循環器トライアルデータベース

TAXi

目的 PCI施行患者において,sirolimus溶出ステント(SES)とpaclitaxel溶出ステント(PES)のどちらがより優れているかを臨床現場で評価する。
コメント PCI後の再狭窄は薬剤溶出ステント(DES)の登場にて新しい局面を迎えている。しかしDES間のreal worldでの優劣の有無は明らかとは言えない。本研究は1施設でのCypherとTaxusのreal worldでの前向きランダム化試験である。イベント率がCypher群6%,Taxus群14%であるという従来の報告より,当初は優劣をつけるために症例数を346例と設定していたが,両ステントで差が認められないことより202例で中止している。左主幹部,ステント内再狭窄,静脈グラフト病変が含まれ,糖尿病も30%を超えており,real worldにふさわしい対象であろう。問題点は,標的病変の形態(ACC/AHA分類)の記載のないこと,観察期間が平均7か月と短いことである。(星田
デザイン 無作為割付け。
期間 平均追跡期間は7か月。ランダム化期間は2003年4月~2004年1月。
対象患者 202例。
■患者背景:平均年齢(PES群63歳,SES群65歳),男性(83例,79例),糖尿病(36例,33例),高血圧(63例,60例),高脂血症(79例,77例),安定狭心症あるいは無症候性虚血(86例,84例),1枝病変(40例,36例),2枝病変(32例,35例),3枝病変(28例,29例),既往;心筋梗塞(MI;29例,33例),PTCA(34例,28例),CABG(15例,22例)。血管造影背景:新規病変(94例,97例),左前下行枝(41例,42例),右冠動脈(両群とも32例),左回旋枝(19例,15例),ステント内狭窄(6例,3例)。
治療法 PES群(100例),SES群(102例)にランダム化。
全例にaspirin 100mg/日を前投与。clopidogrel 75mg/日の5~7日間前投与例はわずかで,前投与しなかった場合は手技終了時に300mgで投与を開始した。手技開始時にheparin 70U/kgを静注。退院時にaspirin 100mg/日の長期投与を,clopidogrel 75mg/日(2~12か月)投与と同時に開始。IVUSは実施せず。
結果 手技成功率は両群とも99%。手技回数が1回のものは183例(PES群89例,SES群94例),多枝へのPCI例はそれぞれ18例,26例,direct PCIが35例,32例で成功例は32例,28例。参照径は両群とも3.2mm,最小血管径(手技前0.8mm→手技後2.9mm,0.9mm→ 2.9mm),狭窄率(72%→ 5%,70%→ 5%)であった。
class II以上の狭心症発症がPES群8例,SES群6例,狭心症様症状の出現または左主幹部など予後に影響する病変のため追跡血管造影を実施した例が15例,18例。
有害事象はPES群4%,SES群6%で,死亡例は両群ともなく,非Q波MIがそれぞれ3例,1例,Q波MI,ステント血栓,CABGがSES群で1例,標的病変再血行再建術は1例,2例であった。
★結論★ランダム化試験で得られているsirolimus溶出ステント,paclitaxel溶出ステントの有用性は実際の現場でも確認され,両ステントいずれも有効で優劣はつけがたい。
文献
  • [main]
  • Goy JJ et al: A prospective randomized comparison between paclitaxel and sirolimus stents in the real world of interventional cardiology; the TAXi trial. J Am Coll Cardiol. 2005; 45: 308-11. PubMed

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収載年月2005.09