循環器トライアルデータベース

ALIVE
Azimilide Post Infarct Survival Evaluation

目的 心筋梗塞(MI)後の左室収縮能が低下した患者および心拍変動(HRV)が低下した高リスク患者における,III群抗不整脈薬azimilideの全死亡および死因別の抑制効果を検討。
コメント azimilideは,心筋梗塞後に心機能が低下し,さらに心拍変動が低下した例の生命予後を悪化しない。心房細動抑制効果が証明されれば,臨床上重要な薬剤となるであろう。(井上
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(26か国483施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は12か月。
対象患者 3381例。18~80歳;MI発症から5~21日以内のMI;EFが15~35%。
除外基準:torsade de pointes(TdP)既往,不安定狭心症または高度の房室ブロック,QTc間隔≧450ms,安静時心拍数<50拍/分,NYHA心機能分類IV度のうっ血性心不全,植込み型除細動器,血清カリウム濃度<4mEq/L,1か月以内のamiodarone使用,IまたはIII群抗不整脈薬投与例。
■患者背景:男性78%,EF 29%,NYHA II~III度のうっ血性心不全が半数以上。
治療法 ランダム化された全例がEFの低下により“生命予後が悪い”とみなされたが,さらに24時間ECGによりHRVをtriangular index methodで分析し,ベースライン時のHRVが≦20Uを高リスク群(1264例),>20Uを低リスク群(2117例)に層別化。
azimilide群(1691例:高リスク群622例,低リスク群1069例):75または100mg,プラセボ群(1690例:高リスク群642例,低リスク群1048例)にランダム化。ただし75mg群は336例を登録した時点で中止。
ベースライン時,2週,1,2,4,8,12か月後に評価を行い,標準的な臨床検査,12誘導ECG記録を実施。ECG上でQTc≧525ms,または好中球数<1000/μLとなった場合は試験薬を中止。
結果 プラセボ群の1年後の死亡例は高リスク群96例(15%)で,低リスク群100例(9.5%)より有意に多く(ハザード比 1.64,95%CI 1.24~2.17,p=0.0005),HRVの低下は他のリスク因子(年齢,EF,NYHA心機能分類,性別,糖尿病,β遮断薬使用)による調整後も死亡の独立した予測因子であったが(ハザード比1.46,95%CI 1.10~1.94,p=0.009),不整脈死の予測因子ではなかった。azimilide群(100mg)とプラセボ群の比較では,全例についても高リスク群についても全死亡,不整脈死に有意差はなかった(ハザード比は高リスク群0.95,全例1.0)。心房細動の発生はazimilide群(0.5%)でプラセボ群(1.2%)より有意に低く(p<0.04),TdPの発生,重度の好中球減少症(≦500/μL)の発生はazimilide群でわずかに高かった(0.3% vs 0.1%,0.9% vs 0.2%)。
★結論★azimilideはMI後の患者の死亡率を改善することも悪化させることもなかった。HRVの低下はMI後の心機能の低下した患者における死亡の独立した予測因子である。
文献
  • [main]
  • Camm AJ et al on behalf of the azimilide post infarct survival evaluation (ALIVE) investigators: Mortality in patients after a recent myocardial infarction; a randomized, placebo-controlled trial of azimilide using heart rate variability for risk stratification. Circulation. 2004; 109: 990-6. PubMed
  • [substudy]
  • 心房細動(AF)93例substudy:洞調律例に比べ8歳平均年齢が高く,NYHA II~III度のうっ血性心不全,高血圧,aspirin投与例が多かった。AF例は非AF例に比べ死亡率が高かったが,AF例のazimilide群とプラセボ群間の死亡率は同様であった。洞調律の回復率はazimilide群の方が高く1年後の洞調律例も同群で多かった:J Am Coll Cardiol. 2004; 43: 1211-6. PubMed

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収載年月2004.07