循環器トライアルデータベース

HEAT
Heart Failure ETA Receptor Blockade Trial

目的 慢性心不全患者(CHF)において,標準治療にETA受容体拮抗薬darusentanを追加した場合の,用量ごとの血行動態および神経体液に及ぼす影響を検討。一次エンドポイントは3週間後の心係数および肺毛細管楔入圧。
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(欧州12施設)。
期間 追跡期間は3週間。
対象患者 143例。現在あるいは最近発症し3か月以上継続しているNYHA心機能分類III度,心エコーあるいは心プールでEF≦35%,肺毛細管楔入圧≧12mmHg,心係数≦2.6L/分/m²。
除外基準:急性心不全,持続性あるいは症候性全身性低血圧(収縮期血圧≦90mmHg),登録前3か月以内の急性心筋梗塞,不安定狭心症,3か月以内のβ遮断薬治療など。
■患者背景:平均年齢57歳,血圧120/74mmHg,心拍数76拍/分,BMI 26.8,全例がACE阻害薬あるいはAII受容体拮抗薬を服用,利尿薬70%,digitalis 65%,硝酸薬65%,抗凝固薬46%,β遮断薬46%。
治療法 darusentan 30mg/日群(34例),100mg/日群(36例),300mg/日群(41例),プラセボ群(32例)。3週間経口投与。
投与後60分,120分,180分,240分に血行動態を測定。
結果 darusentan群はプラセボ群と比べ心係数が30mg群で1.3%,100mg群で7.9%,300mg群で12.6%増加したが,有意差には至らなかった。同群の心係数の改善度は治療の3週間後に有意になった(p<0.0001)。
肺毛細管楔入圧(対プラセボp=0.35),肺動脈圧(p=0.48),肺血管抵抗(p=0.32),右心房圧(p=0.052),心拍数(p=0.27),動脈圧(p=0.40)で,有意差は認められなかったが,darusentan群で全身血管抵抗が有意に低下した。
darusentanの高用量投与は死亡を含む有害事象の増加傾向と関連し,特に中等度用量群と比べ血行動態が改善せず早期にCHFが悪化する例がみられた。
★結論★本試験はCHFにおいて,ETA受容体拮抗薬が心係数を改善することを多数症例において初めて示した報告である。しかしながら,同薬のCHFでの有効性を確定するためには長期試験が必要である。
文献
  • [main]
  • Luscher TF et al: Hemodynamic and neurohumoral effects of selective endothelin A ETA receptor blockade in chronic heart failure; the heart failure ETA receptor blockade trial (HEAT). Circulation. 2002; 106: 2666-72. PubMed

▲pagetop
EBM 「循環器トライアルデータベース®」
ライフサイエンス出版
ご不明の点はお問い合わせください
収載年月2003.04