循環器トライアルデータベース

ANDROMEDA
Antiarrhythmic Trial with Dronedarone in Moderate to Severe CHF Evaluating Morbidity Decrease

目的 心不全患者において,amiodaroneと電気生理学的特徴は類似しているがヨウ素を含まない新規III群抗不整脈薬dronedaroneの有効性を検討する。
一次エンドポイントは全死亡,心不全悪化による入院。
コメント amiodaroneは心不全例の予後を悪化しないが,amiodaroneの副作用を軽減させる目的で作られたdronedaroneは心不全例の予後を悪化してしまった。ただし,dronedaroneが心房細動の再発予防に有効であることはATHENA研究で示されている。(井上
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(デンマーク,スウェーデン,ノルウェイ,ポーランド,オランダ,ハンガリーの72施設)。
期間 2002年6月12日開始。治療期間は12か月以上,追跡期間は2年を予定していたが,dronedarone群における死亡の増加により2003年1月16日試験は中止(試験薬中止後6か月以上追跡)。
対象患者 627例。18歳以上;新規の心不全/心不全の悪化により入院し,入院前1か月以内に発作性夜間呼吸困難/最小の労作または安静時の息切れ(NYHA III~IV度)のエピソードを有するもの。壁運動指数(WMI)<1.2(EF≦0.35に相当)。
除外基準:7日以内の急性心筋梗塞,心拍数<50拍/分,PR間隔>0.28秒,ペースメーカー未治療の2~3度の房室ブロック/洞房ブロック,torsades de pointesの既往,QTc間隔>500msec,血清カリウム値<3.5mmol/L,I群またはIII群抗不整脈薬/torsades de pointes誘発が知られている薬剤/CYP3A4阻害性の薬剤の使用,その他の重篤な疾患など
■患者背景:年齢中央値(dronedarone群71歳,プラセボ群72歳),男性(74.2%, 76.3%),NYHA III度(55.8%, 57.7%),既往:心筋梗塞既往(53.9%, 49.8%);虚血性心疾患(66.5%, 63.4%);糖尿病(23.5%, 19.6%);高血圧(39.7%, 33.8%);拡張型心筋症(25.5%, 32.5%);心房細動・粗動(36.8%, 39.7%),ランダム化時の心房細動(23.2%, 26.8%),WMI(中央値:両群とも0.9),ACE阻害薬/AII受容体拮抗薬(88.4%, 84.2%),β遮断薬(61.9%, 60.6%),spironolactone(42.3%, 39.1%),spironolactone以外の利尿薬(92.9%, 95.3%),digitalis(31.0%, 31.9%),抗凝固薬(29.7%, 32.2%)。
治療法 入院後7日以内にdronedarone群(310例):400mg×2回/日,プラセボ群(317例)にランダム化。
結果 dronedarone群での死亡の増加による安全上の理由から,データ・安全性モニタリング委員会の勧告により試験は予定より早く中止された。
追跡期間2か月(中央値:試験期間中)の全死亡は,dronedarone群(25例[8.1%])の方がプラセボ群(12例[3.8%])に比べ有意に増加した:ハザード比(HR)2.13;95%信頼区間1.07~4.25(p=0.03)。これは主に心不全の悪化による死亡による:10例(3.2%)vs 2例(0.6%)。
さらに6か月の追跡後の全死亡はdronedarone群42例(13.5%)vs プラセボ群39例(12.3%)であった:HR 1.13;0.73~1.74(p=0.60)。
一次エンドポイントは,試験期間中がdronedarone群53例(17.1%)vs プラセボ群40例(12.6%):HR 1.38;0.92~2.09(p=0.12),さらに6か月後は74例(23.9%)vs 72例(22.7%):HR 1.09;0.79~1.51(p=0.60)であった。
重篤な有害事象のうち両群間に有意差がみられたものは,dronedarone群の血清クレアチニン値の上昇であった(8例vs 0例,p=0.01)。
★結論★重症心不全および左室収縮機能不全を有する患者において,dronedaroneによる治療は心不全の悪化による早期の死亡率上昇と関連した。
ClinicalTrials. gov No: NCT00543699
文献
  • [main]
  • Køber L et al for the dronedarone study group: Increased mortality after dronedarone therapy for severe heart failure. N Engl J Med. 2008; 358: 2678-87. PubMed

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収載年月2008.10