★結論★24時間尿中排泄量から推定したNa摂取量と血圧は正の関係,K摂取量とSBPは負の関係で,関係が顕著だったのは高Na食摂取者,高血圧例,高齢者であった。

2) Na,K尿中排泄量と死亡,CVDとの関連
推定24時間尿中排泄量はNa 4.93g,K 2.12g。
[一次エンドポイント]
一次エンドポイントの発生は3,317例(3.3%)で,死亡1,976例(CVD死650例),心筋梗塞857例,脳卒中872例,心不全261例。
[Na排泄量との関連]
Na排泄量4.00~5.99g/日にくらべ,高値群(≧7.00g/日)は一次エンドポイント(オッズ比[OR]1.15;95%信頼区間1.02~1.30),死亡(1.25;1.07~1.48),主要なCVD(1.16;1.01~1.34)のリスクが高かった。CVD死(OR 1.54),脳卒中による死亡・入院(1.29)のリスクも高かった。この関連は高血圧例で強く(交互作用p=0.02), 6.00~6.99g/日(1.14;1.00~1.30), ≧7.00g/日(1.21;1.05~1.40)でリスクが有意に上昇した。
また排泄量低値群(<3.00g/日)でも,4.00~5.99g/日群にくらべ一次エンドポイント(1.27;1.12~1.44),死亡,主要なCVDのリスクが上昇した。
[K排泄量との関連]
K排泄量≧1.50g/日群は<1.50g/日群にくらべ一次エンドポイントのリスクが低かった。
一次エンドポイントとNa・K排泄量の交互作用は認められなかった(p=0.55)。
★結論★24時間尿中排泄量から推定したNa摂取量3~6g/日は<3g/日,≧6g/日より,K排泄量≧1.50g/日は<1.50g/日より死亡,CVDリスクが低い。
編集注:食塩相当量(g)はNa量(g)×2.54

[主な結果]
  • 心血管疾患は,世界全体でみれば依然として中高年層の死亡の主たる要因だが,高所得国および上位中所得国の一部では,がんが主な死因となってきている。また,低所得国の高い心血管疾患発症率と関連死は,リスク因子よりも医療へのアクセスの困難さに起因している可能性がある。
    2005年1月~2016年12月に登録された5大陸21ヵ国883地域の中高年層(35~70歳)16万2,534人を中央値で9.5年追跡。女性58%。
    がん,傷害,慢性閉塞性肺疾患(COPD),肺炎の発生率は高所得国で高く,低所得国では極めてまれであった。
    [心血管疾患]
    • 心血管疾患の発症率は,低所得国で最も高い(7.1/1000人・年 vs. 中所得国6.8/1000人・年 vs. 高所得国4.3/1000人・年)ものの,心血管疾患が原因の入院は最も低い。一方,高所得国では心血管疾患発症率は最も低いものの,心血管疾患による入院は最も高い。
    • 心血管疾患治療薬の利用率は高所得国で最も高い一方,低所得国での利用率は最も低い。
    [所得層別での死因の違い]
    • 高所得国では,がんによる死亡は心血管疾患による死亡の2.5倍であった。
    • 中所得国では,心血管疾患による死亡はがんによる死亡をわずかに上回った。
    • 低所得国では,心血管疾患による死亡ががんによる死亡の3倍であった。
    Dagenais GR, et al: Variations in common diseases, hospital admissions, and deaths in middle-aged adults in 21 countries from five continents (PURE): a prospective cohort study. Lancet. 2019 Sep 3 [Epub ahead of print]. PubMed
  • レクリエーションか否かを問わず,身体的活動度の高さに伴い段階的に死亡・CVDリスクは低下した。
    高所得国では身体活動の心血管疾患(CVD)に対する保護効果が示されているが,主にレクリエーション的身体活動によるものである。この効果が身体活動の大半が非レクリエーション的である低所得国でもみられるかは明らかでない。経済レベルの異なる国々で身体活動のタイプと量により死亡,CVDリスクが低下するかを検証した。
    2003年~’10年に登録した17か国の現居住地に≧4年住み続ける予定の130,843人(CVD非発症の国際標準化身体活動質問票[IPAQ]回答者)を平均6.9年追跡。
    <参加者背景>平均年齢50.2歳,男性41.7%,国の所得レベル:低22.0%;中低41.1%;中高26.5%;高10.4%,CVD家族歴31.3%,高血圧39.0%,糖尿病9.7%,現喫煙,喫煙歴31.5%,BMI 25.7kg/m²。ガイドライン(GL)適合(≧600 MET・分/週,≧150分/週の中強度身体活動)例(高所得国89.4%,中高所得国78.4%,中低所得国84.0%,低所得国78.9%),非レクリエーション的身体活動量(高所得国:2,115 MET・分/週;529分/週,中高所得国:1,983 MET・分/週;496分/週,中低所得国:1,748 MET・分/週;437分/週,低所得国:2,297 MET・分/週;574分/週),レクリエーション的身体活動量(518 MET・分/週;130分/週,0;0, 99 MET・分/週;25分/週,0;0)。
    <身体活動量と全死亡,主要CVD>死亡5,334例(CVD死1,294例),心筋梗塞1,987例,脳卒中2,086例,新規心不全386例。高強度身体活動群(57,725人):死亡2,057例(4.11/1,000人・年);主要CVD 1,718例(3.53/1,000人・年),中強度身体活動群(49,245人):1,881例(4.25/1,000人・年);1,682例(4.13/1,000人・年),低強度身体活動群(23,549人):1,396例(6.37/1,000人・年);1,000例(5.13/1,000人・年)。
    低強度身体活動(<600 MET・分/週あるいは<150分/週)にくらべ,中強度(600~3,000 MET・分/週あるいは150~750分/週)の全死亡のハザード比:0.80(95%信頼区間0.74~0.87),主要CVD:0.86(0.78~0.93),高強度(>3,000 MET・分/週あるいは>750分/週)は0.65(0.60~0.71), 0.75(0.69~0.82)と段階的に死亡,CVDのリスクが低下した。この関係は,高・中・低所得いずれの国でもみられた。さらに,追跡開始から2年以内のCVD発症例を除外した結果も同様だった。
    身体活動のGLに適合しないものの5年調整人口寄与割合は死亡8.0%,主要CVD 4.6%,高強度身体活動に適合しないものは,それぞれ13.0%,9.5%。
    身体活動によるリスク低下はレクリエーション,非レクリエーションを問わずみられた(Lear SA et al: The effect of physical activity on mortality and cardiovascular disease in 130 000 people from 17 high-income, middle-income, and low-income countries: the PURE study. Lancet. 2017; 390: 2643-54. Epub 2017 Sep 21.)。 PubMed
  • 全死亡リスクと炭水化物摂取量に正の関係が示された一方で,脂質摂取量とは負の関係。脂質の摂取量とCVD,心筋梗塞,CV死の関連はなかったが,飽和脂肪酸摂取量と脳卒中リスクには負の関係がみられた。
    [背景]食事と死亡・心血管疾患(CVD)との関係は主に欧米のデータによるもので,中東,南米,アフリカ,南アジア等,他地域の人口集団にも当てはまるかは不明である。
    低~高所得国の都市部・農村部の一般住民を対象とした大規模コホート研究PUREにおいて,国ごと(インドは地域ごと)の食物摂取頻度調査票(Food Frequency Questionnaire:FFQ)による食事(炭水化物・脂質・たんぱく質,果物・野菜・豆類)と死亡,CVDとの関係を検証した。追跡期間は中央値7.4年(本解析対象は2017年3月31日までのデータ),登録期間は2003年1月1日~’13年3月31日。
    5大陸18か国613地域の135,335人(中国42,152人,南アジア29,560人,欧州・北米14,916人,南米22,626人,中東11,485人,東南アジア10,038人,アフリカ4,558人)。
    ■背景:平均年齢50.3歳,男性41.7%,都市部在住52.7%,収縮期血圧130.9mmHg,ウエスト/ヒップ比0.87,現喫煙21.1%,高校卒業未満42.6%,高身体活動(>3000MET-分/週)44.5%,糖尿病7.1%。
    摂取エネルギーに占める割合:炭水化物61.2%,脂質23.5%,たんぱく質15.2%,飽和脂肪酸8.0%,一価不飽和脂肪酸8.1%,多価不飽和脂肪酸5.3%。
    追跡期間中の全死亡は5,796例,主要なCVDは4,784例,CV死は1,649例。
    [炭水化物]摂取量と全死亡,非CV死リスクに有意な正の関係がみられた。摂取量の第5五分位群 vs 第1五分位群の調整HRは,全死亡:1.28(95%信頼区間1.12~1.46, p trend=0.0001),非心CV死:1.36*(1.16~1.60)。主要CVD,MI,脳卒中,CV死との有意な関連はみられなかった。
    [脂質]摂取量と全死亡,非CV死のリスクに有意な負の関係がみられた。全死亡の調整HRは,総脂質:0.77*(0.67~0.87),飽和脂肪酸:0.86(0.76~0.99, p trend=0.0088),一価不飽和脂肪酸:0.81*(0.71~0.92),多価不飽和脂肪酸:0.80*(0.71~0.89),非CV死はそれぞれ,0.70*(0.60~0.82), 0.86(0.73~1.01, p trend=0.0108), 0.79(0.68~0.93, p trend=0.0003), 0.75(0.65~0.86, p trend=0.0002)。飽和脂肪酸の摂取量と脳卒中リスクに負の関係がみられた(0.79[0.64~0.98], p trend=0.0498)。主要CVD,MI,CV死との有意な関連は示されなかった * p trend<0.0001(Dehgan M et al on behalf of the prospective urban rural epidemiology (PURE) study investigators: Associations of fats and carbohydrate intake with cardiovascular disease and mortality in 18 countries from five continents (PURE): a prospective cohort study. Lancet. 2017; 390: 2050-62.)。 PubMed
  • 果物・野菜・豆類の摂取量と非CV死,全死亡リスクに負の関係がみられ,有益性は3~4 serving/日(375~500g/日)で最大だった。
    果物(ジュースを除く)・野菜(ジュース,塊茎を除く)・豆類のそれぞれについて,層別化(数serving/月~数serving/日。1 servingは果物・野菜125g,豆類150g)して評価した。
    [果物・野菜・豆類]平均摂取量は3.91 serving/日(各1.51, 2.01, 0.40 serving/日)。
    摂取量と各イベントリスクの負の関係は,多変量調整後(年齢・性別・施設に加え,摂取エネルギー・現喫煙・糖尿病・都市/農村部在住・身体活動・教育・その他の各食品の摂取量でさらに調整)に著しく減弱し,非CV死および全死亡のみ有意であった。
    ≧8 serving/日群 vs <1 serving/日群の調整HRは,主要CVD:0.90(95%信頼区間0.74~1.10, p trend=0.1301),心筋梗塞:0.99(0.74~1.31, p trend=0.2033),脳卒中:0.92(0.67~1.25, p trend=0.7092),CV死:0.73(0.53~1.02, p trend=0.0568),非CV死:0.84(0.68~1.04, p trend=0.0038),全死亡:0.81(0.68~0.96, p trend=0.0001)。
    全死亡に対するHRは3~4 serving/日群で最も低く(調整後0.78, 0.69~0.88),それ以上の摂取により顕著なHR低下はなかった。
    [果物]調整後に摂取量と有意な負の関係があったのはCV死,非CV死,全死亡。
    [豆類]調整後に摂取量と有意な負の関係があったのは非CV死,全死亡。
    [野菜]生野菜の摂取量と全死亡リスクに強い負の関係がみられ,主要CVDとも負の関係が示されたが,調理野菜と全死亡リスクとの負の関係は弱く,主要CVDとの関連はみられなかった(Miller V, et al on behalf of the prospective urban rural epidemiology (PURE) study investigators. Fruit, vegetable, and legume intake, and cardiovascular disease and deaths in 18 countries (PURE): a prospective cohort study. Lancet. 2017; 390: 2037-49.)。 PubMed
  • 握力のCVD予測能-全死亡,CVD死の予測能はSBPより高く,簡便で安価なリスク層別法である可能性が示される。
    [背景]握力の低下と全死亡,CVD死リスクの関連が多くの研究から発表されているが,ほとんどは高所得国での検討であり,メカニズムも解明されていない。
    低・中・高所得国の一般住民において握力の心血管疾患(CVD)予測能を検証した結果(2003~’09年登録の13万9,691人[女性81,039人];年齢中央値50歳,低/中/高所得国:22/42/36%;追跡期間中央値4年):握力はJamar握力計で3回測定し,左右の最大値の平均値を採用。年齢・身長調整後の握力は男性が低/中/高所得国でそれぞれ30.2kg/37.3kg/38.1kg,女性は24.3kg/27.9kg/26.6kg。
    死亡は3,379例(2.4%)。握力とCVDには有意な負の関係が認められた(5kg低下ごとのハザード比[HR]:全死亡1.16,CVD死1.17,非CVD死1.17,心筋梗塞1.07,脳卒中1.09)。一方,糖尿病発症,肺炎・慢性閉塞性肺疾患による入院,転倒による傷害,骨折との関連はみられず,癌との正の関係は高所得国のみで認められた。
    握力の死亡予測能は収縮期血圧(SBP)より高く(握力1SD低下ごとのHR:1.37,SBP 1SD増加ごとのHR:1.15),CVD死は同等(1.45, 1.43),CVDはSBPが高かった(1.21, 1.39)。身体活動量の予測能は握力,SBPより低かった(Leong DP et al on behalf of the Prospective Urban Rural Epidemiology (PURE) study investigators: Prognostic value of grip strength: findings from the prospective urban rural epidemiology (PURE) study. Lancet 2015; Lancet. 2015; 386: 266-73)。 PubMed
  • 1) Mente A et al for the PURE investigators: Association of urinary sodium and potassium excretion with blood pressure. N Engl J Med. 2014; 371: 601-11. PubMed
  • 2) O'Donnell M et al PURE investigators: Urinary sodium and potassium excretion, mortality, and cardiovascular events. N Engl J Med. 2014; 371: 612-23. PubMed

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収載年月2015.01
更新年月2019.09