循環器トライアルデータベース

ACCELERATE
Aliskiren and the Calcium Channel Blocker Amlodipine Combination as an Initial Treatment Strategy for Hypertension Control

目的 直接的経口レニン阻害薬aliskiren+Ca拮抗薬amlodipineの併用投与で降圧治療を開始した場合,単剤投与開始後の逐次追加降圧療法に比べて,より早期に,より大きな降圧効果が得られ,初期の血圧コントロールの差がその後も持続するかを検証。
一次エンドポイントは,(1)8~16~24週後の収縮期血圧(SBP)の平均降圧,(2)aliskiren+amlodipine併用投与開始群が単剤群より(1)で勝っていた場合,24週後のSBPの低下。
コメント 降圧の基本は,単剤から開始し,その後併用追加薬によって少しずつ血圧を下げていくというのが多くのガイドラインでの推奨である。しかし本試験では,早めにレニン阻害薬とCa拮抗薬の併用で降圧するほうが,単剤よりも降圧効果の発現が早いのは当然としても,24週後でもより強い降圧が持続している。収縮期血圧が20mmHg以上降圧するresponderの割合も最初から併用したほうが高いという結果も示している。
しかし,本試験は心血管イベント発症を比較したものではないので降圧薬のエビデンスとしての価値は低い。なによりも降圧薬治療の反応や副作用には個人差があり,副作用の発現をみながら単剤から開始するというのがやはり基本であろう。(桑島
デザイン 無作為割付け,二重盲検,多施設(10か国146施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は32週。
登録期間は2008年11月28日~2009年7月15日。
対象患者 1,254例。18歳以上,座位SBP 150~180mmHg,拡張期血圧(DBP)<110mmHgの本態性高血圧患者。
■患者背景:平均年齢(aliskiren+amlodipine群58.1歳,aliskiren群58.4歳,amlodipine群58.1歳),女性(49%, 48%, 50%),白人(77%, 79%, 78%),BMI(29.8kg/m², 29.5 kg/m², 29.8 kg/m²),喫煙者(14%, 15%, 12%),未治療者(44%, 42%, 37%),糖尿病(12%, 13%, 12%),血圧(161.8/92.5mmHg, 161.2/92.0mmHg, 161.1/93.0mmHg)。
治療法 2~4週間の単盲検・プラセボによるrun-in期間後(それまでの降圧治療を中止),下記の3群に2:1:1でランダム化。
aliskiren+amlodipine群(620例):aliskiren 150mg+amlodipine 5mgを投与。
aliskiren群(318例):aliskiren 150mg+プラセボを投与。
amlodipine群(316例):amlodipine 5mg+プラセボを投与。
8週後に全群の用量を倍加。16週後,aliskiren群にはamlodipineを追加,amlodipine群にはaliskirenを追加して,全群にaliskiren 300mg+amlodipine 10mgを投与。24週後,血圧>140/90mmHgの症例にはhydrochlorothiazide(HCTZ)12.5mgを追加,その他はプラセボを追加。
結果 24週後にHCTZを追加した患者はaliskiren+amlodipine群(164/617例[27%])と単剤群(162/630例[26%])で同等。
[SBPの変化:ベースライン時→ 8週後→ 16週後→ 24週後]
aliskiren+amlodipine群:161.8→ 140.3→ 133.4→ 133.5mmHg。
aliskiren群:161.2→ 149.6→ 144.7→ 134.4mmHg。
amlodipine群:161.0→ 146.7→ 140.6→ 134.9mmHg。
[一次エンドポイント]
ベースラインから8~24週後までのSBPの平均降圧度(調整後)は,aliskiren+amlodipine群(25.3mmHg)が単剤群(18.9mmHg)よりも大きかった(最小二乗平均差6.5mmHg;95%信頼区間5.3~7.7,p<0.0001)。
24週後のSBPのaliskiren+amlodipine群と単剤群の最小二乗平均差は1.4 mmHg(-0.05~2.9,p=0.059)。
[その他のエンドポイント]
responder(SBP<140mmHgもしくはSBPのベースライン時からの低下≧20mmHgを達成した患者)の割合は,早い段階からaliskiren+amlodipine群が単剤群よりも多かった。
8週後:aliskiren+amlodipine群62.7% vs aliskiren群33.0%,vs amlodipine群40.9%(ともにp<0.0001)。
16週後:79.1% vs 47.8%,vs 59.4%(ともにp<0.0001)。
24週後:77.0% vs 74.4%(p=0.47),vs 70.9%(p=0.05)。
32週後:77.0% vs 73.7%(p=0.35),vs 65.8%(p=0.0004)。
[有害事象]
主な有害事象は末梢性浮腫,めまい,低血圧で,有害事象による投薬中止例はaliskiren+amlodipine群85例(13.8%),aliskiren群45例(14.3%),amlodipine群58例(18.4%)であった。
★考察★SBP>150mmHgの高血圧患者において,aliskiren+amlodipine併用による降圧治療開始はそれぞれの単剤療法よりも24週後の平均降圧度が大きかった。また,単剤療法群では併用療法への切り替えにより血圧はさらに低下したが,併用療法から開始した群と同程度の降圧度に到達することはできなかった。
ClinicalTrials gov. No: NCT00797862
文献
  • [main]
  • Brown MJ et al: Aliskiren and the calcium channel blocker amlodipine combination as an initial treatment strategy for hypertension control (ACCELERATE): a randomised, parallel-group trial. Lancet. 2011; 377: 312-20. PubMed
    Lazich I, and Bakris G: Initial combination antihypertensives: let's ACCELERATE. Lancet. 2011; 377: 278-9. PubMed

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収載年月2011.03