循環器トライアルデータベース

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Ventricular Arrhythmias Dofetilide

目的 虚血性心疾患(IHD)で持続性心室頻拍(VT)が誘発される例において,抗不整脈薬dofetilideとsotalolの短期および長期の有効性と安全性を比較。
有効性の一次エンドポイントは急性期のVT誘発の抑制,安全性の一次エンドポイントは急性期の有害事象,長期追跡中の脱落までの時間。
コメント III群薬が持続性VTの抑制効果があることが示されたが,dofetilideではtorsade de pointesの発生が問題となる。(井上
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,クロスオーバー,多施設(5施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は12か月。
対象患者 135例。平均年齢63歳。IHDがあり電気生理試験で誘発された持続性VT(投薬をしていない状況で>30秒または<30秒でも緊急の除細動が必要)が誘発された例。
除外基準:重篤な不安定うっ血性心不全(NYHA IV度);3週間以内の心筋梗塞,不安定狭心症あるいは心臓突然死からの蘇生例;徐脈(<50拍/分)など。
治療法 投薬前に電気生理検査でVTの誘発を確認後,sotalol先行群(66例)とdofetilide先行群(69例)にランダム化し,薬剤投与3~5日後に同様に誘発試験を施行。dofetilideは500μgを1日2回,sotalolは160mg(初日のみ80mg)を1日2回経口投与。長期試験は急性期の抑制効果のある薬剤を1年間投与。
有効はVTの誘発抑制(急性試験)あるいは再発(長期試験)とした。
結果 急性試験:両薬剤の投与を受けた128例のうち,67例(52.3%)は薬剤によってVT誘発が抑制され,そのうち23例では両薬剤が有効であった。dofetilideが有効であったのは合計46例(35.9%),sotalolが有効であったのは合計44例(33.6%)であった(p=ns)。
有害事象は,dofetilide群で2.3%(torsade de pointes 3例を含む),sotalol群で8.6%(不整脈死,心不全死各1例を含む)であった(p=0.016)。。
長期追跡試験:dofetilide群(42例)とsotalol群(27例)を比較すると,無効のための中止例はそれぞれ2例(4.8%)と3例(11.1%),何らかの理由による中止例は23.8%と37.0%であった。このうち治療との関係があったのはそれぞれ4例ずつの合計8例であった。有害事象はそれぞれ27例(64.3%)と18例(66.7%)にみられた(p=ns)。
★結論★持続性VTの抑制効果はdofetilideとsotalolは同等であり,急性期の忍容性はdofetilideの方が良好であった。長期追跡試験では有害事象に差はなかった。
文献
  • [main]
  • Boriani G et al on the behalf of ventricular arrhythmias dofetilide investigators: A multicentre, double-blind randomized crossover comparative study on the efficacy and safety of dofetilide vs sotalol in patients with inducible sustained ventricular tachycardia and ischaemic heart disease. Eur Heart J. 2001; 22: 2180-91. PubMed

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収載年月2002.03