循環器トライアルデータベース

ADVANCE
Additional Value of NIR Stents for Treatment of Long Coronary Lesions Study

目的 長い(>20mm)病変長において,バルーンによる至適結果を得た後の追加ステントの有効性を検討。一次エンドポイントは9か月間の主要な有害心イベント[MACE:心臓死,心筋梗塞(MI),CABG,再PTCA]の非発生。
コメント provisional stentingは、バルーンで良好な結果が得られなかった場合にのみステントを用いるという戦略を示す。病変長が長い場合のこの戦略の妥当性は検討されていなかった。(中村中野永井
デザイン 無作為割付け,多施設,intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は9か月。
対象患者 437例。1枝病変(病変長20~50mm,血管径2.5~4.0mm)を有する安定/不安定狭心症あるいは可逆性虚血。
除外基準:5日以内のMI,標的血管域に運動減少を有するQ波MI,EF<30%,脳卒中既往,6か月以内の胃腸出血など。
■ランダム化された患者の平均病変長27mm,血管径2.78mm。
治療法 PTCA(バルーン)は冠動脈造影で狭窄率<30%に達するように実施した。
狭窄率>50%,type D,EあるいはFの解離,type Cの解離を有する虚血,TIMI gradeの低下により,bail-outステントを149例(34%)に施行し,残りの288例をNIRステントを使用する追加ステント群(145例)と,追加ステント非施行群(143例)にランダム化。
全例にticlopidine(250mg×2回/日)またはclopidogrel(75mg/日)をステント植込み前12時間以内に投与,さらに施行後1か月継続投与。heparin(10,000U)およびaspirin(250mg静注。≧100mg/日を無期限投与),血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬は試験担当医師の判断とした。
■GP IIb/IIIa受容体拮抗薬使用率は追加ステント群7.6%,対照群10.5%,bail-outステント群10.1%。
結果 手技の成功率は追加ステント群が93%,対照群が90%で両群間に有意差はなかった。早期の最小血管径(MLD)は追加ステント群2.40mm,対照群1.86mmで0.54mmの有意差が認められ(p<0.001),その結果冠動脈造影上の再狭窄率は27% vs 42%と対照群の方が高かった(p=0.022)。
一次エンドポイントは両群とも77%で両群間に有意差は認められなかった。早期に有意差が認められたMLDも終了時にはその差は0.08mmで有意差はなかった。
bail-outステント群では手技中の梗塞が有意に増加した(p<0.02)。
★結論★病変長の長い病変へのprovisional stentingの戦略は,1/3の症例にbail-outステントを必要とし,施行中の梗塞を3倍に増加させた。追加ステントは冠動脈造影上の再狭窄を抑制したが,MACEは抑制しなかった。
文献
  • [main]
  • Serruys PW et al: A randomized comparison of the value of additional stenting after optimal balloon angioplasty for long coronary lesions; final results of the additional value of NIR stents for treatment of long coronary lesions (ADVANCE) study. J Am Coll Cardiol. 2002; 39: 393-9. PubMed
  • [substudy]
  • tirofibanの高用量ボーラス投与は安全で周術期の虚血/血栓性合併症を有意に抑制した:J Am Coll Cardiol. 2004; 44: 14-9. PubMed

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EBM 「循環器トライアルデータベース®」
ライフサイエンス出版
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収載年月2002.05
更新年月2004.10