循環器トライアルデータベース

ARMYDA-3
Atorvastatin for Reduction of Myocardial Dysrhythmia After Cardiac Surgery

目的 HMG-CoA reductase阻害薬atorvastatinの待機的心臓手術後の心房細動(AF)抑制効果を検討する。
一次エンドポイントは術後のAF発生率。
コメント アトルバスタチンが心房細動(AF)の発症を低下させるかという試験の目的は興味深い。これまで観察研究でスタチン系薬剤のAF予防効果が報告されてきた。今回初めて,ランダム化比較試験でアトルバスタチンが待機的心臓手術後のAF発症を減少させることが示された。症例数は両群合わせて200症例と小規模で,アトルバスタチン40mgと高用量,待機的心臓手術患者という特殊な状況下でのエビデンスであることは指摘されるべきである。スタチン系薬剤によるAF予防が今後どの程度まで治療選択として適応範囲を広げられるか,また用量に伴う安全性はどうかに関心がもたれる。(中村中野永井
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,単施設(イタリアの大学病院)。
期間 追跡期間は30日。手術実施期間は2003年3月~2005年10月。
対象患者 200例。心肺バイパス術(CPB)を実施する心臓手術予定患者。
除外基準:緊急心臓術;心房細動既往;スタチン系薬剤治療歴または治療中;肝酵素(AST, ALT)の上昇;腎不全(クレアチニン値>3 mg/dL); 肝または筋疾患既往:ステロイド系または非ステロイド系抗炎症薬を必要とする炎症性疾患。
■患者背景:平均年齢(atorvastatin群65.5歳,プラセボ群67.3歳),男性(79%,68%),糖尿病(32%,42%),全身性高血圧(90%,83%),心筋梗塞(MI)既往(47% ,38%),慢性閉塞性肺疾患(28%,36%)。
治療法 atorvastatin群(101例):40mg/日を術前7日から投与,プラセボ群。
退院までatorvastatin 40 mg/日またはプラセボを投与し,退院後はオープンラベルで全例にatorvastatin 40 mg/日を無期限に投与。
退院まで毎日12誘導心電図を実施し,CRP値は全例で術前,術後から退院まで24時間ごとに測定。
結果 一次エンドポイントはatorvastatin群35%,プラセボ群57%とatorvastatin群で有意に抑制された(p=0.003)。
入院期間はプラセボ群と比べてatorvastatin群で有意に短縮された(6.3日 vs 6.9日,p=0.001)。CRP値はAF非発症患者で,より低く(p=0.01),AF発症患者のCRP値は両群とも術後が最高値であった(atorvastatin群186 mg/L,プラセボ群187mg/L)。
多変量解析の結果,atorvastatin群では術後AFのリスクが61%低下したが(オッズ比[OR] 0.39;95%信頼区間 [CI] 0.18~0.85,p=0.017),術後CRPが高値(>166mg/L;中央値)の症例ではリスクは上昇した(OR 2.0;95% CI 1.2~7.0,p=0.01)。
30日後の主要な有害心血管イベントは両群で同様であり,死亡は4例(各群それぞれ2例,MIは両群ともに3例(3%)であった。
★結論★CPB実施の待機的心臓手術7日前からのatorvastatin投与は術後AFを有意に抑制し,入院期間を短縮した。
文献
  • [main]
  • Patti G et al: Randomized trial of atorvastatin for reduction of postoperative atrial fibrillation in patients undergoing cardiac surgery: results of the ARMYDA-3 (atorvastatin for reduction of myocardial dysrhythmia after cardiac surgery) study. Circulation. 2006; 114: 1455-61. PubMed

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収載年月2007.05