循環器トライアルデータベース

AFIST II
Atrial Fibrillation Suppression Trial II

目的 心胸郭手術(CTS)後の患者において,抗不整脈薬amiodaroneの静注+経口投与,心房中隔ペーシング,および両者の併用治療を検討。一次エンドポイントはCTS後30日以内の心房細動(AF)。
コメント 心房細動の発生を抑制するために心房中隔ペーシングが試みられているが,心臓手術後の心房細動抑制にはamiodaroneが勝る。(井上
デザイン 無作為割付け,2×2 factorial。
期間 追跡期間は1か月。
対象患者 160例。50歳以上。米国Hartford病院にてCABGまたは弁膜手術予定のもの。
除外基準:慢性AFまたは心房粗動,amiodarone過敏症,I群またはIII群抗不整脈薬投与例,除細動器(ICD)またはペースメーカー植込み例,心原性ショックまたは高度のうっ血性心不全,著明な徐脈(心拍数<50拍/分)または2~3度の房室ブロック,中等度~重度の肝疾患,cyclosporine,cimetidine,phenytoin,cholestyramine投与例。
■患者背景:平均年齢65.8歳,男性75.6%,弁膜手術21.3%。
治療法 amiodarone群(77例):CTS後6時間以内に静注を開始し24時間継続(総量1050mg)後,400mg×3回/日をCTS後1~4日まで経口投与(総用量は経口投与6900mgに相当),またはプラセボ群(83例)にランダム化。手術時に,全例のBachmann束の心房中隔部に心外膜ペースメーカーワイヤーを縫着し,術後overdriveペーシング群(73例)または非ペーシング群(87例)にランダム化,以後96時間継続。つまり,amiodarone+ペーシング群(38例),プラセボ+ペーシング群(35例),amiodarone+非ペーシング群(39例),プラセボ+非ペーシング群(48例)の4群にランダム化した。
12誘導心電図を毎日記録。退院後1週間,1か月後に電話によりイベント発生の有無を確認。
結果 プラセボ群で周術期の低血圧(収縮期血圧<90mmHg)が多かった(31.2% vs 49.9%,p=0.029)ことを除き,試験開始時および周術期の患者背景,パラメーターに両群間差はなかった。
amiodarone群はプラセボ群に比べAF全体を42.7%低下(p=0.037),平均心室拍数を7.0%低下(p<0.0001),症候性AFを68.3%減少させた(p=0.019)。
ペーシング群では非ペーシング群と比較してAFまたは症候性AF発生を抑制しなかった。CTS後のAFリスクはamiodarone+ペーシング群では,プラセボ+非ペーシング群(57.9%低下,p=0.047),プラセボ+ペーシング群(60.5%低下,p=0.040)よりも低かった。安全性は4群とも同様であった。
★結論★amiodaroneの静注+経口投与はCTS後のAF抑制において有効であったが,心房中隔ペーシングの有効性は認められなかった。amiodaroneとペーシングの併用治療は,プラセボ(単独,ペーシングとの併用を問わず)より有効であったが,amiodarone単独投与に比べて実質的な有効性は認められなかった。
文献
  • [main]
  • White CM et al: Intravenous plus oral amiodarone, atrial septal pacing, or both strategies to prevent post-cardiothoracic surgery atrial fibrillation; the atrial fibrillation suppression trial II (AFIST II). Circulation. 2003; 108 Suppl 1: II200-6. PubMed

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収載年月2004.04