循環器トライアルデータベース

NCDR CathPCI (ACC-NCDR CathPCI)
American College of Cardiology-National Cardiovascular Data Registry CathPCI

目的 アメリカの医療保険(メディケア,メディケイド)を利用した全国レベルの心血管データ登録研究(ACC-NCDR)にリンクした,“real world”での薬剤溶出性ステント(DES)とベアメタルステント(BMS)の安全性と有効性を検証する登録研究(CathPCI)で,高齢者におけるDESとBMSの有効性を比較する。
評価転帰は死亡,心筋梗塞(MI),血行再建術,重大な出血,脳卒中,複合エンドポイント:死亡,MIの複合,死亡,MI,血行再建術の複合,死亡,MI,脳卒中の複合。
本報は高齢者におけるDESとBMSの有効性および安全性を検討したもの。
コメント BMJ. 2009; 338: b1807. へのコメント
ベアメタルステントよりも薬剤溶出性ステント(DES)の方が,臨床的転帰について良好であるという結果が得られた。こうした結果とDESに伴うlate thrombosisとの関係は十分明らかにされたとは言えない。レジストリーによる研究はreal worldとされるが,レジストリーの質のコントロールは重要である。今回のメディケア,メディケイドを用いたレジストリーは,質の点で十分な妥当性を有していたとしている。(中村中野永井
デザイン 登録研究,多施設(アメリカ650施設)。
期間 平均追跡期間はDES群456日,BMS群496日。
PCI実施期間は2004年1月1日~2006年12月31日。
参加者 26万2,700例:DES 21万7,675例,BMS 4万5,025例。
65歳以上のステント植込み例。
除外基準:2種類以上のステント(BMSとDESの両方)を植込んだもの。
■参加者背景(propensity score weighting後): 平均年齢(DES群74.7歳, BMS群74.8歳 ; p=0.03),男性(57.2%, 57.0%),白人(90.3%, 90.2%),PCI施行年(2004年 : 29.7%, 30.3%, 2005年 : 32.0%, 31.2%, 2006年 : 38.3%, 38.5%),うっ血性心不全 : CHF(56.1%, 55.7%),高血圧(80.3% , 80.6%),糖尿病(2型 : 22.8%, 23.0%, 1型 : 9.5%, 9.6%),末梢動脈疾患(15.2%, 15.5%),脳卒中(16.0%, 16.5%),既往 : PCI(28.0%, 27.9%) ; CABG(23.1%, 23.4%) ; 心筋梗塞:MI(26.8%, 26.9%)。
手技関連背景:緊急度(elective[50.2%, 49.6%];urgent[37.4%, 37.8%] ; emergent[12.1%, 12.4%], 適応(安定狭心症[17.1%, 17.0%],不安定狭心症/非ST上昇型MI[51.3%, 51.0%], ST上昇型MI[10.9%, 11.1%]),aspirin前投与(64.3%, 62.6%),clopidogrel前投与(80.6%, 77.9% ; p<0.01),GP IIb/IIIa受容体拮抗薬(46.9%, 44.7%),1患者当たりのステント数1本(63.3%, 65.6% ; p<0.001),1枝病変(85.1%, 85.4%),多枝病変(14.9%, 14.6%),DES群 : sirolimus溶出ステント46.3%, paclitaxel溶出ステント55.2%, オフラベル使用77.5%。
病変背景 : 左前下行枝(42.4%, 41.7%),左回旋枝(30.6%, 30.7%),右冠動脈(39.5%, 39.8%),グラフト(9.3%, 9.7%),type C(38.8%, 39.2%)。
調査方法 DES群,BMS群両群間のベースライン時の背景の相違を補正するためpropensity scoresを使用。
両群の有効性を比較するため,観察される確率の逆数でデータを重み付けして解析するinverse probability weighted(IPW)の推定をpropensity scoreに組込み,特に2つのIPW Cox比例ハザードモデル(DESのみを共変量とするモデル,DES+臨床的に重要な交絡因子[性,年齢,糖尿病,腎疾患,血行再建術既往,MI既往,多枝疾患,手技施行年,人種]を共変量とするモデル)で算出し,DES vs BMSのハザード比(HR;95%信頼区間[CI])を推定した。治療効果の推定を視覚的に評価するために,30か月の累積イベントをプロットした。
感度解析:TAXUS IV,SIRIUS試験の登録基準,除外基準合致例のサブグループでで5つの主要転帰を解析し,次に死亡した入院期間あるいは死亡前6か月間で最も新しい入院の一次診断に基づき,ステント植込み後の死因を推定。
結果 [心血管イベント]
・死亡:30か月で2万1,254例が死亡。調整前:DES群12.9% vs BMS群17.9%(p<0.0001),調整後*:13.5% vs 16.5%(HR 0.75;95%CI 0.72~0.79)。
調整後の死亡率はPCI施行後最初の6か月でDES群の方が有意に低く,その後30か月後までDES群の方が低かった。
30か月後の生存率が良好だったのはDES群の他に,女性,PCI・CABG既往例であった。
・MI:1万528例発症。調整前:7.3例/患者100例 vs 10.0例/100例(p<0.0001),調整後*:7.5例/100例 vs 8.9例/100例(0.77;0.72~0.81)。これはDES群でのPCI後12か月間のMI抑制によるもので,12か月以降は両群間に差はなかった。12か月以降,DES群でST上昇型MIがやや増加した。
・血行再建術(PCIあるいはCABG):3万4,751例で4万427件実施。調整前:23.0例/100例 vs 24.5例/100例(p=0.007)であったが,調整後*は:23.5例/100例 vs 23.4例/100例で両群間差はなくなった(0.91;0.87~0.96)。
しかし,PCI後12か月はDES群の方が少なく(13.3例/100例 vs 15.2例/100例),12か月以降は同群の方が増加した(10.2例/100例 vs 8.2例/100例)。
BMS群ではDES群に比べ,CABG施行率が高かった(3.7例/100例 vs 2.5例/100例)が,PCI施行率に差はなかった。
・脳卒中,重大な出血
脳卒中4,010例(調整前・調整後*ともに:DES群,BMS群ともおよそ3例/100例:HR 0.97;0.88~1.07),入院が必要な重大な出血5,120例(DES群3.4例/100例 vs BMS群3.6例/100例:0.91;0.84~1.00)。
脳卒中の59%,重大な出血の49%がPCI後6か月以内に発生。
・複合エンドポイント
いずれもDES群の方が少なかった:死亡+MI(調整前:17% vs 23%,調整後*:0.75;0.72~0.79),死亡+MI+血行再建術(32% vs 38%, 0.84;0.81~0.87),死亡+MI+脳卒中(19% vs 24%, 0.77;0.74~0.80)。
* IPW+DES,性,>75歳,人種,糖尿病,腎機能,血行再建術既往,MI既往,多枝病変,施行年,オフラベルで調整。
[サブ解析]
全サブグループでDES群の方が生存率が高く,性,年齢,合併症,手技適応あるいは緊急度とは独立していた。本有効性はCABG既往,腎不全でやや弱かった。2004年施行のDESに比べ2005,2006年施行例の生存率は高かった。
同様にMIも腎不全,1型糖尿病例を除きDES群でリスクが低下。血行再建術もDES群の方がやや低かったが,>75歳,糖尿病,腎不全,心不全,3枝病変例ではDES群のBMS群と比べた有効性はみられなかった。2006年・PCI群では血行再建術は両群間差はなかったが,2004,2005年はDES群の方がやや少なかった。
[感度解析]
・Taxus IV,SIRIUS試験の登録基準合致例の30か月後の転帰は全体での結果と同様であった:死亡(0.62;0.55~0.70),MI(0.66;0.55~0.80),死亡+MI(0.64;0.57~0.70),死亡+MI+血行再建術(0.87;0.80~0.96)はDES群の方が少なく,脳卒中(0.97;0.74~1.28),重大な出血(0.87;0.71~1.05)は両群間差はなかった。
・BMS群でやや多めだったのが致死的MI(13.5% vs 15.0%, p=0.01),悪性腫瘍による死亡(5.5% vs 6.7%, p=0.002)。一方,DES群の方が多かったのは慢性肺疾患(2.5% vs 1.9%, p=0.01),脳血管疾患(5.3% vs 4.2%, p=0.003)。DES群はBMS群に比べ心血管死(CHF, MI)リスクが低く(0.80;0.74~0.86),非心血管死リスクも低かった(0.74;0.70~0.78)。
★結論★最大規模のreal worldでの本研究によると,高齢者においてDES群はBMS群に比べ出血,脳卒中のリスクを増大することなく,30か月の臨床転帰は有意に改善した。DES群の有効性は全サブグループでみられた。

[主な結果]
  • PCI後の心臓リハビリ施設紹介-紹介率は約60%。施設間差が大きく,保険の種類の影響はみられず。
    [背景]PCI後の心臓リハビリテーションは低死亡率と関連するにもかかわらず,リハビリ施設への紹介率は低いことが地域調査で示されている。
    米国でのリハビリ施設紹介率およびその患者・施設関連因子と,保険加入の影響を検証した結果(143万2,399例[年齢中央値65歳,女性32.2%];2009年7月1日~’12年3月31日にPCI施行):リハビリ施設紹介率は59.2%,メディケア受給+急性心筋梗塞(AMI)患者(メディケアの心臓リハビリ適応例)は66.0%で,四半期ごとの変化はともにわずかであった(それぞれ57.9~61.2%;64.4~67.4%)。一方,紹介率にくらべ,退院時の他のAMI治療率は有意に高かった(aspirin 97.5%,スタチン89.8%,β遮断薬84.8%,EF<40%例でのACE阻害薬/ARB 79.6%,P2Y12 拮抗薬97.0%)。
    リハビリ施設紹介と独立して関連した患者因子は,ST上昇型心筋梗塞(STEMI)(オッズ比2.99),非STEMI(1.99),不安定狭心症(1.12),周術期MI(1.42)など。施設関連因子は地域(中西部7.36),民間・地域指定病院(2.33),年間PCI施行実績(1.05/100件),病床数(1.11/100床)。紹介率は施設間差が大きく,保険の種類,施設の特徴で調整後も紹介率<20%の施設が>1/4あった(Aragam KG et al: Gaps in referral to cardiac rehabilitation of patients undergoing percutaneous coronary intervention in the United States. J Am Coll Cardiol. 2015; 65: 2079-88.)。 PubMed
  • pPCI 施行例におけるdoor-to-balloon(D2B)時間と死亡率-2005年の86分から’11年の63分に短縮。集団レベルではD2B時間にかかわらず死亡率は増加傾向を示したものの,患者レベルではD2B短縮は死亡リスク低下と関連。
    2005年1月1日~’11年12月31日に423施設で施行されたprimary PCI(pPCI)150,116件・146,940例(pPCI施設への転送,15分>D2B>3時間,毎年のデータ報告に不備のある施設の患者などは除外;平均年齢60.9歳,女性28.0%)のデータを用いて,D2Bと入院中および6か月後の≧65歳の死亡の関係を評価した結果:pPCI施行例は7年で15,730→24,449例に増加。’11年の施行例は’05年にくらべ高齢で,CVD危険因子合併例,直接トロンビン阻害薬使用,血栓除去術施行,手技前TIMI grade 0例などが有意に増加した。
    D2B時間(中央値)は’05年86分→’11年63分に短縮したが(p<0.0001),リスク調整死亡率は上昇(入院中:4.7%→5.3%;p=0.06,6か月後:12.9%→14.4%;p=0.001)。また,D2B>90分の患者の入院中死亡率も6.1%→10.3%に上昇した。
    患者レベルではD2B短縮は死亡リスク低下と有意に関連(入院中:10分短縮ごとの調整オッズ比0.92;95%信頼区間0.91~0.93,6か月後:0.94;0.93~0.95)。一方,集団レベルでみた年間D2B時間(年間の全PCI施行例のD2B中央値)は施行年が1年経過するごとに死亡リスク上昇と関連した(1.12;1.09~1.15,1.11;1.07~1.14)(Nallamothu BK et al: Relation between door-to-balloon times and mortality after primary percutaneous coronary intervention over time: a retrospective study. Lancet. 2015; 385: 1114-22.)。 PubMed
  • 大腿動脈 vs 橈骨動脈アプローチ(2007~’12年)-橈骨動脈アプローチが増加なるも,まだ6本に1本の施行だが,血管・出血合併症が有意に減少。
    [背景]PCI施行時のカテーテル挿入部位として大腿動脈(f-PCI)が選択されてきたが,アクセス部位の出血,重大な血管合併症が不良転帰につながる問題があった。近年,代替部位の一つである橈骨動脈アプローチ(r-PCI)の有効性が次々に発表されているにもかかわらず,CathPCI での2004~’07年の施行率は1.32%に過ぎない。
    2007~’12年のr-PCI施行傾向を検証し,f-PCIと転帰を比較,さらに高リスク例での転帰を評価した結果(1,381施設・282万874件:r-PCI;17万8,643件[全PCIの6.33%],f-PCI;264万2,231件):r-PCI施行率は2007年第1四半期1.18%→2012年第3四半期16.07%。
    1施設あたりのr-PCI施行は2.38%(中央値)。r-PCIを選択している施設はわずか140施設(10.1%)。およそ13%の施設はr-PCI非施行。全PCIの半数以上でr-PCIを施行しているのは22施設。
    [患者・手技背景]r-PCI例はf-PCI例にくらべ,若く,男性が多く,BMIが高く,腎機能障害,末梢動脈疾患,心筋梗塞(MI)・うっ血性心不全・CABG/PCI既往が少なかった。また,r-PCI例は安定狭心症,非ST上昇型心筋梗塞に対する施行が多く,手技中の心原性ショック,心停止,IABPの必要性が少なかった。さらに透視時間が長く(14.2分 vs 11.1分),造影剤使用量が少なかった(中央値:178mL vs 186mL)(いずれもp<0.01)。未分画heparinの使用が多く,薬剤溶出性ステントの使用率(全例では68%)がやや高かった。
    [転帰]手技の成功率は同等であったが,血管合併症(0.16% vs 0.45%),出血性合併症(2.67% vs 6.08%)はr-PCI例で有意に低かった(いずれもp<0.01)。多変量解析後,r-PCIは手技の成功(オッズ比1.13;95%信頼区間1.06~1.20),血管合併症リスクの有意な低下(0.39;0.31~0.50),出血合併症の有意な低下(0.51;0.49~0.54)と関連した。これは,高リスク例(≧75歳,女性,ST上昇型MI)でも,一貫してみられた(Feldman DN et al: Adoption of radial access and comparison of outcomes to femoral access in percutaneous coronary intervention: an updated report from the national cardiovascular data registry (2007-2012). Circulation. 2013; 127: 2295-306.)。 PubMed
  • PCI後の負荷試験,心臓カテーテル検査-患者背景は関連しない。頻回な検査,診断は心筋梗塞,死亡を低下させないが,血行再建術再施行率は頻回施設で高い。
    2005~’07年に656施設でPCI(ステント)を施行した24万7,052例での結果(平均追跡期間756日):ステント植込みから60~365日後に初回診断検査(負荷試験,心臓カテーテル検査)として心電図,負荷心エコー法,stress nuclear imagingを実施したのは79,741例(32.3%),侵襲的冠動脈造影が18,455例(7.5%)。またこの間診断検査を実施しなかったのは14万8,856例(60.3%)。
    患者背景は診断検査頻度で違いはみられなかったが,第1四分位例にくらべ第4四分位例は白人,BMI≧30kg/m²,うっ血性心不全既往,急性冠症候群が少なかった。
    診断検査実施の頻度で四分位に層別した結果,死亡は第1四分位:5.6%;第2四分位:5.3%;第3四分位:5.2%;第4四分位5.0%;全体:5.2%,急性心筋梗塞(AMI)はそれぞれ2.3%;2.4%;2.3%;2.2%;2.3%,再血行再建術:3.6%;3.9%;4.2%;4.4%;4.1%。再血行再建術(PCI)リスクは第1四分位とくらべ第3四分位(ハザード比1.09, p=0.03),第4四分位(1.23, p<0.0001)が有意に高かったが,死亡とAMIリスクは診断検査実施頻度とは関係しなかった(Shah BR et al: Use of stress testing and diagnostic catheterization after coronary stenting: association of site-level patterns with patient characteristics and outcomes in 247,052 medicare beneficiaries. J Am Coll Cardiol. 2013; 62: 439-46.)。 PubMed
  • primary PCI 施行例におけるdoor-to-balloon時間と院内死亡率-4年間で83→67分に短縮したが死亡率の低下にはつながらず。
    2005年7月~’09年6月(国がdoor-to-balloon[病院到着からバルーン拡張まで]時間短縮運動を行った時期)にprimary PCIを施行した患者95,007例(515施設・入院96,738件:平均年齢60.8歳,女性28.0%)のデータを用いて,door-to-balloon時間と死亡の関係を評価した結果:2005~’06年から’08~’09年までに,高血圧(58.4→63.1%),脂質異常症(57.0→60.9%),糖尿病(17.8→19.5%),心筋梗塞既往(17.9→18.9%),PCI歴(18.6→21.7%)は年々増加した。薬剤溶出性ステントの使用は減少の傾向を示した(2005~’06年:76.8%→’07~’08年:37.4%)。EFは変化しなかった(46.7→47.0%)。
    door-to-balloon時間は4年間で83→67分(中央値)に短縮したが(p<0.001),院内死亡率は低下しなかった(未調整:4.8→4.7 %;p=0.43,リスクで調整後:5.0→4.7%;p=0.34)。ガイドライン推奨のdoor-to-balloon時間≦90分だった患者の割合も59.7→83.1%に増加したが(p<0.001),この患者群における院内死亡率は変わらなかった(3.6→3.8%;p=0.40)。一方,>90分の患者は減少したが(40.3→16.9%),院内死亡率は増加した(6.5→8.9%;ともにp<0.001)。30日死亡率(メディケアと照合した26,202例)にも変化はなかった(9.7→9.8%)(Menees DS et al: Door-to-balloon time and mortality among patients undergoing primary PCI.. N Engl J Med. 2013; 369: 901-9.)。 PubMed
  • 高齢糖尿病患者と長期転帰-BMS,DESを問わず,とくにインスリン治療例は18か月後の転帰が不良。
    2004~’08年にBMSまたはDESを植え込んだ≧65歳の40万5,679例において,糖尿病と長期転帰の関連を評価した結果(追跡期間中央値18.4か月;平均20か月):ベースライン時糖尿病は33.1%,うち9.8%がインスリン治療糖尿病(ITDM;平均73.5歳),23.3%が非インスリン治療糖尿病(NITDM;74.2歳),66.9%が非糖尿病(75.2歳)。DES植込み例は73.3%。
    ITDM,NITDMは非糖尿病にくらべ死亡(調整ハザード比1.91;95%信頼区間1.86~1.96, 1.32;1.29~1.35),心筋梗塞(MI:1.87;1.79~1.95, 1.29;1.25~1.33),血行再建術再施行(1.14;1.11~1.18, 1.08;1.05~1.11),出血による入院(1.40;1.31~1.50, 1.18;1.13~1.24)のリスクが有意に高かった。このリスクの増加はDESとBMS例とで変わらなかった。DES例ではITDM,NITDMで死亡リスクの低下と関連,ITDMでMIリスクの低下と関連したが,NITDMでは関連を認めなかった。血行再建術と出血に関しては,糖尿病状態とステントのタイプの有意な交互作用は認められなかった(Hillegass WB et al: Long-term outcomes of older diabetic patients after percutaneous coronary stenting in the United States: a report from the National Cardiovascular Data Registry, 2004 to 2008. J Am Coll Cardiol. 2012; 60: 2280-9.)。 PubMed
  • 65歳以上では,女性は男性よりもステント植込み時の合併症リスクがわずかに高いが,長期予後は男女同等,生存率は女性が上回る。
    2004年1月1日~2008年12月31日にステントを植え込み,メディケアfee-for-serviceに入院費を請求した患者42万6,996例(女性42.3%)において,短期・長期転帰を男女間で比較した結果(追跡期間中央値20.4か月):入院中の合併症発生率は女性のほうがわずかに高く,死亡は2.2% vs 1.6%(調整オッズ比1.41;95%信頼区間1.33~1.49),心筋梗塞1.3% vs 1.2%(1.19;1.11~1.27),出血4.4% vs 2.3%(1.86;1.79~1.93),血管合併症1.3% vs 0.7%(1.85;1.73~1.99)であった。一方,長期の死亡リスクは女性のほうが低く(調整後ハザード比0.92;95%信頼区間0.90~0.94),その他の転帰には男女差はなかった。長期転帰は男女同等にベアメタルステントにくらべ薬剤溶出性ステントで改善し,性差とステントのタイプの交互作用も認められなかった(死亡:女性:調整後HR 0.78;0.76~0.81,男性:0.77;0.74~0.79[交互作用のp=0.63],心筋梗塞:0.79;0.74~0.84, 0.81;0.77~0.85[p=0.14],血行再建術:0.93;0.90~0.97, 0.91;0.88~0.94[p=0.15])(Anderson ML et al: Short- and long-term outcomes of coronary stenting in women versus men: results from the National Cardiovascular Data Registry Centers for Medicare & Medicaid services cohort. Circulation. 2012; 126: 2190-9.)。 PubMed
  • 2005~’09年に待機的PCI後の出血リスクは20%低下。これはおもに抗血栓療法の変化による。
    待機的PCI施行例における出血合併症の経時的傾向と関連因子を,PCI施行例(59万9,524例),不安定狭心症/非ST上昇型心筋梗塞(UA/ NSTEMI;83万6,103例),ST上昇型心筋梗塞(STEMI;26万7,632例)で,1)臨床因子,2)臨床+血管アクセス法(経大腿 vs 経橈骨),3)臨床因子・血管治療法+抗血栓療法(抗血小板薬GP IIb/IIa受容体拮抗薬併用の有無を問わない抗凝固薬)のロジスティック回帰モデルにより検証した結果。
    PCI後の出血はおよそ20%低下(待機的PCI例:1.4→1.1%,UA/ NSTEMI:2.3→1.8%,STEMI:4.9%→4.5%)。
    年間の出血リスク低下率は待機的PCI例(オッズ比0.920),UA/ NSTEMI例(0.939)で有意であったが,STEMI例(0.975)では有意な低下はみられなかった。
    経橈骨アプローチの使用率はまだ低く(<3%),閉鎖デバイスの使用はわずかに増加した(44→49%)。
    抗血栓療法では抗トロンビン薬bivalirudinの使用が増加(17→30%)した一方で,heparinおよびGP IIb/IIIa拮抗薬は低下(41→28%)。この治療の変化は年間出血リスクがほぼ半減したことと関連した:待機的PCI例(7.5→4%),UA/ NSTEMI(5.7→2.8%)(Subherwal S, et al. Temporal trends in and factors associated with bleeding complications among patients undergoing percutaneous coronary intervention: a report from the national cardiovascular data CathPCI Registry. J Am Coll Cardiol. 2012; 59: 1861-9.)。 PubMed
  • 高齢者でのDESは減少。なかでも85歳以上は,有害イベントリスクがベアメタルステントより低いにもかかわらず,もっとも減少が顕著。
    2005~’08年・947施設での65歳以上のPCI施行例47万1,006例での長期(追跡期間中央値640.8日)の転帰:85歳以上の患者における待機的PCI施行(7→9%[緊急PCIは10→13%],75~84歳;40%,65~74歳;51%)は増加しているが,薬剤溶出性ステント(DES)の使用率はその年齢層でもっとも低下。
    85歳以上の死亡抑制はDESのほうがベアメタルステント(BMS)より大きい(29% vs 38%:ハザード比0.80;0.77~0.83),75~84歳(17% vs 25%:0.77;0.75~0.79),65~74歳(10% vs 16%:0.73;0.71~0.75)。調整後の死亡率の差は加齢に伴い小さくなった(交互作用のp<0.001)。一方で,DES例の心筋梗塞による再入院リスクは年齢とともに有意に低下(≧85歳は9% vs 12%:0.77;0.71~0.83,75~84歳は7% vs 9%:0.81;0.77~0.84,65~74歳は7% vs 8%:0.84;0.80~0.88[交互作用のp<0.001])(Wang TY, et al. Percutaneous coronary intervention and drug-eluting stent use among patients ≥85 years of age in the United States. J Am Coll Cardiol. 2012; 59: 105-12.)。 PubMed
  • 65歳以上におけるPCI後の長期(3年間)死亡予測モデル。
    2004~2007年にPCIを初めて施行した登録例51万8,195例のうち65歳以上は34万3,466例(66%,平均年齢75歳)。長期死亡予測モデル作成のため60%を抽出コホート,40%を検証コホートとした。追跡期間中央値15か月:死亡率は30日後3.0%→1年後8.7%→2年後13.4%→3年後18.7%:ST上昇型心筋梗塞(STEMI);10.3→16.5→20.4→25.4%,非STEMI;1.92→7.54→12.5→17.8%。
    死亡と関連する24変数*を使用した予測モデルのC統計量はSTEMI例0.79,非STEMI例0.78。
    *人口統計的特徴(年齢,性,人種),合併症,既往歴(BMI,喫煙,糖尿病,高血圧,脂質異常症,CABG・PCI歴,腎不全,慢性肺疾患など),疾患の重症度(NYHA,EF,病変血管数・部位,狭窄率),acuity(PCI緊急度,心原性ショック,大動脈内バルーンポンプ使用)(Weintraub WS et al: Prediction of long-term mortality after percutaneous coronary intervention in older adults: results from the national cardiovascular data registry. Circulation. 2012; 125: 1501-10.)。 PubMed
  • 米国での非保護左主幹部病変に対するPCI施行率は4.3%(高齢者73%)。主要有害イベントリスクは高齢者で高いが,患者や手技背景とも関連。
    2004~’08年に非保護左主幹部病変(ULMCA;≧50%狭窄)へのPCI施行患者の特徴と院内死亡,長期転帰:ULMCA 13万1,004例のうち,PCIを施行したのは5,627例(4.3%)で,≧65歳が4,085例(72.6%)。PCI施行例は非施行例(CABG,内科治療)にくらべ高齢で,慢性疾患合併例も手技時の臨床的不安定例も多かった。
    院内死亡率は臨床的緊急度と関連し,緊急PCI例のほうが待機的PCI例よりも高く(45.1% vs 2.9%),手技前のlogistic EuroSCORE≧33.5%の患者が<33.5%の患者よりも高かった(26.0% vs 3.2%)。
    PCI施行例のうちメディケアの入院請求との照合ができた高齢者(≧65歳)2,765例(69%)における30か月後の主要有害イベント発生率は,57.9%(死亡42.7%,MI 8.2%,再血行再建術17.5%)。30か月死亡率はDES例でBMS例よりも低かった(調整後ハザード比0.84, 95%信頼区間0.73~0.96)が,主要有害イベントに差はなかった(0.95, 0.84~1.06)(Brennan JM et al: Characteristics and long-term outcomes of percutaneous revascularization of unprotected left main coronary artery stenosis in the United States a report from the national cardiovascular data registry, 2004 to 2008. J Am Coll Cardiol. 2012; 59: 648-54.)。 PubMed
  • 65歳以上におけるDESのBMSを上回る安全性,有効性に腎機能は関連しない。
    2004~2007年にステントを植え込んだ65歳以上・283,593例:慢性腎臓病(CKD:GFR<60mL/分/1.73m²)例は42.8%。長期透析例の30か月後の死亡率は52.0%。
    腎機能正常例において,DESはBMSより30か月後の再血行再建術(ハザード比0.91;0.86~0.95),心筋梗塞(MI:0.77;0.71~0.83),死亡(0.73;0.69~0.77)を有意に抑制し,出血率には有意差はなかった(0.89;0.79~1.00)。重症度を問わず全CKD例でもDESはBMSよりもMI(長期透析例を除く),死亡を有意に抑制したが,再血行再建術は抑制せず,出血リスクの増大はみられなかった(Tsai TT et al: Safety and Efficacy of Drug-Eluting Stents in Older Patients With Chronic Kidney Disease A Report From the Linked CathPCI Registry-CMS Claims Database. J Am Coll Cardiol. 2011; 58: 1859-69.)。 PubMed
  • 65歳以上の待機的PCI例で施行当日の退院による死亡,再入院リスク増大はみられず。
    2004年11月~2008年12月に待機的PCIを施行した65歳以上10万7,018例での結果:PCI施行日の退院率は1,339例(1.25%;95%信頼区間1.19~1.32%)で施設による差が大きかった。当日退院例は手技時間が短く,多枝介入が少なかった。
    2日後の死亡,再入院は当日退院群0.37%(0.16~0.87%) vs 翌日退院群0.50%(0.46~0.54%),30日後は9.63%(8.17~11.33%)vs 9.70%(9.52~9.88%);p=0.94。
    有害事象発生までの時間も両群間差はなかった:13日 vs 14日。
    患者・手技背景で調整後も,当日退院と30日後の死亡,再入院リスクとに有意な関連は認められなかった(オッズ比0.95;0.78~1.16)(Rao SV et al: Prevalence and outcomes of same-day discharge after elective percutaneous coronary intervention among older patients. JAMA. 2011; 306: 1461-7.)。 PubMed
  • ACSに対する緊急PCIの98.6%が「適切」だが,その他の施行例の12%は「不適切」。
    2009年7月1日~’10年9月30日に登録されたPCI施行例(50万154例)において,PCIの適切性を評価した結果:acute PCI群(ST上昇型/非ST上昇型MI,高リスク不安定狭心症によるPCI施行例)は35万5,417例(71.1%;平均63.9歳,男性67.0%),非 acute PCI群(その他によるPCI施行例)は14万4,737例(28.9%;65.3歳,66.8%)。acute PCI群では98.6%が「適切(PCIにより患者の状態が改善)」と判定され,「不明(エビデンス不十分)」は0.3%,「不適切(PCIにより状態が改善する可能性は低い)」は1.1%。これに対し,非acute PCI群では「適切」50.4%,「不明」38.0%,「不適切」11.6%で,「不適切」に多かったのは,狭心症の症状がないもの(53.8%),非侵襲的負荷試験の結果が低リスク虚血(71.6%),抗狭心症薬の処方不十分(≦1剤)(95.8%)であった。また,「不適切」PCIの割合の施設間差はacute PCI群で小さく(施設の「不適切」PCI施行率の中央値0.7%,四分位範囲0~1.5%),非acute PCI群で大きかった(10.8%, 6.0~16.7%)(Chan PS et al: Appropriateness of percutaneous coronary intervention. JAMA. 2011; 306: 53-61.)。 PubMed
  • PCI施行の安定狭心症患者における至適薬物治療の実施率は,COURAGE試験の発表(2007年)後も大きな変化なし。
    COURAGE試験では,安定冠動脈疾患患者において至適薬物治療へのPCI追加による臨床転帰改善効果は認められなかった。この結果発表をうけて実地臨床での至適薬物治療の実施率が変化したかどうかを,CathPCIデータを用いて調査した。
    2005年9月1日~2009年6月30日の登録例のうち,待機的PCI施行例,心原性ショック,EF≦30%の患者などを除いた46万7,211例において,COURAGE試験の結果発表(2007年3月26日)前後のPCI前,退院後の至適薬物治療実施率を調査した結果:COURAGE試験発表前の登録例は17万3,416例(37.1%),発表後は29万3,795例(62.9%)。至適薬物治療実施例は,PCI前:20万6,569例(44.2%;95%信頼区間44.1~44.4%),PCI後退院時:30万3,864例(65.0%;64.9~65.2%)(p<0.001)。PCI前の至適薬物治療率は,COURAGE試験発表前75,381例(43.5%;43.2~43.7%)→発表後131,188例(44.7%;44.5~44.8%)に増加(p<0.001),退院時も63.5%(63.3~63.7%)→66.0%(65.8~66.1%)に増加したが(p<0.001),いずれも大きな変化ではなかった(Borden WB et al: Patterns and intensity of medical therapy in patients undergoing percutaneous coronary intervention. JAMA. 2011; 305: 1882-9.)。 PubMed
  • 止血デバイス,抗トロンビン薬bivalirudinの併用によりPCI後の出血率が有意に低下。出血高リスク例で併用の有効性が大きいにもかかわらず,実施率は低い。
    2008年9月30日まで955施設でのPCI施行例152万2,935例(出血高[>3%]リスク;20% ,中[1~3%]リスク;49%,低[<1%]リスク;31%)での結果:周術期の出血発生は3万654例(高リスク例4.69%,中リスク例1.73%,低リスク例0.72%)で,止血予防策は用手圧迫35%,止血デバイス24%,抗トロンビン薬bivalirudin 23%,止血デバイス+bivalirudin併用18%で,出血イベントの発生はそれぞれ,2.8%, 2.1%, 1.6%, 0.9%で止血デバイス+bivalirudin併用群で最も抑制された(p<0.001)。
    高リスク例で,止血デバイス+bivalirudin併用で出血率が有意に低下(2.3% vs 用手圧迫;6.1%,止血デバイス;4.6%,bivalirudin;3.8%, p<0.001)。中リスク,低リスク例でも併用が最も低かった。この関係は調整後も持続した。しかし,併用の適用率は高リスク例で低かった(14.4% vs 低リスク例;21.0%, p<0.001)(Marso SP et al for the national cardiovascular data registry: Association between use of bleeding avoidance strategies and risk of periprocedural bleeding among patients undergoing percutaneous coronary intervention. JAMA. 2010; 303: 2156-64.)。 PubMed
  • PCI後の早期死亡リスク予測能の高いリスクモデルを作成
    NCDR CathPCIデータベースに登録されている2004年1月~’06年3月のPCI施行例18万1,775例のデータを用いて,死亡リスク予測モデルを作成し,その予測能を2つの検証コホート:(1) 1st validation(contemporary cohort:12万1,183例),(2) 2nd validation(prospective cohort:28万5,440例;2006年3月~’07年3月)で確認した。
    PCI後の院内死亡率は1.27%(範囲:待機的PCI例0.65%~ST上昇型心筋梗塞[STEMI]例4.81%)。手技前の臨床変数は院内死亡率と強い関連性を示したが,血管造影変数は予測能が低かった。
    すべての変数を含めたフルモデルと,関連性の強い手技前の8変数(年齢,心原性ショック,うっ血性心不全既往,末梢血管疾患,慢性肺疾患,eGFR,NYHA心機能分類IV度,PCI適応疾患)のみを用いてリスクをスコア化(0~100ポイント)する簡略化モデルは,ともに高い予測能を示した(c-indexそれぞれ0.93, 0.91[1.0=完全予測])。サブグループ評価(STEMI,性別,年齢,糖尿病),およびメディケアデータの院内死亡例およびPCI後30日以内の死亡例をモデルに当てはめた評価でも,両モデルの予測能は維持されていた(Peterson ED et al on behalf of the NCDR Registry participants: Contemporary mortality risk prediction for percutaneous coronary intervention: results from 588,398 procedures in the National Cardiovascular Data Registry. J Am Coll Cardiol. 2010; 55: 1923-32.)。 PubMed
  • 待機的心カテーテル(冠動脈造影)を実施した非冠動脈疾患(CAD)患者の閉塞性CADは1/3をわずかに超える程度。
    2004年1月~’08年4月・663施設。CADのない待機的カテーテル施行例39万7,954例(年齢中央値61歳,男性52.7%,糖尿病26.0%,高血圧69.6%):冠動脈造影の前に低侵襲性検査(安静時ECG,心エコー,CT,負荷試験)を実施したのは83.9%で,負荷試験陽性例は68.6%。
    カテーテル検査による閉塞性CADは14万9,739例(37.6%),うち多枝疾患は53.0%(2枝30.5%;3枝22.5%),非CAD(狭窄率<20%)は39.2%。閉塞性CADは非閉塞性CADに比べ年齢が有意に高く(中央値:66歳 vs 58歳),男性(66.1% vs 44.6%),糖尿病(32.0% vs 22.4%),高血圧(76.4%, 65.5%),脂質異常症(71.8% vs 56.8%)が有意に多かった(全p<0.001)。安定狭心症の症状を有するものは症状のないものに比べ,閉塞性CADが多かった(43.9% vs 31.5%, p<0.001)。
    閉塞性CADの独立した予測因子は男性(オッズ比[OR]2.70;95%信頼区間2.64~2.76),高齢(5歳上昇するごとのOR 1.29;1.28~1.30),1型糖尿病(2.14;2.07~2.21),脂質異常症1.62;1.57~1.67)。負荷試験陽性例は検査非実施例に比べ閉塞性CADがやや多かった(41.0% vs 35.0%:調整OR 1.28;1.19~1.37, p<0.001)(Patel MR et al: Low diagnostic yield of elective coronary angiography. N Engl J Med. 2010; 362: 886-95.)。 PubMed
  • CABGが可能な施設と施行できない施設の比較
    465施設・30万8,161例のうち外科的手術(CABG)のバックアップのない60施設(off-site facility)でPCIを施行した8,736例での検討(CABGが可能な施設;on-site facility 405施設での施行は29万9,425例):on-site群の方が危険因子を多く有する患者の治療率が高く,multiple lesionへのPCIが多く,伏在静脈グラフトの使用が多く,病変リスクの高いケースが多かった。
    全PCI施行例,primary PCI例,non-primary PCI例,緊急CABG不要例において,調整後の全死亡率にon-site群とoff-site群に有意差はなかった:on-site群と比較したオッズ比はPCI施行例0.90;95%信頼区間0.72~1.14,primary PCI例:0.97;0.75~1.25, non-primary PCI例:0.86;0.63~1.16。緊急CABGのリスクがon-site群で上昇した:0.60;0.37~0.98(p=0.042)(Kutcher MA et al on behalf of the national cardiovascular data registry: Percutaneous coronary interventions in facilities without cardiac surgery on site: a report from the national cardiovascular data registry (NCDR). J Am Coll Cardiol. 2009; 54: 16-24.)。 PubMed
  • ST上昇型MIにおいて病院到着後のPCI施行の遅れは死亡リスク増大と関連
    2005~2006年にPCIを施行した4万3,801例での検討:door-to balloon time(病院到着から治療開始までの時間)は83分(中央値)。治療開始までの時間が長くなるにつれ死亡率が上昇した:全体の死亡率は4.6%で,死亡例は生存例に比べ到着から治療開始までの時間が14分遅かった。
    病院到着から30分後に治療開始した例の死亡率は3.0%,60分後3.5%,90分後4.3%,120分後5.6%,150分後7.0%,180分後8.4%(p<0.001)。90分後から60分後に短縮することにより死亡率は0.8%低下,60分後から30分後は0.5%低下(Rathore SS et al for the National Cardiovascular Data Registry: Association of door-to-balloon time and mortality in patients admitted to hospital with ST elevation myocardial infarction: national cohort study. BMJ. 2009; 338: b1807.)。 PubMed

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収載年月2009.08
更新年月2015.06