循環器トライアルデータベース

ASPECT-2
Antithrombotics in the Secondary Prevention of Events in Coronary Thrombosis-2

目的 急性冠イベント後の患者において,経口抗凝固薬強化コントロール単独,経口抗凝固薬中等度コントロールと抗血小板薬aspirinの併用,aspirin単独のいずれの治療法が長期的に有効であるかを検討。一次エンドポイントは死亡,心筋梗塞(MI),脳卒中の初発。
コメント aspirinとINR<1.5~1.8のmild control群との比較では虚血イベントに有意差が認められていない(CARS trial,CHAMP study)。一方,INR;2.0~3.0の中等度のコントロールではaspirinに優ることが報告されている(OASIS-2 trial他)。またASPECT studyではINR;2.8~4.8と強化したコントロール下で,MI再発と脳血管イベントの減少に有用性が認められたが死亡率では差がなかった。本トライアルは予定より症例数が少なく,観察期間も0~26か月(中央値12か月)と短期間であるが,強化抗凝固療法および中等度コントロール+aspirinがaspirin単独療法に優ることが示された。同様の条件でAMIを対象に検討したさらに大規模で長期間(平均4年間)のトライアルが最近発表された(New Engl J Med. 2002; 347: 969-74.)。その結果はcombined therapyが最も有効で,出血性合併症は両群でaspirin単独より有意に多かった。(中野中村永井
デザイン 無作為割付け,オープンラベル,多施設(オランダの53施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は中央値12か月(0~26か月)。患者登録に時間がかかるため1999年2月に予定より早く終了。
対象患者 999例。男性,妊娠していない女性。急性心筋梗塞または不安定狭心症による入院から8週以内の者。
除外基準:経口抗凝固薬または抗血小板薬が確定された適応(前者は心房細動,人工心臓弁,心室瘤など,後者は経皮的冠動脈形成術,ステント植込み),試験薬の禁忌,血行再建術予定例,重篤な疾患の併発,出血リスクの増大,脳卒中既往など。
治療法 低用量aspirin群(336例):80mg/日, 経口剤による強化抗凝固療法群(330例):warfarin(目標INR 3.0~4.0),(経口抗凝固薬)中等度コントロール群(333例):phenprocoumonまたはacenocoumarol(目標INR 2.0~2.5)+aspirin 80mg/日,にランダム化。
結果 試験薬の投与中止はaspirin群34例(10%),抗凝固薬群62例(19%),併用群68例(20%)。平均INRは抗凝固薬群3.2,併用群2.4。
一次エンドポイントの発生はaspirin群31例(9%),抗凝固薬群17例(5%)[ハザード比(HR)0.55, 95%信頼区間(CI) 0.30-1.00, p=0.0479)],併用群16例(5%)(HR 0.50, 95%CI 0.27-0.92, p=0.03)。
重大な出血はaspirin群3例(1%),抗凝固薬群3例(1%)(HR 1.03, 95%CI 0.21-5.08, p=1.0),併用群7例(2%)(HR 2.35, 95%CI 0.61-9.10, p=0.2)。小出血は5% vs 8%(HR 1.68, 95%CI 0.92-3.07, p=0.2) vs 15%(HR 3.13, 95%CI 1.82-5.37, p<0.0001)。
★結論★急性冠イベントによる入院後まもない患者における経口剤による強化抗凝固療法,あるいはaspirinと経口抗凝固薬中等度コントロールの併用治療は,aspirin単独投与よりも心血管イベントおよび死亡の抑制に有効であった。
文献
  • [main]
  • van Es RF for the antithrombotics in the secondary prevention of events in coronary thrombosis-2 (ASPECT-2) research group: Aspirin and coumadin after acute coronary syndromes (the ASPECT-2 study); a randomised controlled trial. Lancet. 2002; 360: 109-13. PubMed

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収載年月2002.11