循環器トライアルデータベース

ELVERA
Effects of Amlodipine and Lisinopril on Left Ventricular Mass and Diastolic Function (E/A Ratio)

目的 未治療の高齢者高血圧患者において,Ca拮抗薬amlodipineとACE阻害薬lisinopril長期投与の左室筋重量および拡張機能に対する有効性を比較。
コメント 従来,左室肥大の退縮効果はACE阻害薬が最も強いとされていたが,本研究は長時間作用型Ca拮抗薬がACE阻害薬と同等の左室肥大退縮効果を示した点で重要である。しかもプロトコールでは両群とも同一薬剤を増量することになっているため,純粋にACE阻害薬とCa拮抗薬の違いを比較している。(桑島
デザイン 無作為割付け,二重盲検,intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は2年。
対象患者 166例。平均年齢67歳(60~75歳)。拡張期血圧(DBP)95~115mmHgおよび/あるいは収縮期血圧(SBP)160~220mmHgの新規軽度~中等度の高血圧例。
除去基準:外来血圧>220/115mmHg,プラセボ治療期間後の不安定血圧(プラセボ投与前とのDBPの差が>10mmHgあるいはSBPの差が>20mmHg),二次性高血圧,狭心症,明白な冠動脈疾患,うっ血性心不全既往,血行動態的に重要な心臓弁膜症,不整脈,腎不全,1型糖尿病。
治療法 4週間の食塩摂取制限後,登録基準を満たした例を2週間のプラセボ投与による観察期間後,amlodipine群(81例):5mgを6週間投与後10mgに増量,lisinopril群(85例):10mgを6週間投与後20mgに増量の2群にランダム化。
拡張機能異常はドプラー心エコーで評価。
ベースライン時,1年後,2年後にLVMI(left ventricular mass index:左室心筋重量係数)を心エコー図で評価。左室流入血流速によりE/A比(early to atrial filling ratio:早期波最大流速/心房収縮期波最大流速)を評価。
結果 SBPおよびDBPはamlodipine群,lisinopril群とも有意に低下し,両群間に差は認められなかった。
amlodipine群のLVMIは1年後18.4g/m²有意に低下,2年後は25.7g/m²さらに有意に低下。lisinopril群でも1年後19.7g/m²,2年後は27.0g/m²それぞれ有意に低下したが,両群間で有意差は認められなかった。DBP(R2=0.01;p<0.05)およびSBP(R2=0.07;p<0.05)の降圧とLVMIの退縮の間に,小さいながらも有意な相関が認められた。脈圧の変化とLVMIの退縮には有意な関連はみられなかった(p=0.11)。
E/A比はベースライン時は両群同様であったが,amlodipine群で0.081m/秒[95%信頼区間(CI)0.05-0.11],lisinopril群で0.07m/秒(95%CI 0.04-0.10)有意に延長した。両群間でLVMIとE/A比の変化に有意差はみられなかった。
★結論★左室筋重量減少効果および拡張機能改善効果はamlodipineとlisinoprilは同等であった。
文献
  • [main]
  • Terpstra WF et al: Long-term effects of amlodipine and lisinopril on left ventricular mass and diastolic function in elderly, previously untreated hypertensive patients; the ELVERA trial. J Hypertens. 2001; 19: 303-9. PubMed
  • [substudy]
  • 2年後の頸動脈+大腿動脈の内膜-中膜肥厚(IMT)の抑制はamlodipine群0.089mm,lisinopril群0.065mmで両群間に有意差はなかった(p=0.18)。最大の抑制がみられたのは両群とも1年後で,2年後はわずかに増加した。総頸動脈のIMT抑制効果はamlodipine群で有意に大きかった(p<0.05)が,総大腿動脈では両群間差はみられなかった:J Hypertens. 2004; 22: 1309-16. PubMed

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収載年月2001.12
更新年月2007.02