循環器トライアルデータベース

Long WRIST Studies
Washington Radiation for In-stent Restenosis Trial for Long Lesions Studies

目的 病変長の長い,び慢性ステント再狭窄(ISR)に対する冠動脈内放射線療法の安全性と有効性を検討。一次エンドポイントは,12か月後の晩期冠動脈血栓とMACE:死亡+心筋梗塞+標的血管血行再建術(TLR)。
コメント ISRに対するγ線によるvascular brachytherapy(VBT)はSCRIPPS,GAMMA(1,2),WRIST,WRIST PLUS,WRIST 12などが報告されている。これらの対象病変長が45~47mm以下あるいは平均26mm以下であるのに対し,本trialでは文字通り病変長36~80mmのISRを対象としている。この不利を克服するため従来より照射線量を増やし,抗血小板薬の投与期間を延長して,MACE,late thrombosisの減少に成功した。現在さらに照射線量を増やしたWRIST 21が進行中である。しかし再狭窄率≒40%,TLR≒20%と依然として高率であり,drug-eluting stentが世界的に導入されつつある現状で,VBTの位置づけはどうなっていくのであろうか。(中野中村永井
デザイン 無作為割り付け,プラセボ対照,intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は12か月。登録期間は1998年1月~1999年7月。
対象患者 240例(Long WRIST Study:120例,Long WRIST High Dose:120例)。30~80歳。狭心症の徴候を有し,血管径3.0~5.0mm,病変長36~80mmのび慢性ISR。ISRへのPCI(percutaneous coronary intervention)成功例。PCIの内容はバルーン血管形成,アテローム切除(レーザ,ロータブレータ),ステント再植込み。
除外基準:<72時間の急性心筋梗塞,EF<20%,冠動脈造影上の血栓など。
治療法 Long WRIST Study:γ線療法群(60例);線源から2mm離れた所で照射線量15Gyの192Ir照射,プラセボ群(60例)にランダム化。ステント植込み後,aspirin 250mg/日にclopidogrelあるいはticlopidineによる抗血小板療法を1か月間追加。
Long WRIST High Dose:連続した120例のregistry。線源から2mm離れた所で照射線量18Gyの192IR照射。追加抗血小板療法の期間によって1か月群(60例),6か月群(60例)に割付け。
結果 6か月後の冠動脈造影上のbinary再狭窄率(ステント植込み部分および照射部分)は,照射線量15Gy群45%,18Gy群38%,プラセボ群73%(p<0.05, Long WRIST vs プラセボ)で,late lossは18Gy群で有意に15Gy群より小さかった(0.46±0.76mm vs 0.65±0.81mm, p<0.05)。18Gy群内での再狭窄率に抗血小板治療期間による差はなかった(1か月38%,6か月39%)。
12か月後のMACE発生率は15Gy群42%,プラセボ群63%(p<0.05),18Gy群ではさらに低かった(22%, p<0.05;対 15Gy群)。晩期血栓症は15Gy・1か月間の抗血小板治療群で15%,18Gy・6か月間の抗血小板治療群で9%,プラセボ群12%であった。
★結論★び慢性ステント再狭窄において,192Ir照射療法は安全で,再々狭窄を抑制する。高用量(18Gy)の照射および抗血小板療法の延長によって冠動脈内放射線療法の冠動脈造影上および臨床転帰への有効性は高まる。
文献
  • [main]
  • Waksman R et al for the Washington radiation for in-stent restenosis trial for long lesions studies: Intracoronary radiation therapy improves the clinical and angiographic outcomes of diffuse in-stent restenotic lesions: results of the Washington radiation for in-stent restenosis trial for long lesions (Long WRIST) studies. Circulation. 2003; 107: 1744-9. PubMed

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収載年月2003.09