循環器トライアルデータベース

J-CORE
Japan-Combined Treatment with Olmesartan and a Calcium Channel Blocker versus Olmesartan and Diuretics Randomized Efficacy

目的 高血圧患者において,ARB olmesartanにCa拮抗薬azelnidipineと利尿薬hydrochlorothiazide(HCTZ)を併用した場合の中心収縮期血圧(SBP),自由行動下SBP,大動脈脈波伝播速度(PWV)への影響を比較する。
デザイン PROBE(prospective, open, blinded-endpoint)。
期間 追跡期間は24週間。
登録期間は2006年5月~2007年10月。
対象患者 207例。30~85歳。
除外基準:二次性高血圧;不整脈;うっ血性心不全治療例;脳卒中あるいは冠動脈疾患既往;臨床的に重大な弁膜症;腎機能障害(クレアチニン≧2mg/dL)など。
■患者背景:平均年齢(olmesartan+azelnidipine群68.9歳,olmesartan+HCTZ群68.0歳),男性(両群とも40%),BMI(23.4kg/m², 23.8kg/m²),腹囲(81.8cm, 83.2cm),高コレステロール血症(30%, 29%),糖尿病(17%, 15%),左室肥大(18%, 17%)。
高血圧罹病期間(13.7年,13.3年),高血圧治療期間(8.9年,9.0年),高血圧家族歴(83%, 79%)。
降圧薬治療例(73%, 71%):Ca拮抗薬(両群とも51%);ACE阻害薬(12%, 13%),ARB(23%, 24%);利尿薬(両群とも8%);β遮断薬(8%, 7%);α遮断薬(2%, 1%)。
投与薬剤数:1剤(48%, 43%);2剤(20%, 24%);3剤(2%, 1%)。
スタチン系薬剤(両群とも19%),糖尿病治療薬(15%, 14%)。
検査値:空腹時血糖値(100.3mg/dL, 100.4mg/dL),HbA1c(5.4%, 5.2%),総コレステロール(178.0mg/dL, 180.2mg/dL),LDL-C(107.8mg/dL, 108.9mg/dL),HDL-C(50.6mg/dL, 52.5mg/dL),クレアチニン(0.74mg/dL, 0.72mg/dL),血漿カリウム(両群とも4.3mmol/L)。
治療法 降圧治療の有無を問わず連続した高血圧患者(2回以上の異なる計測時にSBP≧140mmHgおよび/あるいは拡張期血圧(DBP)90mmHg,または以前高血圧と診断され降圧薬投与例)で試験参加に同意したものを登録し,olmesartan 20mg/日・12週間投与のrun-in後の血圧が≧140/90mmHgの症例を下記2群にランダム化。run-in期間中に血圧が≧200/115mmHgになった場合は試験薬の投与を中止した。
olmesartan+azelnidipine群(103例):olmesartan 20mgにazelnidipine 16.0mgを追加。
olmesartan+HCTZ群(104例):olmesartan 20mgにHCTZ 12.5mgを追加。
降圧治療例はそれまでの全治療をolmesartan 20mg/日単独投与に変更した。
漸増投与および試験薬以外の降圧薬の使用,試験薬の安全性・有効性を阻害する可能性のある薬剤の併用は不可とし,投与期間は24週間。
結果 [血圧の変化]
年齢,性,BMI,降圧薬投与歴などで調整後の中心SBPの低下度はolmesartan+azelnidipine群の方が有意に大きかったが,上腕SBPの低下は有意ではなかった。
・上腕SBP:olmesartan+azelnidipine群:ベースライン時153.9mmHg→試験終了時131.7mmHg vs olmesartan+HCTZ群:155.0→ 134.4mmHg:SBPの両群間差2.6mmHg(95%信頼区間-2.2~7.5, p=0.29);
上腕DBP:83.3→ 71.2mmHg vs 82.9→ 74.3mmHg:3.2mmHg(1.0~5.4, p=0.005)。
・上腕脈圧(PP):70.5→ 60.6mmHg vs 72.1→ 59.9mmHg:-0.8mmHg(-4.3~2.8, p=0.68)。
・平均血圧:109.0→ 91.2mmHg vs 109.0→ 95.7mmHg:4.5mmHg(1.5~7.6, p=0.004)。
・中心SBP:143.8→ 119.9mmHg vs 145.1→ 125.1mmHg:5.2mmHg(0.3~10.2, p=0.039)。
・中心DBP:84.6→ 72.1mmHg vs 84.0→ 75.3mmHg:3.3mmHg(1.1~5.5, p=0.004)。
・中心PP:59.2→ 47.9mmHg vs 61.0→ 49.7mmHg:1.8mmHg(-1.9~5.4, p=0.33)。
[PWV]
olmesartan+azelnidipine群の方がolmesartan+HCTZ群よりも有意に低下した:10.2→ 8.9m/s vs 10.3→ 9.7m/s:0.8m/s(0.5~1.1, p<0.001)。
[自由行動下血圧]
両群間に有意差はみられなかったが,覚醒時DBPはolmesartan+azelnidipine群の方が低下度が有意であった。
・24時間SBP:142.4→ 130.2mmHg vs 141.3→ 130.9mmHg:0.7mmHg(-2.3~3.8, p=0.63)。
・24時間DBP:83.2→ 75.7mmHg vs 82.4→ 77.1mmHg:1.4mmHg(-0.2~3.1, p=0.09)。
・覚醒時血圧:148.3/87.1→ 135.6/79.0mmHg vs 147.3/86.2mmHg→ 138.1/81.3:2.4(-1.0~5.9, p=0.17)/2.3mmHg(0.3~4.3, p=0.02)。
・睡眠時血圧130.8/75.3mmHg→ 120.0/69.4mmHg vs 128.8/74.6mmHg→ 117.0/68.7mmHg:-3.0(-6.6~0.7, p=0.11)/-0.6(-2.7~1.4, p=0.53)。
★結論★olmesartan+azelnidipine併用投与はolmesartan+HCTZ併用投与と比べ上腕SBPの低下度は差がなかったものの,中心SBPの低下度,大動脈スティフネスの抑制で優っていた。
文献
  • [main]
  • Matsui Y et al: Differential effects between a calcium channel blocker and a diuretic when used in combination with angiotensin II receptor blocker on central aortic pressure in hypertensive patients. Hypertension. 2009; 54: 716-23. PubMed
    Safar ME et al: Central blood pressure under angiotensin and calcium channel blockade. Hypertension. 2009; 54: 704-6. PubMed
  • [substudy]
  • 家庭血圧の日間変動の改善は,olmesartan+azelnidipineのほうがolmesartan+HCTZよりも大きい。
    ARB+Ca拮抗薬はARB+HCTZよりも家庭血圧の日間変動を抑制するかを検証した結果:家庭血圧は毎受診日前5日間に朝夕1日2回,1機会に3回ずつ測定。家庭血圧の変動を5日間の血圧の個人内標準偏差(SD)で,動脈スティフネスを大動脈脈波伝播速度(aPWV)で評価。家庭SBPの低下は両群で同等であったが,個人内 SDの低下はazelnidipine併用群のほうが大きかった(ベースライン時の平均SD:azelnidipine併用群7.8mmHg vs HCTZ併用群7.7mmHg;追跡期間中の平均SD:6.3mmHg vs 7.1mmHg, p=0.007)。多変量回帰分析の結果,azelnidipine併用群ではaPWVの変化と家庭SBPのSD変化との独立した関連が認められ(回帰係数0.79, p=0.036),日間変動の改善には動脈スティフネスの低下が関与している可能性が示された:Hypertension. 2012; 59: 1132-8. PubMed

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収載年月2009.12
更新年月2012.07