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本邦における降圧治療を受けている本態性高血圧患者において,家庭血圧に基づく血圧コントロール状況を検討する研究。本報は家庭血圧および外来時血圧に基づく血圧コントロールの特徴を同定し,治療例における医師の評価との関連を検討したもの。 |
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観察研究。 |
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登録期間は2003年3~8月。 |
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3400例。降圧薬投与下の本態性高血圧。 ■患者背景:平均年齢66.2歳,女性55.2%,喫煙例14.2%,脳血管疾患の既往9.1%,虚血性心疾患の既往8.2%,糖尿病13.7%,高コレステロール血症40.2%,尿酸高値11.5%。降圧治療状況:投与期間30か月,投与薬剤数は平均1.7剤;1剤48.7%,2剤35.4%,3剤12.3%,4剤以上3.6%,Ca拮抗薬69.6%,AII受容体拮抗薬43.6%,ACE阻害薬16.7%,α遮断薬13.4%,β遮断薬11.7%。 |
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家庭血圧(1日1回[起床後1時間以内],2週間以上)および診察室,外来血圧(1度の外来で座位にて2回,試験期間中に2回)を測定。血圧コントロール状況を担当医師が3段階(poor,fairly good,excellent)で評価。 |
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平均家庭血圧は140/82mmHg,平均診察室,外来血圧は143/81mmHg。 本邦のガイドライン(外来時血圧<140/90mmHg,家庭血圧<135/85mmHg)に基づいた場合,約60%(家庭血圧66%,診察室,外来血圧58%)の患者がコントロール不良であった。コントロール不良の患者は,家庭血圧および診察室,外来血圧ともに加齢に伴って上昇傾向にあった。 医師による評価がexcellentまたはfairly goodの患者のみの検討でも,それぞれ24%,75%では家庭血圧がコントロール不良であり,診察室,外来血圧についてはそれぞれ15%,62%がコントロール不良であった。また,これらの患者においてもコントロール不良の割合は加齢とともに増加傾向にあったが,60歳未満の中年患者でも家庭血圧の50%,診察時血圧の41%がコントロール不良であった。 ★結論★本態性高血圧患者の降圧治療例の約60%が家庭血圧および診察室,外来血圧のコントロールが不良であった。その重要な理由のひとつとして,担当医師が中年患者においてさえも比較的高い血圧値を是認していることが示唆される。 |
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- [main]
- Ohkubo T and the J-HOME study group: Control of blood pressure as measured at home and office, and comparison with physicians' assessment of control among treated hypertensive patients in Japan; first report of the Japan home versus office blood pressure measurement evaluation (J-HOME) study. Hypertens Res. 2004; 27: 755-63. PubMed
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