循環器トライアルデータベース

CALM
Candesartan and Lisinopril Microalbuminuria

目的 高血圧を合併した微量アルブミン尿が認められる2型糖尿病患者において,ARB candesartanとACE阻害薬lisinopril,および併用療法の有効性を比較する。
一次エンドポイントは血圧,尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)。
コメント ARBとACE阻害薬の有用性を比較するには期間も短く,症例数も少なすぎる。また両薬剤の併用の意義についても同様である。(桑島
デザイン 無作為割付け,二重盲検,多施設(4か国37施設[オーストラリア12施設,デンマーク9施設,フィンランド4施設,イスラエル12施設]:三次医療病院およびプライマリーケア施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は24週間。
対象患者 99例。30~75歳。2週間後,4週間後のrun-in期間にUACRが2.5~25 mg/mmol,拡張期血圧(DBP)が90~110mmHgの2型糖尿病。
除外基準:BMI≧40kg/m²,収縮期血圧>200mmHg,非糖尿病による二次性高血圧,6か月以内の心血管イベント,クレアチニン:女性≧130×6d mol/L;男性≧150×6d mol/L,カリウム>5.5mmol/L,HbA1c>10%など。
■12週間後まで(candesartan群,lisinopril群)の患者背景
平均年齢(candesartan群59.7歳,lisinopril群60.0歳),男性(66例/99例,62例/98例),BMI(30.7kg/m², 29.8kg/m²),高血圧罹病期間(8.3年,9.0年),糖尿病罹病期間(9.8年,8.4年),血圧(162.7/96.0mmHg, 162.6/95.7mmHg),UACR(5.9mg/mmol, 6.6mg/mmol),クレアチニン(85.8μmol/L, 85.0μmol/L),クレアチニンクリアランス(103.1mL/分,96.0mL/分),HbA1c(両群とも7.6%),ACE遺伝子タイプ(DDタイプ28例/IDタイプ45例/IIタイプ14例/不明12例,32例/41例/20例/5例)。
治療:hydrochlorothiazide 12.5mg/日(18例,27例),経口糖尿病治療薬:約80%,インスリン:20%。
■12~24週間後まで(candesartan群,lisinopril群,candesartan+lisinopril併用群)の患者背景
平均年齢(candesartan群59.7歳,lisinopril群59.9歳,candesartan+lisinopril併用群59.8歳),男性(48例/66例,43例/64例,37例/67例),BMI(31.0kg/m², 29.6kg/m², 30.2kg/m²),高血圧罹病期間(8.3年,7.9年,9.7年),糖尿病罹病期間(10.0年,8.3年,9.1年),血圧(163.3/96.6mmHg, 163.0/96.2mmHg, 161.7/94.8mmHg),UACR(7.2mg/mmol, 5.9mg/mmol, 5.6mg/mmol),クレアチニン(88.3μmol/L, 85.6μmol/L, 82.4μmol/L),クレアチニンクリアランス(103.5mL/分,96.8mL/分,98.4mL/分),HbA1c(7.5%, 7.6%, 7.6%),ACE遺伝子タイプ(DDタイプ18例/IDタイプ32例/IIタイプ8例/不明8例,21例/27例/12例/4例,21例/27例/14例/5例)。治療:hydrochlorothiazide 12.5mg/日(7例,6例,6例)。
治療法 4週間のプラセボによるrun-in後,次のようにランダム化。
candesartan群(99例):16mg/日,lisinopril群(98例):20mg/日を12週間投与する。
12週間後にDBPが<80mmHgに降圧できない場合,candesartan単独投与群(66例),lisinopril単独投与群(64例),candesartan+lisinopril併用投与群(67例)にランダム化し,12週間投与する。
結果 降圧,UACRの変化(施設,治療,ベースライン時の値,体重,DBPの変化で調整後の平均低下)
[試験開始から12週間後]
座位DBP:candesartan群-9.5mmHg(p<0.001),lisinopril群-9.7mmHg(p<0.001);両群間差0.2mmHg(p>0.20)。
座位収縮期血圧(SBP):-12.4mmHg(p<0.001), -15.7mmHg(p<0.001);3.3mmHg(p=0.18)。
UACR:-30%(p<0.001), -46%(p<0.001);相対低下30%(p=0.058)。
[24週間後]
座位DBP:candesartan群-10.4mmHg(p<0.001), lisinopril群-10.7mmHg(p<0.001), candesartan+lisinopril併用群-16.3mmHg;併用 vs candesartan群:5.9mmHg(p=0.003), 併用 vs lisinopril群:5.6mmHg(p=0.005)。
座位SBP:-14.1mmHg(p<0.001), -16.7mmHg(p<0.001), -25.3mmHg(p<0.001);11.2mmHg(p=0.002), 8.6mmHg(p=0.02)。
UACR:-24%(p=0.05), -39%(p<0.001), -50%(p<0.001);併用群 vs candesartan群の相対低下34%(p=0.04), 併用群 vs lisinopril群群の相対低下18%(p>0.20)。
全治療群の忍容性は良好であった。最も多くみられた有害イベントは呼吸器感染,咳,頭痛で10%未満の患者でみられた。有害イベントにより治療を中止したのは14例。
HbA1cなどその他の検査値に明瞭な変化はみられず,併用群でクレアチニン,尿素,カリウム,尿酸がやや上昇したが,臨床上の意義は明らかではない。クレアチニンクリアランスの有意な変化はなく,lisinopril群,併用群でやや低下した。
★結論★高血圧で微量アルブミン尿が認められる2型糖尿病患者において,candesartanの降圧,微量アルブミン抑制効果はlisinoprilと同様である。candesartanとlisinoprilの併用投与の忍容性は良好で,降圧度は単独投与より大きい。
文献
  • [main]
  • Mogensen CE et al for the CALM study group: Randomised controlled trial of dual blockade of renin-angiotensin system in patients with hypertension, microalbuminuria, and non-insulin dependent diabetes: the candesartan and lisinopril microalbuminuria (CALM) study. BMJ. 2000; 32: 1440-4. PubMed

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収載年月2008.09