循環器トライアルデータベース

VMAC
Vasodilation in the Management of Acute CHF

目的 非代償性うっ血性心不全(CHF)患者において,標準治療に追加するnitroglycerin,リコンビナントヒトBNP nesiritide静注の有効性と安全性を比較。一次エンドポイントは,肺動脈カテーテル挿入例では肺毛細管楔入圧(PCWP)の変化,および全例においては3時間後の呼吸困難感の自己評価。
デザイン 無作為割付け,二重盲検,多施設(米国55施設)。
期間 追跡期間は30日。実施期間は1999年10月~2000年7月。
対象患者 489例。非代償性CHFによる安静時呼吸困難。
除外基準:収縮期血圧(SBP)<90mmHg,心原性ショックあるいは脱水などの血管拡張薬禁忌例など。
治療法 右心肺動脈カテーテル挿入の有無で層別化(挿入群246例,非挿入群243例)。次の3群にランダム化:nitroglycerin群(143例):400μg/mLを主治医判断の速度で静注。nesiritide群(204例):10μg/mLで調整し,2μg/kgボーラス投与後fixed dose(0.01μg/kg/分)を3時間静注。3時間後,投与量固定(fixed dose)群は同量を,投与量調整群はPCWP≧20mmHgの場合は最大0.03μg/kg/分まで3時間ごとに増量,SBP≧100mmHgの場合は1μg/kgボーラス投与後,前の投与量に0.005μg/kg/分を増量。プラセボ群(142例)。
最初の3時間はプラセボ対照,3~48時間は実薬比較。
カテーテル非挿入例は最初の3時間は漸増投与可能なnitroglycerin群,fixed doseのnesiritide群,プラセボ群にランダム化。挿入例は非挿入例の3群,あるいは投与量調整nesiritide群にランダム化。3時間後の一次エンドポイント結果を確認後,プラセボ群をnitroglycerin群とfixed doseのnesiritide群にクロスオーバー。nitroglycerin群(216例)とnesiritide群(273例)にランダム化し,24時間以上継続投与。
結果 3時間後のPCWPの平均低下値は,nesiritide群では-5.8mmHg(vs nitroglycerin,p=0.03,vs プラセボ,p<0.001)で,-3.8mmHg(vs プラセボ, p=0.09)のnitroglycerin群,-2mmHgのプラセボ群より有意に大きかった。
3時間後の呼吸困難感は,nesiritide群でプラセボ群に比べ有意に改善した(p=0.03)が,nitroglycerin群と比べた場合は有意差は認められなかった(p=0.56)。nesiritide群の全体の臨床症状についてもnitroglycerin群(p=0.55),プラセボ群(p=0.07)と比べて有意差はみられなかった。
24時間後のPCWPの低下は,nesiritide群で-8.2mmHgでnitroglycerin群の-6.3mmHgに比べて大きかった(p=0.04)が,呼吸困難感では有意差はなく,全体的な臨床症状の改善もわずかであった。
★結論★急性の非代償性CHF入院患者における,標準治療+nesiritideにより,nitroglycerinあるいはプラセボ投与よりも,血行力学的機能の改善および自己評価による症状の改善がみられた。
文献
  • [main]
  • Publication committee for the VMAC investigators (Vasodilation in the Management of Acute CHF): Intravenous nesiritide vs nitroglycerin for treatment of decompensated congestive heart failure: a randomized controlled trial. JAMA. 2002; 287: 1531-40. PubMed

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収載年月2002.06