循環器トライアルデータベース

ALPHA
T-Wave Alternans in Patients With Heart Failure

目的 非虚血性心不全患者において,T波交互脈(TWA)検査の予後予測能を評価する。
一次エンドポイントは心臓死+致死性不整脈。
コメント 非虚血性心不全例の予後予測にTWAが有用であることが示されたが,本試験法の有用性に関する無作為化比較試験がないことが問題点として残されている。(井上
デザイン 観察研究,多施設(イタリアの9施設)。
期間 追跡期間は19か月(中央値)。登録期間は2001年6月~2004年7月。
対象 446例。19歳~79歳。非虚血性心筋症を有しNYHA II~III度でEF≦40%。
除外基準:虚血性心筋症,スクリーニング時の心房細動/粗動,EF>40%,NYHA I度またはIV度,ペースメーカーまたはICD植込み例,心停止既往など。
■患者背景:平均年齢(TWA異常群59.9歳,TWA正常群57.4歳),男性(78.4%, 77.9%),心不全罹病期間(4.2年,3.5年),NYHA III度(19.2%, 11.7%),高血圧(35.8%, 43.1%),ACE阻害薬(88.4%, 79.9%),β遮断薬(79.4%, 81.2%),digitalis(42.1%, 29.2%),利尿薬(90.1%, 85.1%)。
調査方法 β遮断薬,利尿薬,ACE阻害薬などを含め通常通りの薬物治療中に,運動負荷試験(自転車,トレッドミル)によりTWAを検出した。TWA検査はCH2000もしくはHeartwaveシステムを用いた。結果が陰性のものは正常,陽性もしくは確定できなかったものは異常と判断した。
結果 TWA異常例は65%(292例:陽性200例+非確定92例)で,正常例は35%(陰性154例)であった。
TWA異常例のほうが正常例に比べて高齢でNYHA III度が多く,EFは低かった(29% vs 31%)。
一次エンドポイントはTWA異常群6.5%,正常群1.6%で異常群の方が有意に多かった(調整前ハザード比[HR]は4.0;95%信頼区間[CI]1.4~11.4, p=0.002)。危険因子(年齢,性別,NYHA心機能分類,EF)で調整後のHRは3.2(95%CI 1.1~9.2, p=0.013)で,またdigoxin,ACE阻害薬,アルドステロン受容体拮抗薬,β遮断薬で調節したHRは4.2(95%CI1.5~12.2, p=0.0018)であった。
TWA正常群における18か月後の一次エンドポイント発症陰性適中率は97.3%と高かった。
総死亡はTWA異常群(25例)のほうがTWA正常群(3例)よりも有意に多く(HR4.60: 1.39~15.25, p=0.002),不整脈死+生命に関わる不整脈はHR 5.5(1.29~23.65, p=0.004)。
★結論★非虚血性心筋症を有するNYHA II~III度の患者において,TWA検査の異常例の心臓死+致死性不整脈のリスクは正常例の4倍である。TWA検査で正常と診断された症例の予後は良好で,ICD治療のメリットはほとんどないと思われる。
文献
  • [main]
  • Salerno-Uriarte JA et al for the ALPHA study group investigators: Prognostic value of T-wave alternans in patients with heart failure due to nonischemic cardiomyopathy: results of the ALPHA study. J Am Coll Cardiol. 2007; 50: 1896-904. PubMed

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収載年月2008.04