循環器トライアルデータベース

CAPITAL AMI
Combined Angioplasty and Pharmacological Intervention versus Thrombolysis Alone in Acute Myocardial Infarction Study

目的 ハイリスクのST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において,tenecteplase(TNK)単独投与による血栓溶解療法と,TNK投与直後のPCI施行とを比較。
一次エンドポイントは6か月後の死亡+MI再発+不安定虚血再発+脳卒中。
コメント これまでは血栓溶解療法に引き続いて行われるPCIは必ずしも予後を改善しなかった。本研究によって従来の成績と異なった成績が示された。症例数を増やした検討やPCI単独治療との比較が今後の課題である。(井上
デザイン 無作為割付け,多施設(カナダ・オタワの4施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は6か月。登録期間は2001年8月~2004年1月。
対象患者 170例。30分以上持続する胸部不快感発症から6時間以内で,12誘導心電図で2つ以上の近接誘導に1mm以上のST上昇,あるいは左脚ブロックを有するもので,次のハイリスク基準の1つを有するもの:1)2つの近接胸部誘導のそれぞれで2mm以上のST上昇を伴う前壁梗塞,2)8つ以上の誘導で1mm以上のST上昇/低下またはST上昇の合計が20mmを超える前壁以外の広範囲梗塞,3)Killip分類class 3,4)収縮期血圧<100mmHg。
除外基準:出血中,3か月以内の脳卒中,中枢神経系傷害,大手術あるいは外傷。コントロール不良の高血圧(収縮期血圧≧200mmHgおよび/あるいは拡張期血圧≧120mmHg),長引いた心肺蘇生(10分以上),血液凝固障害,warfarin治療中,CABG既往,6か月以内のPCI,7日以内の血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬投与,6時間以内の未分画heparin(≧5000IU)使用,6時間以内の低分子量heparin治療用量投与など。
■患者背景:年齢(TNK単独投与群58歳,TNK+PCI群57歳),男性(76.1%,75.6%),心拍数(71拍/分,73拍/分),血圧(130/80mmHg,128/79mmHg),高血圧(44.0%,44.2%),糖尿病(11.9%,20.9%),喫煙(63.1%,54.7%),既往;狭心症(16.7%,23.2%);MI(10.7%,16.3%);血管形成術(3.6%,5.8%),前壁MI(47.6%,52.3%),Killip分類class 1(79.8%,79.1%)。
治療法 TNK単独投与群(84例):TNK単独投与。TNK+PCI群(86例):TNK投与直後,PCIを施行。
全例にaspirin咀嚼錠160mgを直ちに投与し,以後aspirin 325mg/日,ASSENT-3試験に則り体重で用量を調整したTNKおよび未分画heparinを投与。TNK+PCI群ではカテーテル室到着とともにheparin投与を中止の上,ただちに血管形成術を施行し,heparinボーラス投与(目標活性化凝固時間250秒),clopidogrel 300mg投与,以後75mg/日を1か月以上投与。TNK単独投与群では血栓溶解療法開始後90分以上続くST上昇と胸痛または血行動態の悪化がみられた場合には緊急血管造影を実施。
結果 発症からTNK投与までの時間は両群とも120分(中央値)。PCI施行例は79例,うちステント植込みは77例,ランダム化から最初のバルーン拡張までの所要時間は95分(中央値)であった。
6か月後の解析例はTNK単独投与群82例,TNK+PCI群86例。
一次エンドポイントは24.4% vs 11.6%(p=0.04)であり,これはTNK+PCI群で不安定虚血の再発率が低かったことによる(20.7% vs 8.1%,p=0.03)。
30日後の一次エンドポイントイベントは21.7% vs 9.3%(p=0.03),不安定虚血の再発は18.1% vs 7.0%(p=0.04)。再梗塞率は30日後13.3% vs 4.7%(p=0.06),6か月後14.6% vs 5.8%(p=0.07)で,TNK+PCI群で低い傾向にあった。
重大な出血は7.1% vs 8.1%(p=1.00)。
★結論★ハイリスクのSTEMI患者において,TNK投与後直ちに行う血管形成術はTNK単独投与に比べて大出血の合併症を増加させることなく虚血イベント再発のリスクを低下させた。
文献
  • [main]
  • Le May MR et al: Combined angioplasty and pharmacological intervention versus thrombolysis alone in acute myocardial infarction (CAPITAL AMI study). J Am Coll Cardiol. 2005; 46: 417-24. PubMed

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収載年月2006.02