循環器トライアルデータベース

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Women's Angiographic Vitamin and Estrogen

目的 閉経後の女性において,ホルモン補充療法(HRT)あるいは抗酸化ビタミンサプリメント単独あるいは併用投与が冠動脈疾患の進展に及ぼす効果を検討。一次エンドポイントは最小血管径(MLD)の変化。
デザイン 無作為割り付け,プラセボ対照,二重盲検,2×2 factorial,多施設(北米7施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は2.8年間。実施期間は1997年7月~2002年1月。
対象患者 423例。平均年齢65歳。冠動脈血管造影で1枝以上が15~75%の狭窄を有しているもの。
開始時の冠動脈造影はAngiographic Core Laboratory(スタンフォード大学)が確認した。
除外基準:3か月以内のHRT施行,60mg/日以上のビタミンCあるいは30IU/日のビタミンE投与例で服用中止に同意しない場合,乳癌,子宮癌あるいは子宮頸癌の可能性を示す症状のあるものなど。
治療法 次の4群にランダム化。
HRT+ビタミンプラセボ群(103例),ビタミン+HRTプラセボ群(105例),HRT+ビタミン群(107例),プラセボ群(108例)。
HRT:conjugated equine estrogen 0.625mg/日(子宮非摘出例にはさらにmedroxyprogesterone acetate 2.5mg/日),ビタミン:ビタミンE 400IU×2回/日+ビタミンC 500mg×2回/日。
結果 冠動脈造影の間隔は平均2.8年。
MLDの年間平均変化によって計測された冠動脈疾患の進展は,HRT群で0.047mm/年,HRTプラセボ群で0.024mm/年(p=0.17),抗酸化ビタミン群で0.044mm/年,そのプラセボ群で0.028mm/年(p=0.32)と全群で悪化。
併発した死亡あるいはMI例を含めた場合,一次エンドポイントのリスクは,HRT群,抗酸化ビタミン群でともに上昇(各p=0.045,0.09)。死亡例はHRT群で14例,そのプラセボ群で8例(ハザード比[HR],1.8;95%信頼区間[CI]0.75-4.3),ビタミン群で16例,そのプラセボ投与で6例(HR 2.8;95%CI 1.1-7.2)。死亡,非致死性MI,脳卒中はHRT群26例,そのプラセボ群で15例(HR 1.9;95%CI 0.97-3.6),またビタミン群で26例,そのプラセボ群で18例(HR 1.5;95%CI 0.80-2.9)。
2つの介入間に相関は認められなかった。
★結論★冠動脈疾患を有する閉経後の女性において,HRTも抗酸化ビタミンも心血管に対する有用性は示されず,むしろ,潜在的な危険性を示唆するものと考えられた。
文献
  • [main]
  • Waters DD et al: Effects of hormone replacement therapy and antioxidant vitamin supplements on coronary atherosclerosis in postmenopausal women: a randomized controlled trial. JAMA. 2002; 288: 2432-40. PubMed

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収載年月2003.02