循環器トライアルデータベース

VINO
Value of First Day Angiography/Angioplasty in Evolving Non-ST Segment Elevation Myocardial Infarction: An Open Multicenter Randomized Trial

目的 ST上昇のない急性心筋梗塞(AMI)患者において,即日の冠血管造影および血管形成術の有効性を保守的治療と比較。一次エンドポイントは,6か月後の死亡+非致死性AMIの再発。
コメント ST上昇を伴わない急性心筋梗塞に対する血栓溶解療法の効果については否定的な見解が多い。しかし,本研究のように冠動脈造影を直ちに行いしかるべく血行再建を行うと,保存的治療に比べて予後を改善できる可能性が示された。ただしこの研究は症例数が少ないので,今後症例数を増やした検討が必要であろう。(井上
デザイン 無作為割付け,オープン,多施設(チェコ共和国の10施設)。
期間 追跡期間は6か月。登録開始は1998年5月4日。
対象患者 131例。安静時の虚血性胸痛発症から24時間以内,症状が>20分持続,ECGによりST上昇のないAMIと確認されたもの,CK-MBが標準上限の1.5倍以上,トロポニンIテストあるいはその両方で陽性。
除外基準:梗塞後不安定狭心症,心原性ショック,急性左/右脚ブロックあるいは2誘導で≦2mmのST上昇など。
治療法 即日に血管造影/血管形成術施行群(64例),保守的治療群(67例)にランダム化。
即日施行群では,ランダム化後すぐに冠動脈造影を行い,その直後に血行再建術,およびステント植込み(1枝病変または梗塞関連動脈のTIMI gradeが0~2の多枝病変)を施行。左主幹部病変例またはTIMI grade 3の多枝病変に対しては発症から3~4週間後にバイパス術。重篤な(>70%)左主幹部狭窄,または安静時胸痛の再発を伴う多枝病変に対しては,発症後1週以内にバイパス術を施行。
保守的治療群では薬物療法を行い,心筋虚血発作再発または症候限界型運動テストで陽性例のみ,冠動脈造影に続き血行再建術を施行。
全例にaspirin 250mgボーラス静注+非分画heparin 5000単位ボーラス静注,その後非分画heparinを活性化部分プロトロンビン時間50~75秒を維持するよう3日間以上連続点滴。試験期間中aspirin 200mg/日を経口投与。ステント植込み例はticlopidine 250mg×2回を1か月間投与。
結果 冠血管造影の実施は即日施行群100%(入院から平均6.2時間後),保守的治療群55%,6か月後の血行再建術率は73% vs 39%,入院当日の血行再建術率は47% vs 3%であった(各p<0.0001)。待機的血行再建術の施行率は5% vs 10%,バイパス術は35% vs 30%,完全な血行再建達成率は51% vs 58%と両群間に有意差はみられなかった。ランダム化から冠動脈造影までの平均時間は6.2時間 vs 61日,血行再建術術までの時間は8.6時間 vs 55日,バイパス術までは34日 vs 86日であった(各p<0.0001)。
一次エンドポイントの発生率は,即日施行群6.3% vs 保守的治療群22.4%(p<0.001),死亡率は3.1% vs 13.4%(p<0.03),非致死的MI は3.1% vs 14.9%(p<0.02)と,いずれも即日施行群で有意に低かった。
★結論★持続するST上昇のない進行MI患者において,即日の冠動脈造影に続く血行再建術の施行は,保守的治療に比べ死亡率および再梗塞発生率を低下させる。
文献
  • [main]
  • Spacek R et al: Value of first day angiography/ angioplasty in evolving non-ST segment elevation myocardial infarction; an open multicenter randomized trial; the VINO study. Eur Heart J. 2002; 23: 230-8. PubMed

▲pagetop
EBM 「循環器トライアルデータベース®」
ライフサイエンス出版
ご不明の点はお問い合わせください
収載年月2002.06