循環器トライアルデータベース

AMISTAD II
Acute Myocardial Infarction Study of Adenosine II

目的 ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において,再灌流療法にadenosine静注を追加した場合の臨床転帰および梗塞サイズに対する影響を検討。
一次エンドポイントは6か月間の全死亡,うっ血性心不全(CHF)による最初の再入院,ランダム化後>24時間の新規のCHF発症までの時間。
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(13か国390施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は6か月。登録期間は1999年6月~2000年12月。
対象患者 2118例。19歳以上,虚血性の胸痛(≧30分)発生後6時間以内に再灌流療法(血栓溶解/経皮的インターベンション)を受けたもの,心電図上の前壁STEMI。
除外基準:試験薬投与前の再灌流療法開始,アテローム硬化性以外の状態によるMI,収縮期血圧<90mmHgで輸液静注に無反応,持続性徐脈,重度の気道過敏症の臨床上の証拠,ペースメーカーを用いていないI度以上の房室ブロック,ランダム化24時間以内のdipyridamole投与など。血栓溶解療法例については出血中/出血性傾向,出血性脳卒中既往/1年以内の脳卒中,治療抵抗性の重症高血圧など。
■患者背景:年齢(プラセボ群60歳,adenosine 50μg/kg/分群 60歳,70μg/kg/分群 61歳),男性(73.5%,74.2%,72.7%),Killip分類class I(85.2%,83.4%,83.6%),血栓溶解療法(58.5%,58.1%,58.3%),血管形成術(39.8%,41.1%,39.7%)。
治療法 adenosine 50μg/kg/分群(702例),adenosine 70μg/kg/分群(713例),プラセボ群(703例)にランダム化し,血栓溶解療法は15分前に,あるいはインターベンション施行前15分以内より3時間注入。低血圧,徐脈,気管支攣縮を生じた場合は注入速度を15%低下。adenosineに対する有害反応にはaminophylline使用可。ランダム化後120~216時間に99mTC sestamibi SPECTにより梗塞サイズを測定。
結果 一次エンドポイントはプラセボ群(17.9%)とadenosine群(16.3%;50μg/kg/分群16.5%,70μg/kg/分群16.1%)に有意差はなかった(p=0.43)。243例(91%)における梗塞サイズの分析では,プラセボ群の中央値27%に対しadenosine群で17%と縮小の傾向があり(p=0.074),50μg/kg/分群ではプラセボ群に対し有意差がなかったが(23%,p=0.41),70μg/kg/分群では有意な縮小を認めた(11%,p=0.023)。一次エンドポイント発生例(28例)の梗塞サイズ中央値は43%で,非発生例(215例)の17%に対し有意に大きかった(p<0.001)。
★結論★再灌流療法を受けているSTEMI患者においてadenosineは臨床転帰を有意に改善しなかったが,70μg/kg/分の注入で梗塞サイズが縮小し,臨床上の有害事象は少なかった。adenosine用量を 70μg/kg/分に限定した大規模な試験が必要であると思われる。
文献
  • [main]
  • Ross AM et al for the AMISTAD-II investigators: A randomized, double-blinded, placebo-controlled multicenter trial of adenosine as an adjunct to reperfusion in the treatment of acute myocardial infarction (AMISTAD-II). J Am Coll Cardiol. 2005; 45: 1775-80. PubMed
  • [substudy]
  • 発症から3.17時間以内にadenosine静注を実施した症例は短期・長期の生存率が高く,6か月後の死亡,CHFが低下した:Eur Heart J. 2006; 27: 2400-5. PubMed

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収載年月2005.12
更新年月2007.01