循環器トライアルデータベース

ALPHEE
Dose Ranging Study of Celivarone with Amiodarone as Calibrator for the Prevention of Implantable Caridoverter Defibrillator Interventions or Death

目的 ICD植込み例において,心室性不整脈を治療するために開発された新規抗不整脈薬celivaroneの有効性と安全性を検討する第II相試験。
有効性の一次エンドポイントは心室頻拍(VT),心室細動(VF)に対するICD作動(ショック,抗頻拍ペーシング),あるいは突然死。
コメント celivaroneは,アミオダロン(amiodarone)類似の新規抗不整脈薬で,I,II,III,IV群の抗不整脈効果をもつ。ヨードを含有しないので,amiodaroneに比べると臓器に対する毒性が弱い。先行のICARIOS(Prevention of Ventricular Arrhythmia-Triggered ICD Intervention)研究でcelivaroneは心室性頻脈性不整脈によるICD作動を抑制する傾向を示したが,有意な結果とはならなかったため,本研究が計画された。結果は,celivaroneはamiodaroneに比べて投与中止例は少なかったが,有効性を示すことはできないというものであった。amiodaroneの副作用にはヨードの含有が関係しているとされ,副作用を軽減するために開発が試みられているが,残念ながらヨードを含まないdronedaroneやcelivaroneがamiodarone以上の有効性を示すことができていない。(井上
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(26か国151施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は12.1か月(中央値)。
実施期間は2009年9月~2011年5月。
対象患者 486例。21歳以上;EF≦40%;ICD一次予防植込み適応症例;前月に,1回以上のICD作動があったもの;前月にVT,VFの診断に対してICDを植込んだもの,あるいはVT,VFに対しICDが作動した二次予防例。
除外基準:4週間以内の不安定狭心症,心筋梗塞発症例;torsades de pointesの既往あるいは先天性 QT 延長症候群;早期興奮症候群;心原性ショックなど。
■患者背景:平均年齢64.4歳,男性88.7%,白人92.8%,平均EF 29.1%,うっ血性心不全86.0%,NYHA II度60.4%;III度24.0%。
既往:冠動脈疾患71.4%;高血圧59.5%;虚血性拡張型心筋症50.6%;失神32.1%;心房細動28.6%;非虚血性拡張型心筋症25.5%;非リウマチ性心臓弁膜症23.3%。
ICD植込み適応症例:一次予防35.6%;二次予防64.4%,最初のICD植込みからの平均期間28.8か月,前回のICDの適切な作動からの経過13.1日。
心血管疾患治療:β遮断薬89.1%,ACE阻害薬・ARB 85.2%,脂質治療薬73.3%,利尿薬69.1%,Ca拮抗薬10.9%。
治療法 celivaroneは1日1回経口投与。
celivarone 50mg群(109例),100mg群(102例),300mg群(113例),基準薬amiodarone群(53例,600mgを10日投与後200mgを投与),プラセボ群(109例)。
結果 治療期間は9か月(中央値),≧12か月投与例は28.7%。
治療を終了したのは312例(64.2%),追跡完了例は87.7%。
[一次エンドポイント:適切なICD作動,突然死]
celivarone 50mg群67.0% vs 100㎎群58.8% vs 300㎎群54.9% vs amiodarone群45.3% vs プラセボ群61.5%。
プラセボ群と比べた一次エンドポイントのハザード比は,300mg群0.86~50mg群1.199で,どの用量群とも有意差は認められなかった。amiodarone群で抑制の傾向;0.697(95%信頼区間0.437~1.113, p=0.13)。
VT,VFに対するICD作動においても有意差はなく,celivarone群に用量依存性もみられなかった。しかし,amiodarone群では有意に抑制された(0.595;0.360~0.982, p=0.0399)。
突然死は6例,うち4例はamiodarone群,300mg群とプラセボ群がそれぞれ1例。
[安全性]
治療による有害事象の発生は全群間に差はなく,celivarone群に用量依存性もみられなかった(50mg群86.0%,100mg群86.1%,300mg群86.7%,プラセボ群84.4%,amiodarone群86.3%)。治療中止例はamiodarone群で多かった(27.1%, 23.8%, 21.2%, 16.5%, 31.4%)。
もっとも多かったのは心血管イベントで,中でも心室頻拍が多かった(23.4%, 24.8%, 17.7%, 17.4%, 13.7%)。
★結論★celivaroneにICD作動や突然死の予防効果は認められなかった。
ClinicalTrials. gov No: NCT00993382
文献
  • [main]
  • Kowey PR et al on behalf of the ALPHEE study investigators: Efficacy and safety of celivarone, with amiodarone as calibrator, in patients with an implantable cardioverter-defibrillator for prevention of implantable cardioverter-defibrillator interventions or death: the ALPHEE study. Circulation. 2011; 124: 2649-60. PubMed

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収載年月2012.01