循環器トライアルデータベース

ACES
Azithromycin and Coronary Events Study

目的 安定冠動脈疾患患者において,クラミジア・ニューモニエ(C pneumoniae)に有効なマクロライド系抗生物質azithromycinの1年間投与による二次予防効果を検討。
一次エンドポイントは冠動脈疾患(CHD)死+非致死的心筋梗塞(MI)+血行再建術+不安定狭心症による入院。
コメント 症例数,治療期間とも十分な試験である。クラミジア・ニューモニエ感染と粥状動脈硬化症の関係が示唆され,抗生剤による感染の治療が粥状動脈硬化の進展を遅らせることが期待されていた。今回の試験は,azithromycinによる治療が冠動脈疾患二次予防に有用でないことを示した。(中村中野永井
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(アメリカ28施設),intention-to-treat解析。
期間 平均追跡期間は3.9年。登録期間は1999年4月~2000年5月,追跡終了は2003年12月31日。
対象患者 4012例。18歳以上;安定CHDの記録のあるもの。
除外基準:3か月以内のMI,血行再建術施行例,不安定狭心症による入院例。重症心疾患(NYHA III~IV度のうっ血性心不全,ステージIII~IVの狭心症),臨床的に重大な腎あるいは肝不全など。
■患者背景:平均年齢65歳,男性(azithromycin群80%,プラセボ群79%),白人(両群とも87%),喫煙;現在(14%,13%);過去(60%,59%),高脂血症既往(84%,81%),高血圧既往(両群とも67%),糖尿病(23%,21%),心筋梗塞(54%,58%),若年期発症の心血管疾患家族歴(47%,46%),安静期狭心症(29%,30%),うっ血性心不全(12%,11%),血行再建術(56%,57%),CABG(53%,50%)。薬物治療状況:aspirin(87%,88%),スタチン(75%,77%),ACE阻害薬(34%,36%),β遮断薬(59%,60%),Ca拮抗薬(両群とも31%)。
治療法 azithromycin群(2004例):600mgを1週間に1度の投与を1年間,プラセボ群(2008例)。
結果 一次エンドポイントはazithromycin群446例(22.3%),プラセボ群449例(22.4%)と両群間に有意差は認められなかった(リスク低下1%;95%信頼区間-13~13%)。
一次エンドポイントの構成イベントにも両群間差はなかった:CHD死(3.2% vs 3.7%;リスク低下13%),MI(6.8% vs 6.5%),血行再建術(13.2% vs 12.9%),不安定狭心症による入院(2.5% vs 2.7%)。
性,年齢,喫煙,糖尿病,血清反応によるサブ解析でも結果は同様であった。
悪心が284例 vs 198例(p<0.001),腹痛が370例 vs 216例(p<0.001),下痢が724例 vs 446例(p<0.001),うち要治療例はそれぞれ45例 vs 37例,58例 vs 62例,76例 vs 60例(いずれも有意差なし)。
★結論★安定冠動脈疾患患者において,週ごとのazithromycin1年間投与による心イベント抑制効果は認められなかった。
文献
  • [main]
  • Grayston JT et al for the ACES investigators: Azithromycin for the secondary prevention of coronary events. N Engl J Med. 2005; 352: 1637-45. PubMed

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収載年月2005.06