循環器トライアルデータベース

CAPTIVATE
Carotid Atherosclerosis Progression Trial Investigating Vascular ACAT Inhibition Treatment Effects

目的 ヘテロ接合体家族性高コレステロール血症患者において,強力なacyl-coenzyme A: cholesterol acyltransferase(ACAT)阻害薬pactimibeのアテローム性動脈硬化の進展予防効果と安全性を検討する。
一次エンドポイントは24か月の最大頸動脈内膜-中膜肥厚(CIMT)の変化。
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(米国,カナダ,欧州,南アフリカ,イスラエルの脂質異常症外来40施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は24か月の予定であったが,ACTIVATE試験の結果を受け早めに終了したため,平均追跡期間は15か月。
登録・ランダム化は2004年2月1日~2005年2月28日,試験終了は2005年10月26日。
対象患者 892例。40歳~75歳の男性,45歳~75歳の女性でヘテロ接合体性家族性高コレステロール血症(遺伝子型またはWHO基準による);治療中のLDL-C>100mg/dL,トリグリセライド(TG)<500mg/dL;BモードエコーでCIMT>0.7mm。
除外基準:頸動脈の高度狭窄または閉塞,症候性心不全,3か月以内の心血管イベント発症,治療抵抗性高血圧または糖尿病。
■患者背景:平均年齢(pactimibe群55.5歳,プラセボ群54.7歳),男性(63.4%, 58.9%),BMI (両群とも27.6kg/m²),喫煙中(18.3%, 13.7%);非喫煙(39.7%, 45.2%);喫煙歴(42.0%, 41.1%),血圧(両群とも128/78mmHg),スタチン系薬剤治療期間:<24か月(18.1%, 19.6%);≧24か月(81.9%, 80.4%),登録基準以外の心血管疾患既往(両群とも97%),高血圧(30%, 28%),安定狭心症(19%, 17%),不安定狭心症(5%, 7%),心筋梗塞(13%, 16%),CABG(15%, 16%)。
治療法 食事療法と標準的な脂質異常治療を4週間行った後,pactimibe群(443例):100mg/日,プラセボ群(438例)にランダム化。
スタチン系薬剤治療歴24か月未満と24か月以上に層別化。
Bモード超音波検査をベースライン時と12か月後に実施し,総頸動脈,頸動脈洞,内頸動脈の3つのセグメントで評価した。
結果 24か月追跡の予定であったが,並行して行われたACTIVATE試験がアテローム性動脈硬化進展抑制効果を示せなかったことを受けて試験は早めに終了した。
[試験期間中のスタチン治療]
およそ96%がスタチン系薬剤を投与し,薬剤別ではatorvastatinが最も多く48%,次いでrosuvastatin 22%,simvastatin 21%。
[脂質]
LDL-Cはpactimibe群の方が有意に上昇した:pactimibe群(ベースライン時141→ 6か月後148mg/dL;変化率7.3%)vs プラセボ群(139→ 138mg/dL;1.4%):p=0.001。
総コレステロールもpactimibe群が有意に上昇:219→ 224mg/dL;3.5% vs 219→ 217mg/dL;0.7%:p=0.02。
HDL-C(51→ 51mg/dL;-0.5% vs 52→ 52mg/dL;0.6%:p=0.23),TG(135→ 127mg/dL;2.8% vs 136→ 138mg/dL:6.1%:p=0.18)は両群間に有意差はなかった。
アポリポ蛋白Bはpactimibe群で上昇した(137→ 139mg/dL;3.0% vs 135→ 133mg/dL;-0.1%:p=0.02)が,A-1は低下した(155→ 150mg/dL;-2.6% vs 157→ 155mg/dL;0.1%:p=0.001)。
[頸動脈内膜-中膜肥厚:ベースライン時と40週以上の後に再度エコー検査を実施したのは716例]
一次エンドポイント(12か月後の最大CIMT):pactimibeの有効性は認められなかった。
pactimibe群:ベースライン時0.937→ 12か月後0.955mm;変化0.017mm vs プラセボ群:0.927→ 0.940mm;0.013mm:変化の両群間差0.004mm(p=0.64)。
二次エンドポイント(平均CIMT):pactimibe群の方がプラセボ群よりも有意に増加した。
0.785→ 0.804mm;0.019mm vs 0.775→ 0.781mm;0.005mm:変化の両群間差-0.014mm(p=0.04)。
[心血管イベント,有害事象]
心血管(CV)死,心筋梗塞(MI),脳卒中:pactimibe群10例(2.3%:CV死3例,MI 6例,脳卒中1例)の方がプラセボ群1例(0.2%:CV死1例)よりも有意に多かった(p=0.01)。
CVイベント初発(20例 vs 12例;p=0.20),全CVイベント(28例 vs 15例;p=0.06)もpactimibe群の方が多かった。
臨床と検査所見を含めた有害事象は,pactimibe群363例(80.5%),プラセボ群348例(79.1%)で両群間に有意差はなく(p=0.62),肝機能異常もpactimibe群7例(1.6%),プラセボ群3例(0.7%)で両群間差はなかった(p=0.34)。重篤な有害イベントはpactimibe群の方が多かった(10% vs 7.7%,p=0.24)。
★結論★ヘテロ接合体家族性高コレステロール血症の患者においてpactimibeは最大CIMTの変化で評価した抗動脈硬化効果は認められず,平均CIMT,主要心血管イベントが増加した。
Clinicaltrials.gov No:NCT00151788
文献
  • [main]
  • Meuwese MC et al for the CAPTIVATE investigators: ACAT inhibition and progression of carotid atherosclerosis in patients with familial hypercholesterolemia: the CAPTIVATE randomized trial. JAMA. 2009; 301: 1131-9. PubMed

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収載年月2009.06