循環器トライアルデータベース

AMADEO
Telmisartan vs Losartan in Hypertensive Type-2 Diabetic Patients with Overt Nephropathy

目的 高血圧を合併した顕性腎症を有する2型糖尿病患者において,脂溶性が高く血中半減期の長いtelmisartanと脂溶性が低く半減期の短いlosartanの腎保護効果を比較する。
一次エンドポイントは52週後の尿中アルブミン-クレアチニン比(UPC)の低下。
デザイン 無作為割付け,二重盲検,多施設(アルゼンチン,オーストラリア,ブラジル,カナダ,メキシコ,ニュージーランド,韓国,台湾,タイ,米国の124施設)。
期間 平均追跡期間は324.25日。
対象患者 860例。21~80歳;2型糖尿病歴;総ヘモグロビンA1c≦10%;クレアチニン(女性≦3mg/dL,男性≦3.2mg/dL);早朝第一尿スポットUPC≧700mg/g creatinine;血圧が>130/80mmHgあるいは降圧薬投与例。
除外基準:washout期間中にクレアチニンが>35%上昇したもの,あるいはカリウム>5mEq/L;非糖尿病性腎疾患;臨床的に重大な心疾患,脳卒中,腎動脈狭窄,肝機能障害,電解質異常など。
■患者背景:平均年齢(telmisartan群60.0歳;<65歳は66.8%,losartan群60.5歳;62.1%),男性(61.1%, 63.3%),白人(44.9%, 49.2%),アジア人(41.1%, 40.8%),BMI(30.1kg/m², 29.9kg/m²),罹病期間:高血圧(9.0年,9.6年);糖尿病(14.6年,14.1年);糖尿病性腎症(2.5年,2.3年),血圧(143.7/79.9mmHg, 143.2/79.5mmHg),クレアチニン(1.54mg/dL, 1.55mg/dL),推算糸球体濾過量(eGFR)(49.5mL/分/1.73m², 49.6mL/分/1.73m²),アルドステロン(7.6ng/dL, 7.1ng/dL),CRP(2.2mg/L, 2.4mg/L),ヘモグロビンA1c(両群とも7.9%)。
治療法 4週間のプラセボによるwashoutの期間に,ARB,ACE阻害薬の投与を中止。
telmisartan群(419例):最初の2週間は40mg/日投与し,残り50週間は80mg/日投与,losartan群(441例):50mg/日を2週間投与し,100mg/日に増量。
目標血圧(<130/80mmHg)達成のため,試験薬以外のARB,ACE阻害薬,直接血管拡張薬を除く降圧薬の併用投与は可。
いずれの時点でも血圧≧160/110mmHg例は試験参加は不可とした。
結果 試験終了例は80%で,telmisartan群345例,losartan群342例。
[降圧薬使用状況]
washout時にACE阻害薬投与例(telmisartan群47.3%,losartan群43.8%),ARB投与例(20.5%, 23.8%)は投与を中止した。
試験期間中も投与を継続された降圧薬はCa拮抗薬71.5%(ジヒドロピリジン系が80%以上),サイアザイド系利尿薬64.7%,β遮断薬47.0%。その他の継続投与薬は,経口糖尿病薬66.0%,スタチン系薬剤56.9%,インスリン47.3%。
試験期間中に試験薬のみを投与していた例に追加投与されたのは,ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬76.4%,利尿薬74.2%,β遮断薬53.5%,経口糖尿病薬70.5%,スタチン系薬剤64.5%,インスリン54.3%。
[血圧]
拡張期血圧はtelmisartan群-3.3mmHg, losartan群-2.9mmHgと両群とも有意に降圧したが,両群間差はみられなかった(p=0.61)。収縮期血圧も良好に降圧したが,56日後の時点でtelmisartan群の方がlosartan群より4.2mmHg降圧し良好な傾向がみられた(p=0.06)。
[一次エンドポイント]
telmisartan群で-29.8%(p<0.0001), losartan群で-21.4%(p<0.0001)で両群とも有意に低下したが,低下度はtelmisartan群の方が大きかった(p=0.03)。
[二次エンドポイント,安全性]
・尿中アルブミン/クレアチニン比の相乗平均:telmisartan群(ベースライン時1426.1mg/g creatinine→終了時952.5mg/g creatinine:-35.5%, p<0.0001),losartan群(1390.5mg/g creatinine→ 1054.9mg/g creatinine:-27.0%, p<0.0001)で,telmisartan群の方が低下率は大きかった(p=0.04)。
・クレアチニン:telmisartan群+15% vs losartan群+15%(p=0.8950)。
・eGFR:-6.49mL/分/1.73m² vs -6.50L/分/1.73m²(p=0.9913)。
・アルドステロン:-23% vs -17%(p=0.0746)。
・CRP:-6% vs +1%(p=0.2777)。
・試験薬関連の有害イベントによる治療中止例は各群6例,死亡例は全体で25例であったがいずれも試験薬によるものではなかった。有害イベントはtelmisartan群84%,losartan群82.1%,うち重篤なイベントは15.5%, 22.4%。低カリウム血症はほとんどなく,カリウム>5.5mEq/Lは1.8%であった。
★結論★高血圧を合併する2型糖尿病性腎症において,telmisartanとlosartanは同様に降圧するが,尿蛋白減少効果はtelmisartanの方が大きい。
ClinicalTrials.gov No: NCT00168857
文献
  • [main]
  • Bakris G et al on behalf of the AMADEO study investigators: Telmisartan is more effective than losartan in reducing proteinuria in patients with diabetic nephropathy. Kidney Int. 2008; 74: 364-9. PubMed

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収載年月2008.09