循環器トライアルデータベース

ARBITER 2
Arterial Biology for the Investigation of the Treatment Effects of Reducing Cholesterol 2

目的 HMG-CoA reductase阻害薬(スタチン)治療を受けている冠動脈疾患(CAD)患者において,低HDL-Cに有効なniacinを追加投与した場合の心血管イベントへの影響を検討。
一次エンドポイントは1年後の総頸動脈内膜-中膜肥厚(CIMT)。
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,単施設(Walter Reed Army Medical Center:大学附属病院,三次医療施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は12か月。登録期間は2001年12月~2003年5月,追跡終了は2004年5月。
対象患者 167例。31歳以上のCAD患者;スタチン治療例でLDL-C<130mg/dL,HDL-C<45mg/dLのもの。
除外基準:niacin不忍容,肝疾患既往,肝関連酵素異常。
■患者背景:年齢67歳,男性91%,総コレステロール(TC)157mg/dL,LDL-C 89mg/dL,HDL-C 40mg/dL,トリグリセリド161mg/dL,心筋梗塞既往83例(49.7%),経皮的血行再建術既往77例(46.1%),CABG既往68例(40.7%)。スタチン投与状況:平均投与期間は4.8年。simvastatin投与例が156例(93.4%)でその大半(160例;95.8%)が≧20mg/日投与。
治療法 niacin群(87例):長期作用型niacin 500mgを30日投与後,1000mgに増量し12か月間投与。ビタミンC,E投与例は試験期間中の服用中止を強く奨励,
プラセボ群(80例)。
CIMTの分析はBモード超音波法を使用。
結果 TCはniacin群で試験開始時154mg/dL→ 1年後155mg/dL(p=0.92),プラセボ群161mg/dL→ 156mg/dL(p=0.06),LDL-Cはそれぞれ87mg/dL→ 85mg/dL(p=0.42),91mg/dL→ 86mg/dL(p=0.37),HDL-Cは39mg/dL→ 47mg/dL(p<0.001),40mg/dL→ 40mg/dL(p=0.61),トリグリセリドは154mg/dL→ 134mg/dL(p=0.009),172mg/L→ 164mg/dL(p=0.07)。
CIMTはniacin群は試験開始時0.893mm→ 1年後0.907mm(変化は0.014mm)とほとんど変化しなかった(p=0.23),プラセボ群は0.868mm→ 0.912mm(変化は0.044mm)で有意に増加した(p<0.001)。内膜-中膜肥厚の進展において両群間に有意差は認められなかった(p=0.08)が,インスリン抵抗性(糖尿病あるいはメタボリックシンドローム)を認めない例ではniacin群は有意に抑制した。
心血管イベントはniacin群3例(3.8%),プラセボ群7例(9.6%)であった(p=0.20)。
★結論★比較的HDL-Cが低い冠動脈疾患において,スタチンへの長期作用型niacin追加投与によりアテローム性動脈硬化の進展が遅延した。
文献
  • [main]
  • Taylor AJ et al: Arterial biology for the investigation of the treatment effects of reducing cholesterol (ARBITER) 2. A double-blind, placebo-controlled study of extended-release niacin on atherosclerosis progression in secondary prevention patients treated with statins. Circulation. 2004; 110: 3512-7. PubMed

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収載年月2005.01