循環器トライアルデータベース

HACAS
Hypothermia after Cardiac Arrest Study

目的 心室細動による心停止例において,軽度の全身低体温療法と正常体温での標準治療とで神経学的転帰(6か月以内)を比較。二次エンドポイントは6か月以内の死亡率および7日以内の合併症の発生。
コメント 完全な盲検試験とは言えないところに限界はあるが,軽度の全身低体温療法の有効性が期待される。改善率がそれ程高くなくても,国というレベルでみれば本法により救命される症例数は無視できないものである。(井上
デザイン 無作為割付け,単盲検,多施設(欧州5か国,9施設)。
期間 追跡期間は6か月。実施期間は1996年3月~2001年1月(登録は2000年7月まで)。
対象患者 275例。18~75歳,中央値59歳。
除外基準:鼓膜体温<30℃,中枢神経系抑制薬による心停止前の昏睡状態,心拍再開後およびランダム化前の言語による命令への応答あり,心拍再開後30分を超す低血圧(平均血圧<60mmHg)など。
治療法 心停止から蘇生後,全身低体温療法群(137例):目標体温32~34℃(膀胱で測定)を24時間維持,正常体温での標準治療群(138例)にランダム化。
一次エンドポイントの神経学的転帰は,Pittsburgh cerebral-performance categoryの1(良好な回復),2(中等度の障害),3(重度の障害),4(植物状態),5(死亡)で定義した。
結果 データ解析可能な低体温療法群136例中,cerebral-performance category 1および2は75例(55%),正常体温での標準治療群は54例/137例(39%)であった[リスク比1.4,95%信頼区間(CI)1.08-1.81]。
6か月後の死亡率は低体温療法群41%(56例/137例),標準治療群55%(76例/138例)であった(リスク比0.74,95%CI 0.58-0.95)。合併症の発生率は両群間で有意差は認められなかった。
★結論★心室細動による心停止からの蘇生例において,軽度の低体温療法は良好な神経学的転帰を増加させ,死亡を抑制した。
文献
  • [main]
  • The hypothermia after cardiac arrest study group: Mild therapeutic hypothermia to improve the neurologic outcome after cardiac arrest. N Engl J Med. 2002; 346: 549-56. PubMed

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収載年月2002.03