循環器トライアルデータベース

PROactive
PROspective pioglitAzone Clinical Trial In macroVascular Events

目的 高リスクの2型糖尿病患者において,インスリン抵抗性改善薬pioglitazoneによる大血管合併症の二次予防効果および死亡の抑制効果を検討。
一次エンドポイントは,全死亡,非致死的心筋梗塞(MI:無症候性MIも含む),脳卒中,急性冠症候群(ACS),冠動脈または下肢動脈における血管内または外科的インターベンション,足首より上の下肢切断の複合エンドポイント初発までの時間。
コメント 2型糖尿病の合併症として大血管イベントが注目されている。しかし,SU剤等の治療では細小血管症は予防できても大血管イベントについては十分な効果が示せないことが問題であった。そこで,インスリン抵抗性を背景とした2型糖尿病において,インスリン抵抗性改善薬であるピオグリタゾン(PIO)の効果が期待されていた。本試験で一次エンドポイントに有効性は示せてはいないが,各種エンドポイントならびに二次エンドポイントに有効性を示したことは,インスリン抵抗性が2型糖尿病の大血管イベントの要因になっていることを示唆するものである。(寺本
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,多施設(欧州19か国321施設),intention-to-treat解析。
期間 平均追跡期間は34.5か月。登録期間は2001年5月~2002年4月。最終追跡は2004年11月~2005年1月。
対象患者 5238例。35~75歳。食事療法のみ,あるいは食事療法+血糖降下薬投与(インスリン投与は問わない)にもかかわらず,HbA1c値が>6.5%のもの。試験参加の6か月以上前のMIまたは脳卒中,登録の6か月以上前のPCIまたはCABG,3か月以上前のACS,冠動脈疾患または下肢の閉塞性血管疾患。
除外基準:1型糖尿病;インスリン治療のみを実施しているもの;冠動脈あるいは末梢血管の血行再建術の予定;NYHA心機能II以上の心不全など。
■患者背景:平均年齢61.8歳,糖尿病罹病期間は8年(中央値)。治療状況;単独投与あるいは併用投与でmetformin 62%,sulphonylurea 62%,インスリン30%以上。
治療法 経口pioglitazone群(2605例):最初の1か月は15mg,2か月目は30mg,その後は45mgを投与。プラセボ群(2633例)。
他の経口血糖降下薬および糖尿病治療薬は継続投与。
結果 pioglitazoneの忍容性は良好で,2か月で投与量が45mgに達した例は89%,プラセボ群は91%,その後最大用量投与例はそれぞれ93%, 95%であった。
試験薬の投与中止はpioglitazone群16%,プラセボ群17%。
HbA1c値はpioglitazone群-0.8%,プラセボ群-0.3%(p<0.0001),トリグリセリドはそれぞれ-11.4%, +1.8%(p<0.0001),LDL-Cは7.2%, 4.9%(p=0.003),HDL-Cは19.0%, 10.1%(p<0.0001),LDL-C/HDL-Cは-9.5%, -4.2%(p<0.0001)。
一次エンドポイントの複合エンドポイントのうち1つ以上のイベントを発症したものはpioglitazone群514例,プラセボ群572例で両群間に有意差は認められなかった(ハザード比[HR]0.90, 95%信頼区間[CI] 0.80~1.02, p=0.095)。各エンドポイントの発症は死亡が110例 vs 122例,非致死的MIは85例 vs 95例,無症候性MIは20例 vs 23例,脳卒中76例 vs 96例,足首以上の脚切断9例 vs 15例,ACS 42例 vs 63例,冠動脈血行再建術は両群とも101例。
主な二次エンドポイント(全死亡+非致死的MI+脳卒中)は,pioglitazone群301例,プラセボ群358例でpioglitazone群で有意に抑制した(HR 0.84, 95%CI 0.72~0.98, p=0.027)。
心不全による入院は149例(6%) vs 108例(4%)であったが(p=0.007),心不全による死亡率は両群とも1%で,pioglitazoneの安全性は良好であった。
★結論★大血管イベント発症のリスクが高い2型糖尿病患者において,pioglitazoneは全死亡,非致死的MI,脳卒中の発生を抑制した。
ClinicalTrials.gov Identifier: NCT00174993
文献
  • [main]
  • Dormandy JA et al on behalf of the PROactive investigators: Secondary prevention of macrovascular events in patients with type 2 diabetes in the PROactive study (prospective pioglitazone clinical trial in macrovascular events); a randomised controlled trial. Lancet. 2005; 366: 1279-89. PubMed
  • [substudy]
  • 心筋梗塞(MI)既往例2445例(pioglitazone群1230例,プラセボ群1215例)サブ解析:pioglitazone群で致死的・非致死的MI再発が28%(p=0.045),急性冠症候群は37%(p=0.035)それぞれ相対リスク(RR)が低下した。一次エンドポイントの抑制は(RR 12%,p=0.135)有意差に至らなかった。入院を要する心不全はpioglitazone群で多く(7.5% vs 5.2%),致死的心不全は同様(1.4% vs 0.9%)であった:J Am Coll Cardiol. 2007; 49: 1772-80. PubMed

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収載年月2006.01
更新年月2007.05