循環器トライアルデータベース

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Low-Dose Colchicine

目的 不安定冠動脈疾患(CAD)の責任プラークには活性化好中球が存在することから,好中球の機能を阻害するcolchicineを安定CAD患者に投与すれば,プラークの不安定化を抑制でき,臨床転帰が改善する可能性がある。
臨床的に安定したCAD患者において,現行の二次予防治療へのcolchicine 0.5mg/日の追加により,心血管イベントリスクが低下するかを検討する。

一次エンドポイントは急性冠症候群(ACS),致死的・非致死的院外心停止,非心原性脳梗塞の複合エンドポイント。
コメント 本試験はオープンラベルの試験である。しかし,コルヒチンは歴史のある薬剤で新薬ではないのでプラセボ効果は少ない。
症例数は少ないが,全例追跡されているので本試験にて示された結果には真実味がある。
安価なコルヒチンによりACS予防効果が示された意義は大きい。利益企業の関与がないので,この情報がどれほど広まるかには不明の点が多い。(後藤
デザイン PROBE(prospective, randomized, open, blinded-endpoint),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は36か月(中央値)。
登録期間は2008年8月~2010年5月,試験終了は2012年5月31日。
対象患者 532例。35~85歳,外来通院中の血管造影により診断されたCAD患者で,6か月以上臨床的に安定しているもの。バイパス術の既往例については,施行後10年以上経過している,血管造影上のグラフト不全がある,あるいは術後にステントを植え込んだ場合のみ登録。
■患者背景:平均年齢(colchicine群66歳,対照群67歳),男性(両群とも89%),糖尿病(33%, 28%),急性心筋梗塞(AMI)または不安定狭心症既往(23%, 24%),CABG(22%, 16%),経皮的冠動脈形成術(60%, 55%)。
服薬状況:aspirinかつ/またはclopidogrel(93%, 94%),aspirin+clopidogrel(13%, 10%),高用量スタチン(96%, 94%),β遮断薬(62%, 71%;p<0.05),Ca拮抗薬(18%, 10%;p<0.01),ACE阻害薬(55%, 60%)。
治療法 colchicine群(282例):現行治療にcolchicine 0.5mg/日を追加。
対照群(250例):現行治療を継続。
結果 追跡不能例はなし。
colchicine群における30日以内の投与中止は32例(11%),30日以降(平均2.36年)は30例(11%)。主な中止理由は胃腸障害(2.5%)。
[一次エンドポイント]
colchicine群が有意に低かった(15/282 例[5.3%]vs 対照群40/250例[16.0%]:ハザード比0.33;95%信頼区間0.18~0.59, p<0.001;number needed to treat:11)。
on-treatment解析(30日以内のcolchicine治療中止例32例と治療を開始しなかった7例を除外)も同様の結果であった(4.5% vs 16.0%:0.29;0.15~0.56, p<0.001)。
[二次エンドポイント]
ACSはcolchicine群で有意に抑制された(4.6% vs 13.6%:0.33;0.18~0.63, p<0.001)。
院外心停止(1例 vs 2例),非心原性脳梗塞(1例 vs 4例)はほとんどみられなかったが,発生数はcolchicine群のほうが少なかった。
またcolchicine群はstent diseaseに関連しないACS(3.2% vs 12%:0.26;0.12~0.55, p<0.001),AMI(1.6% vs 5.6%:0.25;0.08~0.76, p=0.014),不安定狭心症(2.4% vs 12%:0.27;0.10~0.75, p=0.011)が有意に少なかった。
★結論★安定CAD患者において,スタチンとその他の標準二次予防薬へのcolchicine 0.5 mg/日の追加は心血管イベントの予防に有効だと思われる。
文献
  • [main]
  • Nidorf SM et al: Low-dose colchicine for secondary prevention of cardiovascular disease. J Am Coll Cardiol. 2013; 61: 404-10. PubMed

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収載年月2013.02