循環器トライアルデータベース

ASTAMI
Autologous Stem-Cell Transplantation in Acute Myocardial Infarction

目的 PCIを施行したST上昇型心筋梗塞患者において,自家骨髄細胞(BMC)の冠動脈内注入による左室機能改善効果を検討する。
エンドポイントはEF,拡張終末期容積,梗塞サイズ。
コメント 今回投与した骨髄細胞のポピュレーションには,特別な分画を用いていない(unfractionated)。著者らは急性心筋梗塞の治療に特別な分画の骨髄細胞を用いるのが良いのかは,まだ不明であるとしている。そのうえで,骨髄細胞の調整や細胞数に工夫が必要であるという可能性は残されているとしている。(中村中野永井
デザイン 無作為割付け,2施設(オスロの大学病院),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は6か月。
対象患者 100例。40~75歳;ST上昇型急性前壁心筋梗塞;発症から2~12時間後に第2対角枝の近位左前下行枝の未治療病変にステントを植込んだ症例。
2003年9月11日~2005年5月4日に入院していた症例;心エコー上の3つ以上の左室のセグメントでの壁運動低下;クレアチンキナーゼMB値が標準値の3倍以上。
除外基準:Q波梗塞の既往;心原性ショック;プロトコールを守れないような重症合併症例。
治療法 BMC群(50例):単核球BMC(PCI施行の4~7日後に腸骨稜から採取。50mLをheparin 10,000IUにけん濁)を冠動脈内に注入,対照群(50例)。
左室機能の評価はベースライン時の心電図同期単光子放射型コンピュータ断層撮影(single-photon-emission computed tomography: SPECT),心エコー,梗塞から2~3週間後の磁気共鳴画像法(magnetic resonance imaging: MRI)で行い,梗塞から6か月後に再評価した。
結果 BMC群で冠動脈内注入を実施したのは47例で,梗塞後6日(中央値)であった。
SPECTによるEFのベースライン時から6か月後の差は全例で7.6%ポイント上昇,BMC群は0.6%ポイント上昇(95%信頼区間[CI]-3.4~4.6,p=0.77),心エコーで0.6%ポイント上昇(95%CI -2.6~3.8,p=0.70),MRIで3.0%ポイント低下した(95%CI 0.1~-6.1,p=0.054)。
左室拡張末期容積,梗塞サイズ,有害イベントにおいて両群間に有意差はなかった。
★結論★自家骨髄単核球の冠動脈内注入による左室機能全般の改善効果は認められなかった。
文献
  • [main]
  • Lunde K et al: Intracoronary injection of mononuclear bone marrow cells in acute myocardial infarction. N Engl J Med. 2006; 355: 1199-209. PubMed

▲pagetop
EBM 「循環器トライアルデータベース®」
ライフサイエンス出版
ご不明の点はお問い合わせください
収載年月2006.12