循環器トライアルデータベース

ENGAGE AF-TIMI 48
Effective Anticoagulation with Factor Xa Next Generation in Atrial Fibrillation-Thrombolysis In Myocardial Infarction 48

目的 脳卒中リスクが中等度~高度の心房細動患者において,経口直接第Xa因子阻害薬edoxabanの有効性と安全性をwarfarinと比較する。

有効性の一次エンドポイントは,脳卒中+全身性塞栓症の複合エンドポイント。
安全性の一次エンドポイントは,重大な出血。
コメント ■コメント 後藤 信哉
■コメント 井上 博
■コメント 堀 正二

「始まりの終わりか,終わりの始まりか?」
-今後の臨床試験への影響絶大の極めて質の高い試験
●日本企業が開発した経口直接第Xa因子阻害薬エドキサバンを検証した臨床試験
新規経口抗凝固薬としてトロンビン,Xaの選択的阻害薬を用いた非弁膜症心房細動(AF)症例の脳卒中予防を対象とした数多くのランダム化比較試験のうち,最後に残っていたエドキサバンの試験が終了し,その結果が報告された。エドキサバンは日本企業の開発した選択的抗Xa薬である。先行する薬剤がいずれも外資の薬剤であるとの観点から,日本人研究者としてエドキサバンに大いに声援を送りたい。ENGAGE AF-TIMI 48試験(以下TIMI 48)はTIMI試験グループが総力をあげて行った科学的研究である。臨床的な科学研究としてTIMI 48は極めて質が高い。また,単一の臨床的仮説を検証する単純な試験ではなかったため,本データベースを基に多くの臨床的仮説が提唱され,数多くの論文が発表されるであろう。科学研究のデータベースとしてTIMI 48は実に精緻で意義のある情報を提供している。…(中略)

-始まりの終わり:出血しない安全性の可能性が期待された新規抗凝固薬であっても,出血リスクとのバランスが必要。
-終わりの始まり:「出血しない新たな抗血栓薬」の標的を見付ける努力が必要に。(後藤→全文を読む


国産のXa阻害薬ですでに整形外科の領域では使用されている。
AFの塞栓症予防に効果が期待されたが,高用量ではワルファリンと同等,低用量では劣る傾向がみられた。「脳卒中+全身性塞栓症」の発生率で,ワルファリンより高率であった経口抗凝固薬はこれまでなかった。両用量とも出血性脳卒中はワルファリンよりも低率であったが,高用量では消化管出血が多くリバーロキサバンに似た成績を示した。低用量は出血の合併症が少なかったが,塞栓症予防効果が少し劣るという結果と理解される。(
井上


抗Xa阻害薬の3番手として,エドキサバン60mg/日,30mg/日の非弁膜症性心房細動患者を対象としたENGAGE AF-TIMI48試験の結果が発表された。60mg群は,有効性(脳卒中および全身性塞栓症)も安全性(ISTH基準の大出血)も若干(~20%)ワルファリン群より優れていたが,30mg/日では,大出血は,ワルファリン群の約半分と減少するが,有効性はワルファリンよりやや劣る成績であった。RE-LY試験(ダビガトラン)の高用量・低用量の成績と同様に,理解しやすい用量依存性が認められた。今回のENGAGE AF-TIMI48試験は,ROCKET AF試験(リバーロキサバン)と同様に,CHADS2 2点以上のハイリスク患者を対象としていること(平均CHADS2 2.8),1日1回投与であることが特徴であるが,ワルファリン群のTTRが68%と高く,追跡率も高いことのみならず,試験薬中止後の血栓イベントが低く抑えられていることは,先行試験の弱点を克服した学習効果が現れているといえる。本試験でも,新規経口抗凝固薬(NOAC)は共通して,ワルファリンと比べて頭蓋内出血が少ないが,脳梗塞(虚血性脳卒中)の抑制効果は,ワルファリンに比較して強くないことを示した。出血については,リバーロキサバンと同様に,消化管出血がワルファリン群より多い(60mg群)が,致死性出血は少ないことが示された。腎機能障害や低体重の患者およびP糖蛋白阻害薬併用時など曝露量が増加する場合には低用量が適するものと考えられ,ほぼ期待通りの結果が得られたものと思われる。今後,アジア人の成績などサブ解析が報告されることを期待したい。(
デザイン ランダム化,二重盲検,多施設(日本[99施設・1,010例]を含む46か国1,393施設),intention-to-treat(ITT)解析。
期間 追跡期間は2.8年(中央値)。
登録期間は2008年11月19日~’10年11月22日。
対象患者 21,105例。21歳以上,CHADS2スコア≧2,過去12か月以内にAFと診断され試験期間中に抗凝固薬の使用が予定されている患者。
除外基準:治療可能な疾患によるAF,推定クレアチニンクリアランス<30mL/分,2剤併用抗血小板療法,急性冠症候群/冠動脈血行再建術/脳卒中の発症から30日以内など。
■患者背景:平均年齢72歳,女性(高用量edoxaban群37.9%,低用量edoxaban群38.8%,warfarin群37.5%),地域(東欧:33.9%, 33.8%, 33.8%;北米:全群22.2%;アジア太平洋・南アフリカ:全群16.0%;西欧:全群15.3%),発作性AF(24.9%, 26.1%, 25.3%),脳卒中/TIA既往(28.1%, 28.5%, 28.3%),うっ血性心不全(58.2%, 56.6%, 57.5%),糖尿病(36.4%, 36.2%, 35.8%),高血圧(93.7%, 93.5%, 93.6%),CHADS2スコア≦3(77.1%, 77.8%, 77.4%),ビタミンK拮抗薬の投与≧60日(58.8%, 59.2%, 58.8%),服薬状況(aspirin:29.4%, 28.7%, 29.7%;チエノピリジン系:2.5%, 2.1%, 2.3%;amiodarone:12.3%, 11.4%, 11.8%;ジギタリス製剤:29.5%, 29.5%, 30.9%)。
治療法 高用量edoxaban群(7,035例):60mg/日。
低用量edoxaban群(7,034例):30mg/日。
warfarin群(7,036例):INR 2.0~3.0を目標として用量を調節。
edoxaban群の投与量は,推定クレアチニンクリアランス30~50mL/分の患者,体重≦60kg,P-糖タンパクを阻害する薬剤(verapamil, quinidine, dronedarone)の投与例では半量に減量。
最初にmodified ITT解析(ランダム化後,試験薬を≧1回投与された患者が対象)により各edoxaban群のwarfarin群に対する非劣性を検定し(非劣性マージンは97.5%信頼区間上限1.38),非劣性が認められたらITT解析により優越性を検証。
結果 追跡不能は1例,同意撤回は244例。
warfarin群でINRが治療域内にあった時間は68.4%(中央値)。
[有効性の一次エンドポイント]
modified ITT解析:一次エンドポイントはwarfarin群232例(1.50%/年),高用量edoxaban群182例(1.18%/年),低用量群253例(1.61%/年)で,edoxabanはwarfarinに対し非劣性であった(高用量群:ハザード比0.79;97.5%信頼区間0.63~0.99[非劣性p<0.001,優越性p=0.02],低用量群:1.07;0.87~1.31[p=0.005, p=0.44])。
ITT解析:高用量群はwarfarin群よりも有効な傾向がみられたが(0.87;0.73~1.04, p=0.08),低用量群はwarfarin群に劣る傾向が示された(1.13;0.96~1.34, p=0.10)。
出血性脳卒中は0.47%/年に対し,それぞれ0.26%/年(ハザード比0.54, p<0.001),0.16%/年(0.33, p<0.001),虚血性脳卒中は1.25%/年に対し,1.25%/年(1.00, p=0.97),1.77%/年(1.41, p<0.001)。
[安全性の一次エンドポイント]
重大な出血の発生率はwarfarin群の3.43%/年にくらべ,edoxaban両用量群で有意に低かった(高用量群:2.75%/年;0.80;0.71~0.91,低用量群:1.61%/年;0.47;0.41~0.55,ともにp<0.001)。
高用量群はwarfarin群よりも消化管出血の頻度が高かったが(1.51%/年 vs 1.23%/年),その他の出血はedoxaban群が有意に少なかった。
[二次エンドポイント]
心血管死はwarfarin群の3.17%/年に対し,高用量群2.74%/年(0.86;0.77~0.97, p=0.013),低用量群2.71%/年(0.85;0.76~0.96;p=0.008),脳卒中+全身性塞栓症+心血管死の複合エンドポイントは,warfarin群の4.43%/年に対し,高用量群3.85%/年(0.87;0.78~0.96, p=0.005),低用量群4.23%/年(0.95;0.86~1.05, p=0.32)。
★結論★心房細動患者の脳卒中または全身性塞栓症の予防において,edoxaban 60mg/日,30mg/日投与はいずれもwarfarinに対して非劣性であり,出血と心血管死のリスクが有意に低かった。
ClinicalTrials.gov No.:NCT00781391
文献
  • [main]
  • Giugliano RP et al for the ENGAGE AF-TIMI 48 investigators: Edoxaban versus warfarin in patients with atrial fibrillation. N Engl J Med. 2013; 369: 2093-104. PubMed
  • [substudy]
  • CHADS2≧2のハイリスク心房細動に対する高用量のedoxaban投与は,出血性脳卒中および重篤な出血イベントにおいて,男性にくらべ女性で著明にリスクが抑制されたが,有効性における性差は認められなかった。
    心房細動患者において,脳卒中および全身性塞栓症の独立した危険因子の一つは,“女性(であること)”である。
    また,未治療の心房細動患者の女性は,男性にくらべ血栓症リスクを高める内因系Xa因子の血中濃度が高い。
    本解析では,edoxaban投与の有効性および安全性エンドポイントに性差による影響が存在するかを検討。
    本解析の男女比率は,女性38.1%(8040例)vs. 男性61.9%(13065例)。ベースラインの特性として,男性にくらべ女性のほうが年齢が高いが喫煙率および飲酒率は低かった。また,女性では,高血圧,発作性心房細動,弁膜症および腎機能障害が多かった一方,糖尿病や冠動脈疾患は少なかった。
    [warfarinと比較した場合のedoxabanの一次エンドポイントにおける性差]
    高用量投与群(60 mg/日)における脳卒中および全身性塞栓症リスクの抑制効果は男女間で同等(男女ともHR 0.87; 交互作用のP =0.97)。同様に,安全性の一次エンドポイントであるISTH基準の大出血についても男女間で同等(女性のHR 0.74/男性のHR 0.84; 交互作用のP =0.34)。
    しかし,高用量投与群の女性では,男性にくらべ出血性脳卒中リスクが著明に低下[女性のHR 0.30(95%CI 0.15~0.59)/男性のHR 0.70(0.46~1.06); 交互作用のP =0.037]。
    また,致死性出血[女性HR 0.23 vs. 男性HR 0.71; 交互作用のP <0.001],頭蓋内出血[女性HR 0.20 vs. 男性HR 0.63; 交互作用のP =0.003]のいずれにおいても高用量投与群の女性は男性より有意にリスクが低下した。その他,主要な消化管出血リスクについては,男女間で同等(女性HR 1.34 vs. 男性HR 1.19)。
    Zelniker TA, et al: Comparison of the Efficacy and Safety Outcomes of Edoxaban in 8040 Women Versus 13065 Men With Atrial Fibrillation in the ENGAGE AF-TIMI 48 Trial. Circulation. 2021; 143: 673-84. PubMed
  • 心臓弁膜症合併例は非合併例より死亡,MACE,重大な出血リスクが高かったが,edoxaban高用量群のwarfarin群にくらべた有効性,安全性には影響しなかった。
    心臓弁膜症(VHD)*合併の有無におけるedoxaban vs warfarin。* ベースライン時の心エコー所見での中等度以上の大動脈弁・僧帽弁逆流または既往,あるいは弁置換術歴(生体弁置換術,弁修復術,弁形成術)。中等度~重度の僧帽弁狭窄症,機械弁は除外。もっとも多かったVHDは僧帽弁逆流(全体の10.7%)。
    脳卒中,全身性塞栓症(SSEE:有効性の一次エンドポイント)にVHD合併例(2,824例),非合併例(18,222例)間で有意差はみられなかったが(1.79% vs 非合併例1.80%/年:調整ハザード比0.94),死亡(5.98% vs 3.73%/年:1.40[95%信頼区間]1.26~1.56**),主要有害心血管イベント(MACE:6.44% vs 4.50%/年:1.29[1.16~1.43]**),重大な出血(安全性の一次エンドポイント,3.16% vs 2.50%/年:1.21[1.03~1.42], p=0.02])のリスクは合併例が有意に高かった。** <0.001
    Kaplan-Meier推定によるedoxaban高用量群における有効性にwarfarin群との有意差はなく(合併例;1.39% vs 2.02%/年:0.69[0.44~1.07],非合併例;1.60% vs 1.77%/年:0.91[0.77~1.07];交互作用p=0.26),重大な出血は3.28% vs 4.46%/年:0.74(0.53~1.02), 2.66% vs 3.27%/年:0.82[0.71~0.94]で交互作用p=0.57であった。
    De Caterina R, et al: Valvular Heart Disease Patients on Edoxaban or Warfarin in the ENGAGE AF-TIMI 48 Trial. J Am Coll Cardiol. 2017; 69: 1372-82. PubMed
  • 転倒リスクの高いAF患者(4.3%)において,edoxaban群はwarfrarin群にくらべ重大な出血性イベントおよび死亡の絶対リスクが低かった。
    転倒リスクの高い心房細動(AF)患者におけるedoxabanのwarfarinにくらべた安全性,有効性を評価した(事前に計画されたサブグループ解析)。
    転倒リスクが高い(転倒歴,下肢筋力・バランス能低下,認知機能障害など)と判断された症例は900例(4.3%)で,より高齢(中央値77歳 vs 非高リスク例72歳),女性(49.4% vs 37.6%),脳卒中/TIA既往,糖尿病,冠動脈疾患の合併例が多かった。
    転倒高リスク例は,転倒による骨折(調整ハザード比1.88),ISTH(国際血栓止血学会)基準の大出血(1.30),生命を脅かす出血(1.67),全死亡(1.45)が多かったが,脳卒中・全身性塞栓症(1.16)などの虚血性イベントの有意な増加はみられなかった。edoxaban,warfarin投与,用量と有効性,安全性との有意な交互作用は認められなかったが,重大な出血性イベントおよび全死亡の絶対リスク低下はedoxaban群のほうが大きかった。
    Steffel J, et al: Edoxaban Versus Warfarin in Atrial Fibrillation Patients at Risk of Falling: ENGAGE AF-TIMI 48 Analysis. J Am Coll Cardiol. 2016; 68: 1169-78. PubMed
  • edoxabanの減量と転帰-臨床情報に基づく減量によりedoxabanの血中濃度と抗Xa活性が低下したにもかかわらず,warfarinとくらべた有効性は減弱せず,重大な出血のリスクは低下。
    臨床情報(クレアチニンクリアランス30~50mL/分,体重≦60kg,P糖タンパク質相互作用のある薬剤併用)に基づき,edoxabanの用量を50%減量した5,356例(25.4%;warfarin群のedoxabanプラセボ投与例含む)と非減量例(15,749例)において,減量により過剰な血中edoxaban濃度の上昇と出血リスクが抑制されたかを検討した結果:ランダム化1か月後の投薬20時間(中央値)後に採血し,edoxabanのトラフ血中濃度と抗Xa活性を測定。減量により平均トラフ濃度は高用量群で48.5→34.6ng/mL,低用量群で24.5→16.0ng/mLへ低下し,平均トラフ抗Xa活性はそれぞれ0.85→0.64IU/mL, 0.44→0.35IU/mLへ低下した。これらの低下にもかかわらず,edoxaban群 vs warfarin群の脳卒中+全身性塞栓症のハザード比に減量による有意な変化はみられなかった(高用量群:0.78→0.81,低用量群:1.07→1.07)。重大な出血のリスクは低下した(0.88→0.63[交互作用p=0.023], 0.55→0.31[p=0.002])。
    一方で,減量例は非減量例より血栓塞栓性イベント,出血,死亡が多かった。
    Ruff CT, et al: Association between edoxaban dose, concentration, anti-Factor Xa activity, and outcomes: an analysis of data from the randomised, double-blind ENGAGE AF-TIMI 48 trial. Lancet. 2015; 385: 2288-95. PubMed
  • CYP2C9・VKORC1 遺伝子型によるwarfarin感受性と出血リスク-高感受性例ほど90日間の出血リスクが高く,edoxabanによるリスクの低下が大きい。
    CYP2C9 (rs1799853, rs1057910)とVKORC1 (rs9923231)の遺伝子型により判定したwarfarin感受性と出血リスクの関係を検証した結果(事前に計画されたサブグループ解析;14,348例):warfarin感受性を標準,感受性,高感受性に分類。warfarin群4,833例のうち標準は2,982例(61.7%),感受性は1,711例(35.4%),高感受性は140例(2.9%)。
    感受性例と高感受性例は標準例より最初の90日間のINR>3.0(過剰抗凝固)の時間割合が有意に高く(中央値:標準2.2%,感受性8.4%,高感受性18.3%;傾向p<0.0001),顕性出血(大出血,臨床的に重大な非大出血,小出血)のリスクが高かった(標準例とくらべたハザード比:感受性例1.31, p=0.0179;高感受性例2.66, p<0.0001)。大出血・臨床的に重大な非大出血の結果も同様であった。
    90日間のedoxaban高・低用量群のwarfarin群と比較した顕性出血リスクの低下は,高感受性例ほど顕著であった(高用量群のハザード比:1.13, 0.77, 0.45[交互作用p=0.0066],低用量群:0.83, 0.58, 0.21[p=0.0036])。90日以降の出血リスクには遺伝子型の影響を認めなかった。
    Mega JL, et al: Genetics and the clinical response to warfarin and edoxaban: findings from the randomised, double-blind ENGAGE AF-TIMI 48 trial. Lancet. 2015; 385: 2280-7. PubMed
  • 試験終了後のオープン治療への移行とリスク-移行プランによりVKA移行例の85%が14日後までにINR≧2を達成,30日間の血栓・出血リスクの有意な増大は認められず。
    新規経口抗凝固薬(NOAC)のランダム化比較試験(RCT)で,試験終了時に盲検下のNOACからオープンのビタミンK拮抗薬(VKA)投与に移行した患者で脳卒中と出血のリスクが増加したことから,本試験では事前にこのリスクを抑制するための移行プランを作成。同プランの有用性をRCT終了時の試験薬投与例において検証した結果(13,642例[warfarin群4,503例,edoxaban高用量群4,526例,低用量群4,613例];追跡期間≧30日):移行プランでは,RCTの最終受診時に移行後の薬剤(医師と患者が選択)を処方し,最初の14日間は移行キットを併用(edoxaban→VKA移行例はedoxaban[試験期間中の減量例は15mg/日,非減量例は30mg/日],warfarin→VKA移行例はプラセボを,INR≧2達成まで,または14日間のいずれか早いほうまで)。INRを頻回(≧3回/2週間)に測定し,<2の場合は移行キット終了後にオープンのVKAを積極的に増量。
    オープンVKAへの移行は9,304例(68.2%),NOACへの移行は4,258例(31.2%),80例(0.6%)は抗血小板薬または抗血栓療法非実施へ移行。
    30日間の脳卒中発生は21例で,warfarin群(1.90%/年)にくらべたedoxaban高用量群(1.89%/年),低用量群(1.85%/年)での増加は認められず,大出血(2.98%/年,2.69%/年,4.76%/年),死亡(1.89%/年,2.15%/年,2.64%/年)も同様であった。VKAへの移行例のうち85%が14日後までに,99%が30日後までにINR≧2を少なくとも1回達成した。
    VKAへの移行例のみ,NOACへの移行例のみの解析結果も同様であった。
    Ruff CT, et al: Transition of patients from blinded study drug to open-label anticoagulation: the ENGAGE AF-TIMI 48 trial. J Am Coll Cardiol 2014; 64: 576-84. PubMed
  • AF患者における左房の構造・機能と脳卒中-55%が左房拡大かつLAEF低下。左房異常はAFの重症度,CHADS2スコアと関連する。
    心房細動(AF)の病型別(発作性:33%,持続性:21%,永続性:46%)に左房の構造および機能を評価し,脳卒中リスクとの関連を検討した結果(心エコーサブスタディ・971例:年齢中央値73歳,女性34.4%):左房サイズ・左房emptying fraction*(LAEF:[左房最大容積-最小容積]/左房最大容積),収縮機能,CHADS2スコア(2, 3, 4~6に層別)を評価。
    55%に左房拡大(左房容積係数≧29mL/m²),LAEF低下がみられ,左房サイズとLAEFは有意に逆相関した(R=-0.57, p<0.0001)。
    AFの病型(持続時間)とCHADS2スコアは,左房サイズと正の関係,LAEFと負の関係にあった。
    19%が左房サイズは正常ながらLAEFが低下しており,洞調律例にも左房収縮不全がみられた。
    * 左房機能の指標の一つで,心房の収縮機能(指標: LA active EF[左室駆出率に相当])と血液プール機能(指標: LA passive EF)をあわせた,いわゆるリザーバー機能の指標。
    Gupta DK, et al for the Effective aNticoaGulation with factor xA next GEneration in AF-Thrombolysis In Myocardial Infarction 48 (ENGAGE AF-TIMI 48) Echocardiographic Study Investigators: Left atrial structure and function in atrial fibrillation: ENGAGE AF-TIMI 48. Eur Heart J. 2014; 35: 1457-65. PubMed

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収載年月2013.11
更新年月2021.03