循環器トライアルデータベース

AIPRI
ACE Inhibitionin Progressive Renal Insufficiency

目的 さまざまな腎疾患,軽等度~中等度の腎不全例において,ACE阻害薬benazeprilの安全性および残存腎機能保護効果を検討する。一次エンドポイントは血清クレアチニン(SCr)濃度の倍増および腎補助療法の開始。
コメント ACE阻害薬の有用性は蛋白尿を伴う糖尿病腎症においては明らかになっているが,本試験では原因を問わずクレアチニン・クリアランスが30~45mL/分の中等度の腎障害症例でも腎機能の保護に有効であることが示されている。(桑島
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,多施設(イタリア,フランス,ドイツ),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は3年。
対象患者 583例。さまざまな原因による慢性腎症(CRF)。
stratum 1:クレアチニンクリアランス(CrCl)が46~60mL/分(軽度CRF)が227例,stratum 2:CrClが30~45mL/分(中等度CRF)が356例。
腎症の原疾患は糸球体疾患(192例),間質性腎炎(105例),高血圧性腎症(97例),多発性嚢胞腎疾患(64例),不明(104例)であった。2型糖尿病性腎症も登録基準とした。
治療法 benazepril群(300例):10mg/日,あるいは対照群(283例):プラセボ+その他の降圧薬にランダム化。目標拡張期血圧(DBP)<90mmHg。
結果 3年後に一次エンドポイントに到達したのはbenazepril群31例,プラセボ群57例(p<0.001)で,benazepril群でリスクが53%低下した。一次エンドポイントに達することなく試験を終了したのは371例,脱落が124例(64例 vs 60例)。
軽度CRF例で一次エンドポイントに達したのはbenazepril群120例中5例,プラセボ群107例中15例,中等度CRF例では26/180例 vs 42/176例。3年後の腎機能が保たれる可能性はbenazepril群が有意に良好である(p<0.01)。腎機能が最も良好に保たれたのは,慢性糸球体疾患および>1.0g/24時間の蛋白尿であった。benazeprilは腎機能の進展を遅延させ腎機能が保たれる時間を延長した。
文献
  • [main]
  • Maschio G et al and the ace inhibition in progressive renal insufficiency (AIPRI) study group: Angiotensin-converting enzyme inhibitors and kidney protection; the AIPRI trial. J Cardiovasc Pharmacol. 1999; 33: S16-20. PubMed

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収載年月2002.01