循環器トライアルデータベース

LADIP
Loire-Ardeche-Drome-Isere-Puy-de-Dome

目的 (1)症候性心房粗動(AFL)患者において,1回の発作後の第一次治療としての高周波カテーテルアブレーション(RFA)と,電気的除細動+amiodaroneとを比較する。
(2)続発する心房細動(AF)の長期リスクを検討する。
一次エンドポイントはECG上のAFL再発までの時間。
コメント 典型的な心房粗動は高率にアブレーションで根治可能であり,amiodaroneなどの抗不整脈薬を試みる必要性は乏しい。(井上
デザイン 無作為割付け,intention-to-treat解析。
期間 平均追跡期間は13か月。登録期間は2002年10月~'06年2月。
対象患者 104例。70歳以上;抗不整脈治療歴がなく症候性AFLの初発が確認されたもの;ECG上の典型的なAFL;エントレインメントにより確認された不整脈の興奮旋回路の峡部;インフォームド・コンセントを獲得したもの。
除外基準:amiodaroneの禁忌;AFL再発;カテーテル不能,1:1伝導AFLなどの忍容性不良なAFL,抗凝固薬の禁忌,NYHA心機能分類IV度の心不全,amiodarone治療既往,脚ブロックがなく修正QTc>480msあるいはQT>500msなど。
■患者背景:平均年齢(RFA群78.5歳,電気的除細動+amiodarone群78歳),女性(21%,17.6%),心疾患(58%,65%),高血圧(69%,67%),糖尿病(19%,21.6%),高コレステロール血症(29%,37%),喫煙(42.3%,49%),AF既往(27%,21.6%),EF(56%,54%),aspirin治療(48%,27.5%;p=0.04),経口抗凝固薬治療(52%,72.5%)。
治療法 手技の72時間以上前より抗凝固薬投与,または経胸壁心エコーにより心房内血栓を除外後,RFA群(52例),電気的除細動+amiodarone群(52例)にランダム化。
電気的除細動+amiodarone群では右房峡部を確認後,バーストペーシングにより洞調律を回復(もし回復しなかった場合は電気的除細動)。洞調律回復の7日以上前よりamiodarone を400mg/日で投与を開始し4週間,以後200mg/日。除細動の72時間以上前から4週後までacenocoumarol(INR 2~3)を投与(75歳未満で心疾患/脳卒中の危険因子のないAFL患者で1か月後に洞調律であった場合は,抗凝固薬をaspirin 80~300mg/日に変更可能)。
結果 AFL再発はRFA群2例(3.8%) vs 電気的除細動+amiodarone群15例(29.5%)で,RFA群で有意に抑制された(p<0.0001)。10分を超える臨床上意義のある症候性/非症候性AFは25% vs 18%(p=0.3),1年間に症候性AFは両群とも8%,10分未満の非症候性AFおよびイベントレコーダにより確認されたAFを含むすべてのAFは29% vs 20%(p=0.4)と両群間に有意差はなかった。初回のAFL発作後のAF発症の有意な予測因子は,AFの既往のみであった(p=0.0034)。
死亡はRFA群6例(11%)vs 電気的除細動+amiodarone群8例(16%)で(p=0.7),重大な合併症は0例 vs 5例(10%)で,内訳は甲状腺機能低下症2例,甲状腺機能亢進症1例,症候性洞不全症候群2例であった(p=0.03)。
★結論★RFAは長期的な成功率が良好であり,AF発症のリスクは電気的除細動+amiodarone治療と同等で,合併症は少ないことより,症候性AFL初回の発作後の第一選択治療として考慮すべきである。
文献
  • [main]
  • Da Costa A et al for the Loire-Ardeche-Drome-Isere-Puy-de-Dome (LADIP) trial of atrial flutter investigators. Results from the Loire-Ardeche-Drome-Isere-Puy-de-Dome (LADIP) trial on atrial flutter, a multicentric prospective randomized study comparing amiodarone and radiofrequency ablation after the first episode of symptomatic atrial flutter. Circulation. 2006; 114: 1676-81. PubMed

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収載年月2007.04