循環器トライアルデータベース

OLIVUS
Impact of Olmesarten on Progression of Coronary Atherosclerosis: Evaluation by Intravascular Ultrasound

目的 ARB olmesartanの冠動脈アテローム性硬化症進展への影響を検討する。
一次エンドポイントはIVUS評価によるアテローム量。
デザイン 無作為割付け,多施設。
期間 平均追跡期間は388日。
登録期間は2006年2月~2007年8月。
対象患者 247例。PCIが予定されている固有冠動脈病変を有する安定狭心症,高血圧患者。
除外基準:複雑病変(著しい蛇行,石灰化病変),IVUSとクロス不能病変,慢性腎機能不全(クレアチニン>1.5mg/dL),不安定症例,4週間以内の心筋梗塞(MI)発症例,EF<25%,ACE阻害薬・ARB投与例。
■患者背景:平均年齢(olmesartan群67.8歳,対照群68.4歳),男性(76%, 68%),喫煙率(34%, 31%),糖尿病(31%, 35%),MI既往(15%, 13%),BMI(24.7kg/m², 23.9kg/m²),クレアチニン(0.99mg/dL, 1.0mg/dL),eGFR(59.6mL/分/1.73m², 57.9mL/分/1.73m²),HbA1c(6.1%, 5.9%),LDL-C(103.8mg/dL, 107.0mg/dL),HDL-C(47.1mg/dL, 50.4mg/dL),トリグリセライド(164mg/dL, 142mg/dL),治療状況:降圧薬投与例(39.7%, 38.8%),スタチン系薬剤投与例(30.9%, 33.0%)。
治療法 olmesartan群(126例):10~40mg/日。8週間で最大忍容量まで漸増投与。
対照群(121例)。
担当医の判断でβ遮断薬,Ca拮抗薬,利尿薬,硝酸薬,血糖コントロール薬,スタチン系薬剤を併用投与。
非責任血管の40mm以上の部位でIVUSを試験開始時と14か月後に実施。
結果 [忍容性]
有害イベントなどのためolmesartan群17例,対照群15例が脱落。
追跡IVUS実施例は215例,画像不明瞭によりそれぞれ6例,4例は解析から除外,解析例は205例(olmesartan群103例,対照群102例)。
試験終了時にvital statusを確認したのは230例(93.1%),olmesartan群の投与率は109例(86.5%),full dose(20~40mg)を投与していたものは105例(83.3%),減量例は4例(3.2%)のみであった。
[ランダム化後の併用投与]
aspirin(両群とも100%),β遮断薬(olmesartan群12.7%,対照群13.2%),Ca拮抗薬(41.3%, 49.6%),スタチン系薬剤(52.3%, 57.0%),経口血糖降下薬(19.8%, 17.3%),インスリン(5.6%, 7.1%)。

[血圧の変化]
降圧は両群同等に良好であった。
olmesartan群:ベースライン時;142.4/81.1mmHg→ 14か月後;138.4/77.4mmHg(拡張期血圧;p<0.05 vs ベースライン時)。
対照群:144.4/79.2mmHg→ 137.9/74.7mmHg(p<0.05 vs ベースライン時)。
[一次エンドポイント:14か月後のIVUS評価によるアテローム容積の変化]
対照群では総アテローム容積およびアテローム容積率が有意に増加したが,olmesartan群では対照群に比べ変化が有意に小さかった。
評価血管長はolmesartan群42.5mm,対照群42.7mm。
アテローム容積(mm³):olmesartan群:ベースライン時;230.2→ 14か月後;227.6):-2.6;総アテローム容積の変化0.6%(95%信頼区間-1.9~3.1) vs 対照群:208.8→ 215.9:+7.1;5.4%(2.4~8.5);p=0.016。
血管容積(mm³):512.0→ 509.9 vs 494.8→ 502.5
アテローム容積率:43.8%→ 43.7% vs 40.6%→ 41.7%;総アテローム容積率の変化;-0.7%(-3.4~2.0) vs +3.1%(0.7~5.6);p=0.038
[主要心血管イベント]
両群間に有意差はみられなかった。
心血管死,非致死的MI,非致死的脳卒中の複合エンドポイント:olmesartan群1.6% vs 対照群2.5%。
心血管死:0% vs 1.7%,非致死的MI:1.6% vs 0%,非致死的脳卒中:0% vs 0.8%,不安定狭心症による入院:0% vs 0.8%,血行再建術:7.9% vs 10.0%,うっ血性心不全による入院:1.6% vs 0.8%,慢性腎不全の悪化:両群とも0.8%。
[サブグループ]
アテローム容積の増加がみられたのは,>65歳(オッズ比1.64;0.85~3.17),男性(1.57;0.79~3.09),糖尿病(1.61;0.84~3.06)。
糖尿病患者ではHbA1c≧6.5%例で増加した(<6.5%;-0.40% vs ≧6.5%;5.1%(p=0.01)。スタチン系薬剤投与例では両群間差はなかったが,LDL-C値では違いがみられた(<120mg/dL[0.2%] vs ≧120mg/dL[4.1%], p=0.06)。
★結論★安定狭心症患者において,ARB olmesartanによる冠動脈アテローム性硬化症進展の抑制の可能性が示された。
文献
  • [main]
  • Hirohata A, et al. Impact of olmesartan on progression of coronary atherosclerosis a serial volumetric intravascular ultrasound analysis from the OLIVUS (impact of olmesarten on progression of coronary atherosclerosis: evaluation by intravascular ultrasound) trial. J Am Coll Cardiol. 2010; 55: 976-82. PubMed
    Marso SP: Plaque burden with composition? That is the next question. J Am Coll Cardiol. 2010; 55: 983-5. PubMed

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収載年月2010.06