循環器トライアルデータベース

OVERTURE
Omapatrilat Versus Enalapril Randomized Trial of Utility in Reducing Events

目的 心不全患者において,vasopeptidase阻害薬(NEP [neutral endopeptidase]とACEの両方を阻害する)omapatrilatとACE阻害薬enalaprilの有効性を比較。一次エンドポイントは,全死亡+静注治療が必要な心不全による入院。
デザイン 無作為割り付け,二重盲検,多施設(42か国704施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は14.5か月(中央値)。
対象患者 5770例。虚血性あるいは非虚血性心筋症によるNYHA II~IV度の心不全が2か月以上あるか,EF≦30%で12か月以内に心不全による入院歴があるもの。
除外基準:外科的治療が可能,または可逆的な心不全,心臓移植あるいは左室補助装置導入が実施例または予定例,重症な原発性の肺,腎,肝疾患,ACE阻害薬不忍容歴,前月以降の急性冠症候群,3か月以内の血行再建術あるいは急性脳梗塞など。
治療法 通常の心不全治療(利尿薬,digitalis,ACE阻害薬,AII受容体拮抗薬,β遮断薬,spironolactone)を行い,試験開始前にACE阻害薬,AII受容体拮抗薬の投与は中止した。
enalapril群(2884例):2.5mg×2回/日で投与を開始し,3~14日後に忍容性がある場合は5mg×2回/日に増量,さらに3~14日後に忍容性があれば,目標投与量である10mg×2回/日に増量。
omapatrilat群(2886例):10 mg/日で投与を開始,3~14日後に忍容性を確認して20mg/日に増量,さらに3~14日後忍容性がある場合は目標投与量である40mg/日に増量。
結果 目標投与量到達率はomapatrilat群82.5%,enalapril群86.4%,投与中止率は26.8% vs 25.3%,有害事象による脱落率は17.9% vs 17.0%であった。
一次エンドポイントの発生はomapatrilat群914例,enalapril群973例[ハザード比(HR)0.94;95%信頼区間(CI) 0.86-1.03, p=0.187)]で,両群間に有意差は認められなかった。
二次エンドポイントである死亡はomapatrilat群477例,enalapril群509例(HR 0.94;95%CI 0.83-1.07, p=0.339),心血管由来の死亡あるいは入院は1178例 vs 1275例(HR 0.91;95%CI 0.84-0.99, p=0.024),心血管死,心筋梗塞,脳卒中,心筋血行再建術は537例 vs 578例であった(HR 0.93, 95%CI 0.83-1.05, p=0.233)。
年齢,性別,EFなどによるサブグループの解析も一次エンドポイントと同様であったが,収縮期血圧と治療薬の違いにおいて両群間に有意差がみられた(p=0.009)。
心不全による全入院(SOLVD試験で使用された定義)を含むnoninferiorityに関するpost hoc解析によると,死亡+心不全による入院はomapatrilat群941例,enalapril群1041例(HR 0.89;95%CI 0.82-0.98, p=0.012)とomapatrilat群で11%低かった。
★結論★omapatrilatは慢性心不全による死亡および入院のリスクを低下させたが,enalaprilと比べてより有効ということはなかった。post hoc解析でomapatrilatの良好性が示されたことから,さらなる検討が待たれる。
文献
  • [main]
  • Packer M et al for the OVERTURE study group: Comparison of omapatrilat and enalapril in patients with chronic heart failure; the omapatrilat versus enalapril randomized trial of utility in reducing events (OVERTURE). Circulation. 2002; 106: 920-6. PubMed

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収載年月2002.11