循環器トライアルデータベース

AIRCRAFT
Australian Intervention Randomized Control of Rate in Atrial Fibrillation Trial

目的 軽症~中等症の症候性持続性心房細動(AF)患者において,房室接合部アブレーション+ペーシング(AVJAP)と,薬剤による心拍数コントロールとを比較。一次エンドポイントは,心エコー図および運動耐容能による心機能評価。二次エンドポイントは24時間心電図による心拍数コントロール,QOL。
コメント AF例の心拍数コントロールとして薬物治療と房室ブロック作成+ペーシングでは心機能には差はない。心拍数の減少およびQOLの軽度の改善がブロック作成+ペースメーカー群で得られたが,臨床的に意味のあるものと言い切ることは出来ないのではないか?。(井上
デザイン 無作為割付け,多施設(オーストラリアの6施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は12か月。1998年6月登録開始,2001年7月追跡終了。
対象患者 99例。>40歳。心拍数がコントロールされていない症候性持続性AF(>12か月間または電気的除細動/薬物療法の不成功)で,3か月のスクリーニング期間中に薬剤で良好な心拍数コントロール(安静時<80拍/分,運動時<150拍/分)が得られたもの。インフォームドコンセントが可能なもの。トレッドミル運動負荷試験が可能なもの。
除外基準:アブレーション+ペーシングの臨床的適応,12か月以内に外科的または経カテーテルの弁形成術が見込まれるもの,未治療で安静時平均心拍数<80拍/分および最大運動時<150拍/分の例,不安定狭心症,Wolff-Parkinson-White症候群,重症の三尖弁逆流または三尖弁置換例,薬物療法にもかかわらずNYHA心機能分類IV度,他の重篤な症状,職業や趣味により持続性ペーシング不可能例など。
■患者背景:平均年齢68歳,男性70例(71%),高血圧44%,虚血性心疾患40%,心臓弁膜症33%,AF期間68か月,warfarin治療77%,aspirin治療34%。
治療法 心臓専門医の下で3か月間の積極的な薬物療法により心拍数コントロール後,薬物療法(MED)群(50例),AVJAP群(49例)にランダム化。
MED群は,digoxin,metoprolol,atenolol,verapamil,diltiazemを単独または併用投与。AVJAP群は,アブレーション+ペースメーカー(VVIRにプログラムしたPacesetter Trilogy SR model 2250L[Pacesetter社])植込み。アブレーションのエンドポイントは完全房室ブロック。アブレーション後1か月間の最小ペーシングレートは80~90拍/分で,その後担当医の判断で再プログラム。
全例で心血管系以外の薬,warfarin,抗血小板薬の投与は継続するが,AVJAP群では心拍数コントロールのための薬剤は投与中止,これ以外の理由によるβ遮断薬,Ca拮抗薬,digoxinの使用は継続。
ベースライン時(3か月のスクリーニング期間終了時)の心エコー図評価により,EF>45%,<45%に層別化。
結果 12か月後のEF,トレッドミル負荷試験による運動時間は両群間で有意差がなかった(それぞれAVJAP群54% vs MED群61%,4.1分 vs 4.6分)。
しかし,運動時,日常生活における最大心拍数はともにAVJAP群で有意に少なかった(112拍/分 vs 153拍/分:p<0.05,117拍/分 vs 152拍/分,p<0.05)。QOLについてはAQOL(Assessment of Quality of Life Questionnaire)およびSIP(Sickness Impact Profile)による質問票では両群間に有意差がなかったが,CAST(Cardiac Arrhythmia Suppression Trial) QOL質問票の解析ではAVJAP群で6か月,12か月後に症状の減少がみられた(各p=0.003,p=0.004,12か月後の相対リスク低下18%)。“ladder of life”を用いたglobal subjective semiquantitative QOL評価では,AVJAP群はMED群に比べ6か月,12か月後にQOLが6%改善した(p=0.01)。
有害事象の発生には両群間に有意差はみられなかった。
★結論★軽症~中等症の症候性の持続性AF患者において,AVJAPは長期追跡期間中の心機能を悪化させず,QOLは改善した。
文献
  • [main]
  • Weerasooriya R et al: The Australian intervention randomized control of rate in atrial fibrillation trial (AIRCRAFT). J Am Coll Cardiol. 2003; 41: 1697-702. PubMed

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収載年月2003.09