循環器トライアルデータベース

ALPHABET
Arterial Pulmonary Hypertension and Beraprost European Trial

目的 NYHA IIおよびIII度の肺動脈高血圧(PAH)患者において,プロスタサイクリン誘導体beraprostの12週間経口投与の運動耐容能,症状,心肺血行動態に与える効果および安全性を検討。一次エンドポイントは6分間歩行試験による運動耐容能の変化。
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(ヨーロッパの13施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は12週。
対象患者 130例。8歳以上の男女。PAH(原発性肺高血圧,膠原病,先天性全身-肺シャント,門脈高血圧,HIVなどに合併した肺高血圧症)。
除外基準:登録前1か月内までに他のプロスタサイクリン誘導体による長期治療。
■ 患者背景:6分間歩行距離は50~500m,平均肺動脈圧>25mmHg,肺動脈楔入圧<15mmHg。
治療法 beraprost群(65例)またはプラセボ群(65例)にランダム化。
最初の6週間は最大耐容量達成までの漸増投与期間,7~12週間を維持期間とした。第1週目に1錠(20μg)×4回/日投与し,以後毎週20μg×4回/日ずつ増量(6週目の最大投与量は120μg×4回/日)。耐えがたい副作用が生じた場合は前の週の用量に戻し,これを最大許容量とする。6分間歩行試験は投与から2~4時間後に実施。
結果 beraprostの最大許容量の中央値は80μg×4回/日。
beraprost群で運動耐容能および症状の改善がみられた。12週後の6分間歩行距離の変化は,beraprost群がプラセボ群より25.1m長かった[95%信頼区間(CI) 1.8-48.3,p=0.036]。
二次エンドポイントである12週後の運動負荷心肺機能Borg dyspnea indexは,beraprost群でプラセボ群に対し-0.94の改善がみられた(95%CI -1.63--0.24,p=0.009)。原発性肺高血圧症患者では,6分間歩行距離の変化はberaprost群でプラセボ群に比べ46.1m長く(95%CI 3.0-89.3,p=0.035),Borg dyspnea indexはberaprost群でプラセボ群に対し-1.46の改善がみられた(95%CI -2.63- -0.28,p=0.013)。12週後にNYHA心機能の改善がみられた患者は,beraprost群16例(25%) vs プラセボ群10例(15%)で有意差は認められなかった(p=0.190)。薬剤関連の有害事象は漸増投与期間にみられたが,維持期間に減少した。
★結論★NYHA IIおよびIIIのPAH患者,特に原発性肺高血圧症患者において,beraprostは運動耐容能および症状を改善する。
文献
  • [main]
  • Galie N et al for the arterial pulmonary hypertension and beraprost European (ALPHABET) study group: Effects of beraprost sodium, an oral prostacyclin analogue, in patients with pulmonary arterial hypertension: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial. J Am Coll Cardiol. 2002; 39: 1496-502. PubMed

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ライフサイエンス出版
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収載年月2002.07