循環器トライアルデータベース

AMIOVIRT
Amiodarone Versus Implantable Cardioverter-Defibrillator: Randomized Trial

目的 無症候性の非持続性心室頻拍(NSVT)を合併した非虚血性拡張型心筋症(NIDCM)患者において,III群抗不整脈薬amiodaroneと植込み型除細動器(ICD)の全死亡率に及ぼす効果を比較。二次エンドポイントは心臓生突然死(SCD),非SCD,非心臓死,失神,不整脈(死亡,失神,適切なICD作動,持続性心室頻拍,心室細動)非発生生存率,QOL,費用。
コメント 基礎疾患が均一ではないという問題点はあるが,NSVTを合併した心機能低下例へのICDの予防的植込みは支持されない成績が示された。editorial comment(J Am Coll Cardiol. 2003; 41: 1713-5. PubMed)が付いているので参照のこと。(井上
デザイン 無作為割付け,多施設(米国の10施設),intention-to-treat解析。
期間 平均追跡期間は2.0年(0.1~4.8年)。1996年8月から登録を開始したが,統計的有意差に達しないと見込まれたため2000年9月に中止,2001年6月30日に追跡終了。
対象患者 103例。18歳以上。NIDCM[冠動脈疾患(CAD)のない,またはCADの重症度以上に低下して左室機能不全],EF≦0.35,無症候性NSVT(3連続以上の心室期外収縮で,心拍数>100拍/分,持続<30秒で,脳虚血症状を伴わないもの),NYHA心機能分類 I~III度。
除外基準:失神,妊娠,amioaroneまたはICDの禁忌, I群抗不整脈薬の併用例。
治療法 amiodarone群(52例,60±12歳):800mg/日で投与を開始し7日後に400mg/日に,1年後に300mg/日に減量。ICD群(51例,58±11歳):通常の非開胸式で植込み。amidarone群では甲状腺機能,GOTおよびGPT測定,胸部レントゲン撮影をベースライン時,以後4か月ごとに,血清amiodaroneおよびdesethylamiodarone濃度測定を4か月,1年後に実施。ICD群では電位記録,センシング,ペーシング機能等の除細動器のフォローアップを4か月ごとに実施。
ACE阻害薬,β遮断薬,カリウム保持性利尿薬による至適薬物療法を強く推奨。
結果 生存率は1年後にamiodarone群90% vs ICD群96%,3年後に87% vs 88%*で有意差は認められなかった(p=0.8)。
不整脈非発生生存率は,1年後にamiodarone群82% vs ICD群78%,3年後に73% vs 63%とamiodarone群で改善傾向がみられた(p=0.1)。1年後のQOLに両群間差はなかった。最初の1年間の総医療費は8,879ドル vs 22,079ドル**で,amiodarone群で低い傾向にあった(p=0.1)。
*訳注:抄録と図1の値,本文と表3の値が不一致。**:抄録と本文の値が不一致。ここでは双方とも本文中の数値を採用した。
★結論★NSVTを合併したNIDCMにおいて,amiodarone治療とICD治療の間で死亡率およびQOLに統計的な有意差は認められなかった。amiodarone治療は医療費面でより有益であり,不整脈発生を改善する傾向がみられた。
文献
  • [main]
  • Strickberger SA et al for the AMIOVIRT investigators: Amiodarone versus implantable cardioverter-defibrillator:randomized trial in patients with nonischemic dilated cardiomyopathy and asymptomatic nonsustained ventricular tachycardia--AMIOVIRT. J Am Coll Cardiol. 2003; 41: 1707-12. PubMed
    Jayachandran JV et al: Say no to primary prophylaxis with implantable cardioverter-defibrillators in asymptomatic nonischemic dilated cardiomyopathy? J Am Coll Cardiol. 2003; 41: 1713-5. PubMed

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収載年月2003.07