循環器トライアルデータベース

VISP
Vitamin Intervention for Stroke Prevention

目的 介護を必要としない脳梗塞症例でホモシステイン値が比較的高い例において,ホモシステイン低下療法が再発を抑制するかを検討。二次エンドポイントは冠動脈心疾患(CHD),死亡。
デザイン 無作為割付け,二重盲検,多施設(米国,カナダ,スコットランドの56施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は1年以上(当初予定は2年)。登録期間は1997年8月~2001年12月。両群間差が生じる見込みがなくなったため2003年3月17日に中止。
対象患者 3680例。35歳以上の脳梗塞(改変Rankin脳卒中スケール≦3,発症後120日以内,CTまたはMRIにより新規の脳梗塞と確認,または質問票により脳梗塞と分類されたアテローム性血栓由来と思われる限局的神経機能欠損)。総ホモシステイン値が北米の脳卒中患者集団の最上位四分位。
除外基準:塞栓形成の可能性(30日以内の心房細動,人工弁術など),脳卒中再発の評価を妨げる他の神経性疾患,透析を要する腎不全,収縮期血圧>185mmHgまたは拡張期血圧>105mmHg,30日以内の血管内膜除去術,ステント施行など。
治療法 ビタミンB 6/12・葉酸高用量群(1827例):pyridoxine 25mg,cobalamin 0.4mg,葉酸2.5mg,低用量群(1853例):pyridoxine 200μg,cobalamin 6μg,葉酸20μgにランダム化。
葉酸,ビタミンB6(pyridoxine),ビタミンB12(cobalamin)以外はFDA推奨の一日摂取量に基づくマルチビタミン製剤を1日1回投与。リスク因子管理の教育,aspirin 325mg/日などの脳卒中再発予防のための薬物的・外科的管理を実施。
結果 総ホモシステイン値の低下は高用量群で低用量群に比べ1か月後に2.0μmol/L,1年後に2.2μmol/L,2年後に2.3μmol/L大きかったが,エンドポイントに対する有効性は認められなかった。
一次エンドポイントである2年以内の脳梗塞の再発リスクは低用量群8.8% vs 高用量群9.2%[相対リスク(RR)1.0,95%信頼区間(CI )0.8-1.3),p=0.80]。2年以内の脳梗塞,CHD,死亡のリスクは18.6% vs 18.0%(RR 1.0,95%CI 0.8-1.1)。
ベースライン時の総ホモシステイン値>14μmol/Lの例では,2年間の脳卒中,冠イベント,死亡のリスクは各0.9%,これらを含む総合エンドポイントのリスクは1.0%。ベースライン時の総ホモシステイン値が3μmol/L低値であることによるリスク低下は,低用量群で脳卒中は10%(p=0.05),CHDイベントは26%(p<0.001),死亡は16%(p=0.001)と有意であったが,高用量群ではそれぞれ2%,7%,7%で有意差はなかった。
★結論★脳梗塞後の介護を必要としない例において,ビタミン投与による総ホモシステイン値の中等度の低下は,2年の追跡期間中の心血管の予後を改善しなかった。しかし,総ホモシステイン値と血管リスクには一貫した関連性が示され,ホモシステイン値の高い他のコホートでの長期試験で確認する必要があると考えられる。
文献
  • [main]
  • Toole JF et al: JLowering homocysteine in patients with ischemic stroke to prevent recurrent stroke, myocardial infarction, and death; the vitamin intervention for stroke prevention (VISP) randomized controlled trial. JAMA. 2004; 291: 565-75. PubMed

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収載年月2004.05